1. 「階段が狭い」ってどういう意味?

狭い階段は運びにくいのか、足を踏み外しやすいのか
普段の会話で「階段が狭い」というとき、多くの人が想定するのは階段の横幅だろう。「階段が狭くて冷蔵庫を運び入れるのが大変だ」というような場合、階段全体の横幅を意味する。
一方で「階段が狭くて足を踏み外しそうだ」というような言い回しを聞くことがあるかもしれないが、この場合「狭い」のは階段の一段一段の奥行きだ。同様に「階段が高い」という場合も「高い」が形容するものはあいまいで、「階段の距離が長い」のか「一段一段が高く、昇降が大変なのか」、はたまた「階段そのものの費用が高い」ということなのか。
一方で「階段が狭くて足を踏み外しそうだ」というような言い回しを聞くことがあるかもしれないが、この場合「狭い」のは階段の一段一段の奥行きだ。同様に「階段が高い」という場合も「高い」が形容するものはあいまいで、「階段の距離が長い」のか「一段一段が高く、昇降が大変なのか」、はたまた「階段そのものの費用が高い」ということなのか。
階段用語の基礎知識
実は、階段の各部の寸法には法律上の規定がある。建築基準法施行令によると、階段の一段一段の上面を「踏面」、各段の高さを「蹴上」という。つまり「階段が狭い」とは、一段一段の横幅を指し、奥行きを指す場合は「踏面が狭い」となる。
また、一段一段が高く上るのに足を大きく上げなければいけない場合は、「蹴上が高い」という表現の方が正確なものとなる。本記事ではこの専門用語にのっとって表記することとする。
また、一段一段が高く上るのに足を大きく上げなければいけない場合は、「蹴上が高い」という表現の方が正確なものとなる。本記事ではこの専門用語にのっとって表記することとする。
2. 賃貸物件の階段
賃貸のメゾネットは踏面が狭い?
賃貸物件のメゾネットタイプで最近多いのは、玄関扉は一階にあり、居住空間はすべて階段を上がった二階にあるというタイプだろう。もちろん、各階に居室などがあるタイプのメゾネットもあるが、いずれにせよ居住空間を広く確保するため階段が急勾配になることがある。
階段の傾斜の限界
建築基準法で、階段の角度、蹴上がりの高さには一定の制限があるが、この制限ぎりぎりでは傾斜がきつすぎて昇降が難しいようだ。
階段事故の傾向と対策
急勾配の階段は慌てているときなどに急いで上り下りをすると危険を感じることもあるだろう。本来はゆっくりと気をつけて上り下りするべきだが、そうとは言っていられない状況の場合、有効な安全対策は手すりを付けることだ。
現在の建築基準法では、一定以上の傾斜の階段には手すりをつけなければいけないことになっているが、古い賃貸物件の場合はないこともある。また、手すりをつかんでいても靴下などが滑ってしまうことがあるため、いくつかの手軽な対策を紹介する。
現在の建築基準法では、一定以上の傾斜の階段には手すりをつけなければいけないことになっているが、古い賃貸物件の場合はないこともある。また、手すりをつかんでいても靴下などが滑ってしまうことがあるため、いくつかの手軽な対策を紹介する。
3. 階段の滑り止めに有効な100均グッズ

弱粘着式なら、模様替えや掃除が簡単
階段の滑り止めマット、滑り止めシートを探すなら100均が種類が豊富で柄も多く便利だ。あまり急な傾斜でなければおすすめしたいのが、弱粘着式のタイプで、テープなどではなく吸盤の原理で階段の踏面に吸い付くため、汚れた場合の取り換えも簡単だ。また、数種類用意し、掃除のたびに貼りかえることでちょっとした模様替えにもなる。
不安なら両面テープを使ってしっかりと固定
階段の傾斜が急だったり弱粘着タイプでは不安だったりする場合は、硬質タイプを両面テープでしっかりと固定するのもいいだろう。100均ではこのタイプも充実している。弱粘着式が踏面全面に貼りつくのに対し、これは、踏面と蹴上がりの角を覆うように設置する。角の部分が盛り上がるので滑っても足がひっかかるようになっている。
暗い階段用に、蓄光タイプもある
夜にちょっと階下に降りて、ということもあるだろう。階段の明かりをつけたはいいが、足元がよく見えなくて怖いという思いをしたこともあるかもしれないが、そういう方には蓄光式の滑り止めマットがおすすめだ。
このタイプは、踏面の蹴上がりの角に蓄光素材があしらえており、明かりを消した直後などもぼんやりと光るため、足裏の感覚だけでなく、視覚でも階段を確認しながら昇降できる。もちろん、滑り止め機能もあるからより安全だ。高機能のため、100均では見つかりにくいかもしれないが、上述の階段マット、階段シートに、やはり100均にある蛍光テープなどを利用すれば類似のものが作れる。
このタイプは、踏面の蹴上がりの角に蓄光素材があしらえており、明かりを消した直後などもぼんやりと光るため、足裏の感覚だけでなく、視覚でも階段を確認しながら昇降できる。もちろん、滑り止め機能もあるからより安全だ。高機能のため、100均では見つかりにくいかもしれないが、上述の階段マット、階段シートに、やはり100均にある蛍光テープなどを利用すれば類似のものが作れる。
結論
階段の滑り止めと安全対策の方法について紹介したが、いかがだっただろうか。階段で滑ると想像以上の大きなけがになる場合も多い。持ち家なら本格的な階段リフォームもできるかもしれないが、賃貸などでは階段に穴をあけるわけにはいかない。そのようなときに、上述の滑り止め対策を参考に、安全で快適な階段の滑り止め対策を工夫してみてほしい。