1. 固いネジの取り方

家具を分解しようとしたものの、ネジが固くて普通のドライバーでは回せないことがある。間違った方法で無理に回そうとするとネジ穴がつぶれてしまうこともあるため注意が必要だ。ここでは固く締められたネジの取り方について解説する。
ネジ穴に滑り止め液を塗る
ネジ穴用の滑り止め液を溝に数滴垂らすと、滑り止め液に含まれている粒子によってネジとドライバーの摩擦が大きくなるので、同じ力でもネジが回りやすくなる。滑り止め液はどんな種類のネジにでも使用でき、比較的安価で試すことができる方法だ。
貫通ドライバーを使った取り方
貫通ドライバーはグリップの端まで軸が通っているドライバーのことである。グリップの端の部分をハンマーで叩くことでネジに衝撃を与え、固着したネジを緩めることができる。
インパクトドライバーを使った取り方
時間が経って固着してしまったネジは貫通ドライバーを使っても回せないことがある。そんなときの最終手段としておすすめなのがインパクトドライバーだ。ネジ穴にドライバーを当て、グリップの端をハンマーで叩くところまでは貫通ドライバーと同じ使い方だが、インパクトドライバーの場合は、叩いた力が回転の力に変換されてネジを回せるという違いがある。錆びたネジやネジ穴がつぶれてしまった場合の取り外しにもおすすめの工具だ。
2. ネジ穴がつぶれたときには専用ドライバーを使う

ネジが固くて回らず、ネジ穴がつぶれてしまった場合には、ネジ取り用のプライヤーや専用ドライバーなどを使用してネジを緩めることができる。ここではつぶれたネジを回す方法を解説する。
プライヤーやペンチでネジ頭をつかんで回す
ネジ頭の周りにスペースがある場合はプライヤーやペンチでネジ頭をつかんで回すことができる。プライヤーやペンチは一般的に横に溝が入っているのだが、ネジ取り用の縦に溝が入っているものを選べばネジ頭をがっちりつかめるので、ネジが固くても滑らずに回すことができるだろう。
専用ドライバーでつぶれたネジ穴に新しい溝を付ける
ネジ穴がつぶれて回せず、プライヤーでもつかめないような状態であれば、つぶれたネジ穴の上から新しい溝を付けてネジを回す方法がいいだろう。ネジ取り用の専用ドライバーには、電動ドライバーに取り付けて使うタイプや、ハンマーで叩いて使うインパクトドライバータイプなどがあり、溝を付けるためのドリルと回すためのネジがセットになって販売されている商品が多い。
まずはドリルを正回転させてネジに下穴をあけ、次にビットを付け替えて下穴に差し込む。逆回転させるとネジが回って抜けるという仕組みだ。
まずはドリルを正回転させてネジに下穴をあけ、次にビットを付け替えて下穴に差し込む。逆回転させるとネジが回って抜けるという仕組みだ。
3. ネジ穴をつぶさないように回すには

DIY経験者でも、ネジ穴をつぶしてしまうことはよくあることだ。原因はネジを回すときにドライバーの先端が浮き上がってネジ頭から外れてしまう「カムアウト」という現象にある。
カムアウト現象とは
カムアウトは出る、抜けるという意味である。先端が細くなっているプラスネジは回すと横に力が加わり、斜面に沿って上方向に力が逃げてしまうのでドライバーが浮き上がりやすい。先端が浮き上がった状態でドライバーを回すと空回りをして、ネジ穴がつぶれてしまうのだ。ネジを回すときには、この現象に負けないように押し込む力を強くすることがコツだ。
ドライバーを回すときは押す力のほうが重要
ドライバーでネジを締めたり緩めたりするときには、回す力よりも押す力のほうを強くすることが重要だ。回す力を3としたとき、押す力を7くらいにするのが理想である。
軸がぶれないようにする
ドライバーの軸がぶれると押す力がうまく伝わらないため、先端が浮き上がってネジ穴がつぶれやすくなる。ドライバーをネジに対して垂直にすることも大切だ。
ネジ穴に合ったドライバーを使う
プラスドライバーには4種類のサイズがあり、ネジのサイズに合わせて使い分けなければいけない。このサイズ選びを間違うとドライバーが溝にフィットせずにカムアウト現象が起こりやすくなるので、サイズ選びには慎重になろう。
結論
今回はネジを取る方法について解説した。固くなったネジは衝撃を与えると緩められる場合がある。またネジ穴がつぶれてしまったときには、プライヤーでネジ頭をはさんで回したり、専用器具で下穴をあけたりする方法がおすすめだ。プラスドライバーのネジ穴はつぶれやすいため、押す力を意識して回すようにしよう。