1. 接着剤は素材ごとに種類が違う

接着剤にはさまざまな種類があり、接着する素材によって適合する成分は異なるので、それぞれの素材に合う接着剤を選ぶ必要がある。ここでは、素材別に使用できる接着剤を紹介しよう。
木材に合う接着剤
- 酢酸ビニル樹脂エマルジョン系
- ユリア樹脂系
- メラミン樹脂系
- エポキシ樹脂系
- 合成ゴム系
- ホットメルト系
- 瞬間接着剤
木材は、比較的適合する種類が多いといえる。最もオーソドックスなのは、木工用ボンドと呼ばれる酢酸ビニル樹脂エマルジョン系だ。こちらは成分中に水分を多く含むので、木材に馴染みやすい接着剤である。
金属に合う接着剤
- エポキシ樹脂系
- 合成ゴム系
- 変形シリコン系
- ホットメルト系
- 瞬間接着剤
木材に適している水溶性タイプの接着剤は、金属に効果を発揮しにくいので有用性は低くなる。金属に使う接着剤は、ゴムやシリコンを含む弾力性のあるものがおすすめである。
プラスチックに合う接着剤
- アクリル・塩化ビニルなどにはアクリル接着剤
- ポリプロピレンやポリエチレンなどには合成ゴム系かホットメルト系
- ナイロンなどにはエポキシ樹脂系やシリコン樹脂系
プラスチック用の接着剤は、どのような成分が含まれているかで分類される。プラスチックでも、種類によっては対応していないケースもあるので購入前に必ずチェックしよう。
陶器・ガラスに合う接着剤
- 陶器には変性シリコン系・合成ゴム系・エポキシ樹脂系・瞬間接着剤
- ガラスには変性シリコン系・エポキシ樹脂系
割れやすい陶器やガラスを修繕するには、適した接着剤を選ぶことが必要だ。弾力のある変性シリコン系は、陶器やガラスなど割れやすい素材に有用である。陶器には瞬間接着剤が有効だが、食器への使用は避けよう。瞬間接着剤の中には水で溶解するタイプもあるため、食器を洗っている最中に再び破損することも考えられるので注意が必要だ。
2. 木材や金属に合う接着剤の種類

木材や金属に用いる接着剤は、どのような状況で塗布するかも重要である。種類ごとにそれぞれ特性があり、使い分けることでより有用性はアップするのだ。
木材
木材に接着剤を使用する場合まず考えなければならないのが、水に濡れるか濡れないかという点である。木材の接着剤には、木工用ボンドを代表とする水溶性タイプが多くある。これは木材へボンドが浸透したあと溶剤が蒸発することで接着するシステムだが、水に濡れると固まったボンドが溶解して元の状態に戻ってしまう。
工作した完成品を室内で活用するのなら水溶性でも十分に有効だ。しかし、濡れる室外や水回りで使用する場合はエポキシ樹脂系や合成ゴム系、またホットメルト系が適しているだろう。これらは木材以外との接着も可能であり、接着力も強いのが特徴だ。短時間で接着させたい場合は、瞬間接着剤や速乾タイプと表示されているものを選ぼう。
工作した完成品を室内で活用するのなら水溶性でも十分に有効だ。しかし、濡れる室外や水回りで使用する場合はエポキシ樹脂系や合成ゴム系、またホットメルト系が適しているだろう。これらは木材以外との接着も可能であり、接着力も強いのが特徴だ。短時間で接着させたい場合は、瞬間接着剤や速乾タイプと表示されているものを選ぼう。
金属
金属に使用できる接着剤はいくつかあるが、金属をなにと接着するかが使い分けの鍵となる。金属と金属など硬い素材同士では、耐久性の高いエキシポ樹脂系やホットメル系がぴったりだ。どちらも熱に反応する性質であり、結合力は強力である。
金属と柔らかい異素材を組み合わせる場合は、衝撃を吸収する合成ゴム系や変性シリコン系を選ぼう。貼り合わせる素材が異なるとヒビ割れや変形の原因ともなるため、圧を分散させる弾力系を用いるのがベストだ。
金属と柔らかい異素材を組み合わせる場合は、衝撃を吸収する合成ゴム系や変性シリコン系を選ぼう。貼り合わせる素材が異なるとヒビ割れや変形の原因ともなるため、圧を分散させる弾力系を用いるのがベストだ。
3. 接着剤の種類には注意点も

接着剤を取り扱う際は、もちろん注意点をおさえておく必要がある。子どもの工作などに用いられる木工用ボンドは水溶性なので比較的安全性は高いが、有機溶剤を使用しているタイプのボンドの取り扱いには注意点があるのだ。
とくにエポキシ樹脂系の接着剤は、人によって皮膚に触れるとかぶれを引き起こす可能性がある。固まってしまえば問題ないが、完全に硬化するまでは放置しておこう。接着剤の取り扱いには、手袋の着用が必須である。また小さい子どもが使用する際は必ず大人が付き添って、接着剤を使ううえでの注意点に気をつけてほしい。
とくにエポキシ樹脂系の接着剤は、人によって皮膚に触れるとかぶれを引き起こす可能性がある。固まってしまえば問題ないが、完全に硬化するまでは放置しておこう。接着剤の取り扱いには、手袋の着用が必須である。また小さい子どもが使用する際は必ず大人が付き添って、接着剤を使ううえでの注意点に気をつけてほしい。
結論
接着剤は、素材ごとに種類の使い分けが必要であり、選択を間違えるとくっつかなくなってしまう。また同じ素材同士を接着するのか、はたまた異素材と接着するのかでも、選択は異なってくる。正しい使い方を把握して、生活に接着剤を役立ててみよう。