目次
1. スキレットを購入後、最初にする手入れが「シーズニング」

スキレットは購入後、いきなり料理に使うことはできない。まず最初にシーズニングというお手入れを行う必要があるのだ。
スキレットのシーズニングとは
スキレットの使い始めに行う「ならし」のことをシーズニングという。店頭に並んでいるスキレットには、防サビ目的のオイルやワックスが塗布されているので、そのまま食品を調理して口にすることができない。そのため、使い始めにスキレットに塗布されている防サビ目的のオイルやワックスを洗い流し、新たに油を馴染ませ、焦げ付きやサビを防ぐシーズニングが必要なのだ。
シーズニングが不要のスキレットもある
スキレットによっては、工場での生産段階でシーズニング加工を施しているケースがある。このようなスキレットは、使い始めのシーズニングが不要だ。ただし当記事では、シーズニングが必要なスキレットについて解説していく。
2. スキレットを使い始める前のシーズニングのやり方

シーズニングとは何か、その必要性についてわかったところで、スキレットを使い始める前のシーズニングのやり方を見ていこう。
シーズニングに必要なもの
- 食器用洗剤
- たわし
- 鍋つかみ(革の手袋)
- オリーブオイル
- キッチンペーパー
- 菜箸
- 野菜のくず
以上を揃えておこう。スキレットは取っ手まで熱くなるため、鍋つかみや革の手袋は必須だ。油はオリーブオイルでなくても構わないが、サビ防止のために塩分が含まれていないものを選ぼう。
スキレットのシーズニングのやり方
- スキレットを洗剤で洗う
- 水分を飛ばすためにスキレットを空焚きする
- スキレットを十分に冷ます
- オリーブオイルを全体的に満遍なく塗る
- 再度、空焚きをする
- オリーブオイルがなくなったら火を止めて冷ます
- 「4」「5」「6」を何度か繰り返す
- 野菜のくずを炒める
- 水を入れて沸騰させる
- オリーブオイルを満遍なく塗る
以上がシーズニングの一般的な流れだ。手順が多いと感じるかもしれないが、やることは単純なので難しくないだろう。注意したいのは、スキレットを冷やす際に急激に冷やさないことだ。「9」の水を入れる際もそうだ。ヒビ割れなどを起こすと、もう元に戻らないので、気をつけてほしい。
オリーブオイルは取っ手や縁も含めて、文字通り「全体」に満遍なく塗ってほしい。また、野菜は鉄臭を取り除くためのものなので、ネギ、玉ねぎなどの香りがあるものがいいだろう。
シーズニングが終わったあと、スキレットが黒々として艶っぽくなっていれば完璧だ。
オリーブオイルは取っ手や縁も含めて、文字通り「全体」に満遍なく塗ってほしい。また、野菜は鉄臭を取り除くためのものなので、ネギ、玉ねぎなどの香りがあるものがいいだろう。
シーズニングが終わったあと、スキレットが黒々として艶っぽくなっていれば完璧だ。
スキレットのシーズニングはIHコンロでもできる?
スキレットがIHに対応しているものであれば、IHコンロでもシーズニングが可能だ。ただし、底面の温度が高温になると安全装置が作動するIHコンロの場合は、できないこともある。取扱説明書を確認しよう。
手順に関しては、上述の方法と同様だ。スキレットの取っ手や外側などに水分が残りやすいため、しっかり拭き取っておこう。
手順に関しては、上述の方法と同様だ。スキレットの取っ手や外側などに水分が残りやすいため、しっかり拭き取っておこう。
3. スキレットを使ったあとの手入れについて

スキレットは使用前だけでなく、使用後にもお手入れが必要になる。以下の手順を覚えておこう。
1.洗剤を使わずにお湯とスポンジ(たわし)で洗うのが基本
台所用の中性洗剤でスキレットを洗うと、シーズニングが落ちてしまう。そのため、お湯を流しながらたわしで汚れを洗い落とす。お湯ではなく水でも構わないが、急激に冷やさないように気をつけよう。また、ガンコな汚れがこびりついているときは、一度沸騰させて浮かせると落としやすくなる。
2.しっかり加熱して水分を飛ばす
空焚きをして水分を飛ばす。スキレットの表面にある小さな穴にも水分が入り込んでいるため、しっかりと加熱して乾かそう。
3.もちろんシーズニングも忘れずに
スキレットが冷める前に、油を馴染ませる。オリーブオイル、ショートニングなどがおすすめだ。使用前にも油を馴染ませるシーズニングを行うが、使用後も忘れずに行ってほしい。
4.湿気の少ない場所に保管すれば完了
油を馴染ませたスキレットを十分に冷まし、湿気の少ない場所に保管しよう。
油がなじんでくるとスキレットが黒光りする
スキレットを使い込み、シーズニングなどのお手入れをしっかり行っていると、黒光りしてくる。これはブラックポットと呼ばれるもので、スキレットに油が馴染んできた証拠だ。
4. スキレットの焦げ付きやサビが発生したときの手入れ方法

使用していると、スキレットに焦げ付きやサビが発生することも考えられる。上述の通りだが、シーズニングが落ちるため、洗剤は使えない。焦げ付きやサビのお手入れ方法を知っておこう。
頑固な焦げ付きにはスクレーパーや重曹が効果的
頑固な焦げ付きは、スクレーパーで削るようにして落としてから、スキレットに水を入れて火にかけ、浮かすと取れやすいはずだ。
または、重曹を使う方法もある。水と重曹を入れたスキレットを火にかけて、焦げ付きを浮かせて取るとよい。
または、重曹を使う方法もある。水と重曹を入れたスキレットを火にかけて、焦げ付きを浮かせて取るとよい。
サビが発生したスキレットの手入れ方法
スキレットのサビ部分を火にかけて熱し、炭化させる。しっかりスキレットを冷ましてから、たわしでサビをこすり落としていく。サビを落とせたら、重曹を振りかけ、ナイロンたわしでやさしく全体を磨いていこう。重曹を洗い流した後、通常どおりのシーズニングを行って完了だ。
5. スキレットを長く使い続けるために知っておきたいことと注意点

スキレットは、正しいお手入れをすることで長く使うことができる。大切に長く愛用していくために、知っておきたいことや注意点を把握しておこう。
料理を入れたままにしない
スキレットに料理を入れたままにすると、酸化してしまう。これがサビ発生の原因になるため、注意しよう。
使用後は毎回シーズニングする
サビを防ぎ、焦げ付きにくくするために、使用後は毎回油を馴染ませるシーズニングを行うことが重要である。
急激に冷やしたり強い衝撃を与えたりしない
熱いスキレットを急冷却したり、ぶつけるなどの衝撃を与えたりすると、ヒビ割れや破損するおそれがあるため、注意しよう。
スチールたわしは使わない
スチールたわしでスキレットを洗うと、シーズニングが落ちてしまうため、使用しないようにする。
IHコンロで使用する場合は中火以下が基本
IHコンロはガスコンロとは異なり、急激に本体が加熱される。そのため、油が少量であれば、30秒もすると発火点まで温度が上昇してしまう。危険なため、中火以下での使用が基本だ。
お湯を沸かしたり煮物を作ったりするのは控える
スキレットでお湯を沸かしたり、煮物を作ったりするのは控えよう。スキレットの塗装に水分が入り込むと、サビや剥離につながるおそれがあるためだ。
長期間使用しないときは新聞紙に包む
長期間使用する予定がないときは、スキレットを新聞紙で包んで保管する。新聞紙で包むことで、湿気による影響を受けにくくなる。
6. スキレットで作るおすすめレシピ

スキレットを使うと、外はパリッと中はジューシーな餃子や、野菜のラクレットなど、おいしい料理を楽しめる。そのほか、アヒージョもおすすめだ。作り方は簡単で、スキレットにオリーブオイルをたっぷり入れて、シーフードやきのこなどの具材とアヒージョの素を入れるだけで完成だ。スキレットをそのまま卓上に出し、熱々のアヒージョを楽しめるため、ぜひ試してみてほしい。
7. 手入れが楽なスキレットのおすすめ3選

スキレットにはシーズニングなどのお手入れが欠かせないが、少しでも手軽に扱えるものがほしいと感じることもあるだろう。ここでは、お手入れが楽なスキレットを3つご紹介する。
キャプテンスタッグ「スキレット(ミニ)」
ひと回り小さめのスキレットなので、調理したまま食卓に並べられる。少人数でのアウトドアや、ご家庭でスキレット料理を味わいたいときなどにピッタリだ。
ロッジ「スキレット10 1/4インチ」
アメリカ発のブランドで、スキレットといえばロッジと称されるほどである。日本でも人気が高い。IHに対応しているので、ご家庭で使うこともできる。
ニトリ「スキレット鍋 19cm(8インチ)」
ニトスキの愛称で人気のスキレット鍋で、IHとガスの両方で使用可能だ。手頃な価格で購入できるため、初めてスキレットを使用する方にもおすすめである。
8. シーズニングなどの手入れを覚えてスキレットを長く使い続けよう

鉄製鍋のスキレットは、テフロン加工の製品とは違い、シーズニングなどのお手入れが欠かせない。手間に感じるかもしれないが、正しいお手入れをすることで、長く愛用できるのもスキレットの魅力だ。シーズニングも、慣れてしまえば難しいものではない。お手入れについて知り、スキレットを大切に使い続けよう。
結論
保温性が高く、さまざまな料理に使用できるスキレット。シーズニングなどのお手入れは必要になるが、その使い勝手のよさから愛用している人は多い。料理をするなら、ぜひ取り入れたいアイテムといえるだろう。スキレットの購入を検討しているときや、取り扱い方法について知りたいときは、当記事を役立てて欲しい。