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鮮やかな赤色のレーヨン生地のイメージ写真

レーヨンやポリエステルはどんな素材?違いや化学繊維の特徴を解説!

投稿者:ライター 渡辺恵司(わたなべけいじ)

鉛筆アイコン 2021年12月29日

レーヨンやポリエステルといえば美しい光沢が特徴の繊維だが、両者の違いは詳しくご存じだろうか?本稿ではレーヨンとポリエステルの違いについて、化学繊維の種類と特徴も交えながら解説する。レーヨンとポリエステルの見分け方、お手入れのポイントなどもお伝えしていくので、あわせて参考にしてほしい。

  

1. レーヨンもポリエステルも「化学繊維」のひとつ

ポリエステル100%の洗濯表示の写真
生地の種類は豊富にあり、材料となる繊維も多種多様だ。その中のひとつに「レーヨン」や「ポリエステル」がある。

レーヨンもポリエステルも「化学繊維」

繊維は、綿やシルクなどの「天然繊維」と人工的に作られる「化学繊維」の2つに大別される。今回のテーマであるレーヨンやポリエステルは、このうち化学繊維に分類される素材だ。だが同じ化学繊維でも、細かく分類するとレーヨンとポリエステルは別のカテゴリーに入る。化学繊維には「再生繊維」「合成繊維」「半合成繊維」といった種類があることを覚えておこう。

2. レーヨンとポリエステルの違い

レーヨンの主原料であるパルプのイメージ写真
レーヨンもポリエステルも同じ化学繊維だが、細分化すると両者はまったく異なる繊維であることがわかる。

レーヨンは化学繊維の中の「再生繊維」

木材(パルプ)や綿といった天然素材を原料に作られているのが「再生繊維」だ。抽出したセルロースに化学処理を施して溶解したのち、再度セルロースに再生して繊維が完成する。この工程から再生繊維と呼ばれているのだ。レーヨンはこの再生繊維であり、ほかにはキュプラ、リヨセル、ポリノジックなどがある。
シルクに似た手触り、風合いなどを持つ繊維である。吸湿性に優れている一方で水に弱く縮みやすい。濡れると強度が一気に落ちるのも再生繊維の取り扱いで注意すべきポイントだ。

【レーヨンの特徴】

  • 吸湿性に優れている
  • 静電気が発生しにくい
  • 色がクリアに染まる
  • ドレープがキレイに出る
  • 肌触りがなめらか など

ポリエステルは化学繊維の中の「合成繊維」

他方、ポリエステルは化学繊維の中でも「合成繊維」に分類される。こちらにはナイロン、ポリウレタン、アクリルといった仲間がいる。合成繊維の原料は石油で、軽くて丈夫という特徴がある。静電気が発生しやすいといった欠点はあるものの、吸湿性(吸水性)が低いことから保管中でもカビなどのリスクが低い。

【ポリエステルの特徴】

  • 弾力があり軽くて丈夫
  • シワになりにくく型崩れもしにくい
  • 摩擦や熱に強い
  • 乾きやすい
  • 保管しやすい など

3. レーヨンとポリエステルの見分け方

レーヨンやポリエステルをイメージした布の写真
絹のようなツヤをもつレーヨンと同じように、光沢のあるのがポリエステルだ。両者を見分けるポイントをご存じだろうか?「触れる」「濡らす」「燃やす」といったことで両者の個性が際立ち、その個性こそが判別のヒントになる。

触れるとわかる

レーヨンを肌にのせると滑らかにフィットするが、ポリエステルは弾力があるためすき間ができる。サラサラした涼感はどちらも一緒だが、徐々にしっとりしてくるのは吸湿性のあるレーヨンのほうである。

濡らしたときにも違いが出る(試さないようがよい)

レーヨンが水を含むとパルプ繊維が顔を出す。紙を濡らしたときのような膨張やヨレが発生し、変形したまま乾燥してしまう。一方のポリエステルは、濡らしてもほとんど変化が見られない。せっかくのレーヨンを無駄にしないためにも試すことは控えよう。

ちなみに「燃えたあと」も大きく違う(試すのは絶対にNG)

同じく試すのは絶対にNGだが、雑学程度に知っておいてもよいだろう。天然繊維を含むレーヨンは、素早く一気に燃え上がったのち、紙が燃えたようなにおいと白っぽい灰が残る。他方、石油由来のポリエステルは黒い煙を出しながら溶けていき、最後は黒っぽい球体になる。

4. レーヨンやポリエステルが使われているアイテム

ポリエステルが使われていることが多い、ワイシャツの写真
レーヨンやポリエステルは、具体的にどういったアイテムに使われているのだろうか。例を挙げておくので、何かの際は参考にしてみてほしい。

レーヨンが使われているファッションアイテムの例

  • 裏地
  • シャツ
  • ワンピース
  • スカート
  • ブラウス など
ごく一例になってしまうが、レーヨンはこうしたアイテムによく使われている。吸湿性に優れ、静電気が起こりにくいことから快適に着られるのが大きな魅力だ。ただし水には弱いため取り扱いには気をつけよう。

ポリエステルが使われているファッションアイテムの例

  • ワイシャツ
  • セーター
  • スポーツウェア
  • スカート
  • ワンピース
  • 各種ユニフォーム など
同じく一例になってしまうが、ポリエステルはこうしたアイテムに使われることが多い。シワや型崩れに強いことから、ワイシャツなどはほぼポリエステルだ。軽くて丈夫という特徴も、スポーツウェアやユニフォームなどにはピッタリである。

5. レーヨンやポリエステルのお手入れのポイント

レーヨンまたはポリエステルなどが使われたワイシャツを干しているところのイメージ写真
レーヨンやポリエステルが使われている製品をお手入れする際のポイントもお伝えしておこう。

洗濯表示を確認する

レーヨンやポリエステルに限ったことではないが、必ず洗濯表示は確認しておこう。基本的にポリエステルであれば洗濯OKというものがほとんどだが、レーヨンは水洗いすると縮み、シワ、型崩れなどを起こすことがあるため注意が必要だ。

アイロンは温度設定を守る

レーヨンは濡れた状態でアイロンをかけるとテカッてしまうなどトラブルのもとになる。アイロンOKのアイテムだったときは、乾いた状態でかけるようにしよう。ポリエステルの場合も温度に注意してほしい。低温〜中温に設定し、あて布を使用しよう。

干し方にもコツがある

脱水が終わったら速やかに取り出し、手で軽くシワを伸ばす。レーヨンであれば平干しがおすすめだが、型崩れを起こしているときなどは自重で伸びることを期待して吊り干しをするといった方法もある。ただし結果は約束できないため、自己判断でお願いしたい。また両者とも、できれば乾燥機を使わず風通しのよい場所での陰干し(自然乾燥)を基本としよう。

6. レーヨンは掃除用のクロスにも使われている

レーヨンを使ったクロスでIHコンロを掃除しているところのイメージ写真
レーヨンの、掃除用クロスとしての素晴らしさも最後に紹介しておきたい。毛足の長いレーヨンが織り込まれたそのクロスは、油汚れをよく吸収してくれる。水を含ませて絞ったあと、汚れを拭うだけなので、使い方も簡単だ。またクロスについた汚れも、水で洗い流すだけでキレイに落ちる。ネット通販やドラッグストア、ホームセンターなどで手軽に入手できるので、ぜひレーヨンのクロスも試してみてほしい。

結論

レーヨンとポリエステルは同じ「化学繊維」であるが、前者は「再生繊維」、後者は「合成繊維」に分類され、それぞれ特徴なども異なる。洗濯方法をはじめお手入れの仕方も違うので、必ず洗濯表示を確認することとあわせて、メーカーのホームページや取扱説明書などで適切な取り扱い方を確認しておくことが大切だ
インフォメーションマークアイコンオリひとを楽しむための注意事項はこちら
  • 公開日:

    2019年12月20日

  • 更新日:

    2021年12月29日

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