- 1. 「ローファー」の基礎知識
- 2. スーツにローファーはマナー違反?
- 3. スーツにローファーを合わせるときの4つの注意点
- 4. スーツに合うローファーの型
- 5. ビジネスと冠婚葬祭で異なるスーツとローファーのコーデ
- 6. 「スーツにローファー」はTPOで使い分けを
1. 「ローファー」の基礎知識
スーツにローファーはマナー違反なのかどうかの前に、そもそもローファーとはどういった履物なのか基本的なところをおさらいしておこう。
ローファーとは
紐がなく、いわゆるスリッポン型の革靴がローファーだ。本来紐がある部分には装飾が付いている。一般的な革靴よりもカジュアルで、紐がないことから脱ぎ履きしやすい。カジュアルとはいえ装飾はシンプルなものが多いため、革靴のような上品な印象を与えるローファーも多い。
ローファーにもいろいろな種類がある
ローファーというと中高生が履くようなものが思い浮かぶが、足の甲に馬具のようなパーツが付いているものや、何の飾りもなくツルンとしているタイプも総じてローファーと呼ぶ。
英語で「怠け者」の意味を持つ
ローファーは英語で怠け者といったニュアンスを含む「loafer」のことだ。靴ひもを結ばずに簡単に脱ぎ履きできることからその名前がついたといわれている。
2. スーツにローファーはマナー違反?
ローファーを制服として採用している中学校や高校も多いが、「スーツにローファー」はどうなのだろうか?
フォーマルシューズとしてはふさわしくない
ローファーはカジュアルな靴に分類される。したがって正式なビジネスシーンなどにおける、フォーマルシューズとしてスーツに合わせてローファーを履くことは避けたほうがよいだろう。
【フォーマルシューズとしてふさわしいのは?】
つま先部分に横のラインが入った「ストレートチップ」、横のラインがない「プレーントゥー」、足の甲の部分にW字の切り返しが入った「ウイングチップ」、さらにベルトやバックル付きの「モンクストラップ」などはビジネスシーンやフォーマルな場面でもOKとされている。
クールビズなど一部では許容されることも
フォーマルシューズとしてはふさわしくないとされるが、クールビズなどの普及により、一部では「スーツにローファー」が許容される流れも生じている。もちろんTPOをわきまえることが大切であり、また職場や業種によってはふさわしくないこともあるが、一概にNGというわけではないのが現実のようだ。
3. スーツにローファーを合わせるときの4つの注意点
スーツに合わせてローファーを履きたいという場合、次の4つの点に注意しよう。
1. 色は黒かダークブラウンを選ぶ
明るい色はさらにカジュアルに見えてしまうため、暗い色を選ぶのが賢明だ。
2. スムースレザーを選ぶ
スエードやクロコなどはカジュアル感が出すぎてしまう。素材はスムースレザーがベターだろう。
3. ジャストフィットからやや小さめのサイズを買う
ローファーの革は伸びやすいため、やや小さめのサイズのものを買おう。
4.靴下は必ず着用する
スーツとローファーを合わせる場合、靴下は必ず着用することだ。カジュアルな場面ではカバーソックスのような短めの靴下もOKだが、スーツに合わせるならビジネスソックスにしよう。
4. スーツに合うローファーの型
もうひとつ、スーツに合うローファーを選ぶときにポイントとなるのが「型」だ。
一枚革になっていないものがおすすめ
素材は上述したように、黒など暗めのスムースレザーを選ぶとよい。ビジネスシーンにふさわしい革靴に近いイメージとなり、スーツと合わせてもそれほど違和感なく履けるはずだ。一方、ローファーの型は足の甲の部分が一枚革になっていないタイプを選ぼう。一枚革のものはしわになりやすいため、NGというわけではないが注意が必要だ。
5. ビジネスと冠婚葬祭で異なるスーツとローファーのコーデ
ビジネスと冠婚葬祭それぞれのシーンにおける、スーツとローファーのコーディネートに対する考え方をまとめたので参考にしてほしい。
ビジネスシーンにおけるスーツ&ローファーの考え方
ビジネスシーンにおけるローファーは「NGとは言い切れないがあまりふさわしくない」という微妙な立ち位置にある。たとえば通勤時や内勤などお客様に会わない仕事であったり、外回りで靴の脱ぎ履きが多く、その都度靴紐を解いて結んでしている時間がなかったりする場合は、ローファーを着用しても「失礼」とはならない可能性がある。
だが取引先に会ったり式典に出席したりする正式なビジネスシーンにおけるローファーは、先述のようにふさわしくないといえるだろう。新規開拓の営業マンや、就職活動のリクルートスーツにローファーを合わせるのもやめておいたほうが無難だろう。
冠婚葬祭におけるスーツ&ローファーの考え方
冠婚葬祭においてのローファーは、制服になっている学生以外の着用はマナー違反となるため控えたほうがよいだろう。冠婚葬祭には「内羽根式」といわれる、紐を通す革の部分が足の甲の内側に隠れているデザインの靴を選ぶのが基本だ。
6. 「スーツにローファー」はTPOで使い分けを
時代とともに価値観は変化する。したがって、いま一般的に「スーツにローファーはふさわしくない」とされている場面でも、今後許容され「普通」「正式」となる可能性もある。さまざまな価値観を持つ、あらゆる世代が同じ時代に生きているため、賛否両論あってもおかしくはない。だが今のところ「スーツにローファー」は、TPOによって使い分けたほうがよさそうだ。
結論
一般的に、正式なビジネスや冠婚葬祭の場面でスーツにローファーを合わせるのはふさわしくない。だがカジュアルさが多少容認されるケースでは、スーツにローファーを合わせてもよいだろう。革靴に近いイメージになるよう、ダークな色合いのスムースレザーを選ぶのがおすすめだ。