目次
1. ポリウレタンとは

まずはポリウレタンとはどのような繊維か、その基本的知識から見ていこう。
ポリウレタンとは
ポリウレタン(PU)とは、ゴムのような伸縮性を持つプラスチック素材。ウレタンゴムとも呼ばれる。プラスチックというと硬いイメージがあるかもしれないが、分子の配合によってさまざまな特徴を出せるのだ。ポリウレタンはその一種である。
ポリウレタンの原料と製造方法
ポリウレタンの原料は「イソシアネート基」と「水酸基」を持っている化合物。それら主として合成することで製造される。
2. ポリウレタンとポリエステルの違いとは

ポリウレタンと同様に、さまざまなアイテムに使用されているポリエステル。ポリウレタンと似た響きをしているが、どのような違いがあるのだろうか。
ポリウレタンとポリエステルの違い
ポリエステルとは、石油を原料とした合成繊維のこと。ポリウレタンは伸縮性が大きな特徴だが、ポリエステルに伸縮性はない。ポリエステルが使われている衣類でも、伸縮性を感じるものがあるかもしれないが、それは生地の製法によるものだ。ポリエステルは繊維そのものが伸びるわけではない。
3. ポリウレタンを使った主な製品

ポリウレタンは多種多様な用途で、私たちの身の回りのあらゆる製品に使用されている。そこで、ポリウレタンを使った製品とはどのようなものがあるのかを紹介しよう。
特に身近なものでいえば「衣類」
特に身近なものは衣類だろう。合成皮革のコートやジャケット、スポーツウェア、ジャージ、下着、水着などにもポリウレタンが使われていることが多い。
4. ポリウレタンの種類

実は、ポリウレタンにも種類がある。フォーム系と非フォーム系に分けられ、それぞれ適した製品があるのだ。
フォーム系
ポリウレタンの種類のひとつに「フォーム系」というものがある。フォーム系のポリウレタンとは「発泡ポリウレタン」とも呼ばれ、発泡剤を混ぜて作られる。
フォーム系のポリウレタンは、「軟質ポリウレタン」と「硬質ポリウレタン」に分けることができる。「軟質ポリウレタン」は文字通り軟らかく、キッチンで使うスポンジや、ベッドマット、スピーカーやヘッドホンのクッション素材などに使われる。一方、「硬質ポリウレタン」は断熱材や防音材などに使用されている。
フォーム系のポリウレタンは、「軟質ポリウレタン」と「硬質ポリウレタン」に分けることができる。「軟質ポリウレタン」は文字通り軟らかく、キッチンで使うスポンジや、ベッドマット、スピーカーやヘッドホンのクッション素材などに使われる。一方、「硬質ポリウレタン」は断熱材や防音材などに使用されている。
非フォーム系
「フォーム系」の他には、「非フォーム系」と呼ばれるものもある。非フォーム系の一種である「エラストマー」と呼ばれるゴムは、私たちの身近なアイテムに使用されている。靴のインソールやスマートフォンケース、ゴルフボール、時計のバンドなどだ。
非フォーム系には他にも、合成皮革や繊維、樹脂塗料、接着剤など、さまざまな種類がある。
非フォーム系には他にも、合成皮革や繊維、樹脂塗料、接着剤など、さまざまな種類がある。
5. ポリウレタンが優れている特徴とは

ポリウレタンの優れている特徴とは、どのような点にあるのか。6つのポイントに分けて見ていこう。
伸縮性がある
ポリウレタンはもともと天然ゴムの代替品として発明されたため、伸縮性が非常に優れている。ストレッチパンツなど、伸縮性の優れた衣類にも含まれることが多い。
さまざまな繊維と混ぜて使える
ポリウレタンは、綿やレーヨン、ポリエステルなど他の繊維と混ぜても加工できる。
たとえばデニムは綿から作られているが、ポリウレタンを少し混ぜることにより、伸縮性が高まり体にフィットしやすくなるのだ。
たとえばデニムは綿から作られているが、ポリウレタンを少し混ぜることにより、伸縮性が高まり体にフィットしやすくなるのだ。
衝撃や引っ張りに強い
衝撃に強いポリウレタンは、引っ張りなどにも耐えられ、ちぎれにくい性質を持つ。そのため、強い力が加わりやすい靴のインソールや、高い耐久性を売りにするスマートフォンケースなどにも使われている。
軽い
スポンジを想像するとわかりやすいと思うが、ポリウレタンは非常に軽い。そのためポリウレタン素材の衣類は、スポーツウェアやジャージのように軽くて動きやすいものが多い。同様にカバンやスポーツシューズなどにも多く使われている。
乾きやすい
ポリウレタンには乾きやすいというメリットもある。速乾性の高さを売りにしたスポーツウェアやインナー、下着などにも使われることが多い。
シワになりにくい
綿や麻などの素材は、伸縮性に乏しくシワになりやすい。しかし、ポリウレタン素材の衣類は伸縮性が高いため、シワができにくい。きれいに畳まずに放置しても、比較的簡単に元の形に戻るのだ。
6. ポリウレタンの弱点とは

ポリウレタンならではの優れた特徴はあるが、もちろん弱点も持っている。ポリウレタン素材の製品を使用するに当たって、弱点として何が挙げられるのかを把握しておくのがよいだろう。
2〜3年など寿命が短い
ポリウレタンの致命的な欠点は、寿命が短いことだ。特に衣類に使われているポリウレタンは、2~3年が寿命ともいわれている。
ポリウレタンは空気や水分、熱、紫外線といった、さまざまなものの影響を受け劣化する。着用しなくても劣化は進み、生地がボロボロになったり、衣服の一部がはがれ落ちたりしてしまう。
ポリウレタンは空気や水分、熱、紫外線といった、さまざまなものの影響を受け劣化する。着用しなくても劣化は進み、生地がボロボロになったり、衣服の一部がはがれ落ちたりしてしまう。
水に弱い
ポリウレタンは水に弱く、空気中の水分によっても劣化する。そのため濡れたときのお手入れが大変で、洗濯時もおしゃれ着用の洗剤を使うなど工夫が必要だ。
特にポリウレタンのカバンや合皮素材の製品は、水に濡れたままにしておくと表面にヒビが入ってしまうことも。
特にポリウレタンのカバンや合皮素材の製品は、水に濡れたままにしておくと表面にヒビが入ってしまうことも。
熱に弱い
ポリウレタンは熱にも弱い。そのため、高温多湿な環境では劣化しやすい。
ポリウレタンの衣類を乾燥機にかけると縮んでしまうので注意しよう。
ポリウレタンの衣類を乾燥機にかけると縮んでしまうので注意しよう。
7. ポリウレタンが劣化しやすい理由とは

お伝えしたとおり、ポリウレタンはさまざまなものの影響を受けて劣化する。しかしなぜ、ポリウレタンが劣化しやすいのだろうか。その理由とは何かを知っておこう。
着用しなくても劣化が進む
ポリウレタンには、経時劣化という現象が起こる。経時劣化とは、ポリウレタンを作る際に結合させたところが、空気中にある水分や紫外線、熱といったさまざまな要素の影響を受けて分解されるというもの。そのため、ポリウレタンの衣類は着用していなくても劣化が進んでしまうのである。
劣化は「製造時」から始まる
ポリウレタンの劣化は、製造時からすでに始まる。ポリウレタン素材の衣類であれば、上述のとおり、製造から2〜3年が寿命の目安だ。ただし、使用環境や保管状態によって寿命は左右される。購入時からではなく、製造時から劣化が始まることを把握しておこう。
ポリウレタンが劣化するとどうなる?
ポリウレタンを使用したジャケットなどの革製品は、濡れたまま放置するとヒビ割れができる。ボロボロとカスが落ちることもあるだろう。そのほかにも、伸縮性のあった衣類がヨレヨレになる、ジャケットの表面にべたつきを感じるといった特徴が出てくる。
8. ポリウレタンの洗濯方法やお手入れ方法、取り扱い上の注意点

ポリウレタンの劣化を最小限にするために、洗濯方法やお手入れ方法を知っておこう。併せて取り扱い上の注意点もチェックしてほしい。
「ドライ」「手洗い」などの弱水流コースで洗濯する
ポリウレタンの衣服を洗濯するときは、洗濯ネットに入れ、おしゃれ着用の洗剤を使い、「ドライコース」や「手洗いコース」で洗うとよい。
水に弱いので、汚れがひどい場合もつけ置きはやめておこう。
水に弱いので、汚れがひどい場合もつけ置きはやめておこう。
脱水時間は短めに設定する
脱水時間が長くなると、ポリウレタン製品は縮むおそれがある。洗濯機での長時間の脱水を避け、手でしぼるなどして自然乾燥する方がよいケースもあるのだ。
濡れたときはタオルや自然乾燥で速やかに乾かす
ポリウレタンは水に弱いため、ポリウレタン素材の衣服が濡れてしまった場合は丁寧に乾かそう。まずはタオルで水分を十分に取り、部屋干し、もしくは陰干ししよう。
汚れたときはタオルで拭き洗いをする
ポリウレタンの衣服やカバンなどが汚れてしまったら、水で薄めたおしゃれ着用の洗剤をタオルに含ませ、やさしく拭き取るとよい。その後、洗剤の成分をぬぐうイメージで、濡れたタオルで再度拭こう。
防水スプレーをかけておくのもよい
ポリウレタンのカバンや合皮のジャケットなどには、防水スプレーをかけてコーティングしておくのもよいだろう。中にはポリウレタンに使用できない防水スプレーもあるので、選ぶ際は注意してほしい。
9. ポリウレタンは劣化が早い!適切に取り扱い少しでも長く着よう

ポリウレタンには優れた特徴があるが、劣化が早いという弱点もある。ポリウレタンが空気中の水分や紫外線といった、さまざまなものの影響を受けるからだ。長持ちさせるためには、ポリウレタンの洗濯方法やお手入れ方法、注意点を把握し、適切に取り扱おう。
結論
ポリウレタンとはどのような繊維なのか、その特徴や劣化しやすい理由、お手入れ方法まで徹底解説してきた。ゴムのような伸縮性を持ち、私たちの身の回りのさまざまな製品に使用されているポリウレタン。特徴をしっかりと把握して、適切に使用していこう。ポリウレタンについて知りたいことがあれば、当記事を役立ててほしい。