1. 車のタイプによる燃費の違い

燃費とは、1Lのガソリンで走行できる距離の目安のことである。つまり、燃費のよい車とは少ない燃料で長い距離を走れる車ということになる。燃料の消費が少なく、排出される二酸化炭素の量も少ないので環境によいとされている。一定の基準を満たした車に対してはエコカー減税が適用されるなど、燃費のよい車に対する期待は大きい。
燃費の計算方法
最も正確に実燃費を計算できるのは「満タン法」と呼ばれる計算方法である。満タン法は、走行距離を0にした状態の車に満タンのガソリンを入れ、次の満タン給油時までの走行距離から、ガソリン1Lあたりの走行距離を算出する方法だ。たとえば、50Lのガソリンで500km走行した場合は、500km÷50L=10km/Lとなる。
車のタイプによる燃費の違い
燃費は車のタイプによって異なる。普通車は8〜10km/L、ディーゼル車は10〜20km/L、軽自動車は15km/L、ハイブリッド車は20km/L程度の数値になるのが一般的である。最新のハイブリッド車では30km/Lという燃費のものもあるが、ほとんどの場合はカタログに掲載されている燃費よりも実燃費は低くなりがちだ。
運転環境による燃費の違い
燃費は車のタイプによる違いも大きいが、運転環境でも差が出ることがある。とくに、急発進や急加速を多用する運転はガソリンの消費が大きいので、燃費が悪いと感じるだろう。車に乗っている人数や荷物が重い場合も燃費は悪くなる。低燃費といわれるタイプの車でも、運転環境によって燃費は変わる。タイヤの空気圧やエンジンオイルも燃費に影響するので、定期的なメンテナンスを行うことで燃費を向上させることができる。
2. ハイブリッド車の燃費

ハイブリッド車はガソリン車に比べて燃費がよい車だといわれている。その理由は、ハイブリッド車とガソリン車の動力源の違いにある。ガソリン車がエンジンを動力にしているのに対し、ハイブリッド車はエンジンと電気モーターという2つの動力を組み合わせて動いているのだ。
回生ブレーキの仕組み
ハイブリッド車の大きな特徴のひとつに「回生ブレーキ」というものがある。ガソリン車などの車は、ブレーキをかけることで摩擦を起こして減速する。その際に、走るための「回転エネルギー」が摩擦によって「熱エネルギー」に変換され、空気中に逃げる仕組みになっている。
一方ハイブリッド車では、ブレーキをかけた時に「回転エネルギー」の一部が「電気エネルギー」に変換され、バッテリーに電気を蓄えている。回生ブレーキは、本来熱エネルギーとして捨てられるはずだったエネルギーを有効活用できるので燃費が大きく向上する。
一方ハイブリッド車では、ブレーキをかけた時に「回転エネルギー」の一部が「電気エネルギー」に変換され、バッテリーに電気を蓄えている。回生ブレーキは、本来熱エネルギーとして捨てられるはずだったエネルギーを有効活用できるので燃費が大きく向上する。
カタログ燃費と実燃費の違い
一般的にカタログに掲載されている燃費の数値(カタログ燃費)と実際に走行した時の燃費の数値(実燃費)では、カタログ燃費の方がよい数値が出やすい。ハイブリッドカーの実燃費はカタログ燃費の60%前後ともいわれ、期待通りの燃費性能が実現できないことも多い。
カタログ燃費は、 加速や減速を細かく定められた「走行モード」 を使って測定する。ハイブリッド車は、あらかじめ電気モーターとエンジンの配分はエネルギーの使い方を走行モードに合わせて最適化することができるので、燃費の数値がよくなる傾向にある。しかし、実際の道路では走行モードが決まっていないのでカタログ燃費に比べて実燃費は悪くなってしまう。
カタログ燃費は、 加速や減速を細かく定められた「走行モード」 を使って測定する。ハイブリッド車は、あらかじめ電気モーターとエンジンの配分はエネルギーの使い方を走行モードに合わせて最適化することができるので、燃費の数値がよくなる傾向にある。しかし、実際の道路では走行モードが決まっていないのでカタログ燃費に比べて実燃費は悪くなってしまう。
3. ディーゼル車の燃費

ディーゼルエンジンを搭載した車のことをディーゼル車と呼ぶ。ディーゼルエンジンとは、高温の空気に軽油を吹きかけ、燃焼させることでエネルギーを生み出すエンジンのことである。
ディーゼル車の燃費
ディーゼル車は熱エネルギーの変換効率がよいので、ガソリン車に比べて2〜3割程度燃費がよいとされている。燃料に使う軽油の価格もレギュラーガソリンに比べると、1Lあたり20〜30円程度安いのが特徴だ。
ディーゼル車のメンテナンス
ディーゼル車は安い燃料で長く走れるが、メンテナンスに費用がかかる。とくにエンジンオイルの交換はガソリン車よりもやや頻繁にする必要がある。ガソリン車の場合は1年が目安だが、ディーゼル車は半年程度で交換するのがいいだろう。
車両本体価格が高い
ディーゼル車はガソリン車に比べて車両本体価格が高いことが多い。そのため、ディーゼル車は仕事などで車を使う機会が多く、長い距離を走行するトラックなどに使用されている。燃費のよさは長距離を走ることで実感できるので、短距離を繰り返し運転する人にはあまり向いていない。
結論
ハイブリッド車やディーゼル車は燃費のよい車だといわれている。しかし、燃費のよい車に乗っていても仕組みを理解していなければ燃費効率は落ちてしまう。タイヤの空気圧やエンジンオイルの交換など、メンテナンスをきちんとしていれば燃費も向上する。車の燃費が落ちていると感じたら、まずは運転方法を見直し、車を点検してみよう。