1. 蜂の巣の駆除は自分で?役所?それとも業者?

蜂の巣を見かけたら慌ててしまうかもしれないが、すべての蜂がヒトを刺すわけではない。怖いことで知られるあのスズメバチでさえ、蜂の巣や自身の安全が脅かされたときを除き、自ら攻撃してくることはほとんどないという。まずは落ち着いて対処することが肝心だ。
蜂の巣の駆除は2パターン
蜂の巣を駆除する方法は「自分でやる」「業者にお願いする」のいずれかになる。役所で相談を受け付けてくれることもあるが、蜂の巣駆除のプロはまず役所にはいないだろう。多くは、役所が調査をして業者に委託する、あるいは業者の紹介を受けるといった流れになるはずだ。
蜂の巣駆除を業者に依頼したほうがいいケース
- 自分で駆除できそうにないとき(少しでも不安なとき)
- 屋根裏、床下、そのほか手が届きにくい閉鎖的な場所にできたとき
- スズメバチの巣の場合
少しでも不安なら業者に駆除を依頼したほうがいい。スズメバチに限らず、アシナガバチやミツバチでも死亡例はあるので蜂の巣駆除に「安全」はないと思っていいだろう。やはり、蜂の巣駆除のプロでない限りは業者に依頼することをおすすめしたい。
蜂の巣を見かけたら
庭などで蜂の巣を見かけたら、姿勢を低くしてその場から離れる。必要以上に近づいたり棒などでつついたり、飛んでいる蜂を手で追い払ったりすることは避けよう。蜂はニオイにも敏感なので、整髪料や香水、ジュースなどにも注意したい。見えにくい場所に蜂の巣を作ることもあるため、とくに庭仕事などをする際は気をつけよう。
2. 蜂の巣の駆除の注意点とやり方、料金相場まとめ!

自分で蜂の巣を駆除する場合は、作られ始めて間もないごく初期の段階の蜂の巣だけにしておこう。蜂の巣を自力で駆除するさまざまな方法が紹介されているが、ここでは千葉県松戸市(※1)が公開している蜂の巣駆除のやり方を紹介する。ただし、くれぐれもムリはしないでいただきたい。
蜂の巣駆除で用意するモノ
- 市販の殺虫剤
- 蜂の巣が入る大きさのゴミ袋
- 蜂の巣が入る大きさの虫取り網(スズメバチの巣なら棒もあるといい)
- 防護服
- 防蜂ネット
- 手袋
- 長靴
防護服がないときは、とにかく肌が隠れるよう厚手の長袖・長ズボンを着用し、同じく厚めのレインコートなどを羽織ろう。手首や首元などもタオルを巻くなどし、完全防備してほしい。防蜂ネットがないときは、ヘルメットにゴーグル、厚手のマスクなどで代用しよう。
手袋も針が通りにくい厚手のもの、革製のものなどを着用してほしい。また、紐やファスナーなどをしっかり閉め、蜂が中に入らないようにすることも大切だ。なお、服の色はできる限り白に近いものをおすすめする。
手袋も針が通りにくい厚手のもの、革製のものなどを着用してほしい。また、紐やファスナーなどをしっかり閉め、蜂が中に入らないようにすることも大切だ。なお、服の色はできる限り白に近いものをおすすめする。
蜂の巣駆除の流れ
ごく初期のアシナガバチの巣
- 蜂や蜂の巣に刺激を与えないよう、できる限り物音を立てずに近づく
- 蜂の巣についている蜂に向かい、殺虫剤を10〜20秒ほど噴射する
- 蜂と蜂の巣を撤去する
殺虫剤がかかった蜂はそのまま地面に落ちるか、飛び立ってもしばらくして地面に落ちる。蜂の巣は虫取り網などを使って根元から撤去し、ゴミ袋に入れてしっかり口を縛る。あとは可燃ごみの日に出せば駆除は完了する。
ごく初期のコガタスズメバチの巣
- 蜂や蜂の巣に刺激を与えないよう、できる限り物音を立てずに近づく
- 蜂の巣の穴(出入り口)に殺虫剤を近づけ、直接巣の中に噴射する(10〜20秒ほど)
- 蜂の巣の中の音を確認し、静かになったら棒などで撤去する
コガタスズメバチの巣は、出入り口が一箇所しかないよく見かけるスズメバチの巣だ。撤去した蜂の巣や蜂は、同じようにゴミ袋に入れて可燃ごみとして出そう。
蜂の巣駆除の注意点
蜂の巣を駆除するなら、女王蜂が戻ってきて巣の中が比較的おとなしい、夕方から夜にかけての時間帯が適している。また、蜂は死んだように見えても針だけ動いていることがある。撤去の際は針に触れないように注意しよう。
万が一刺されてしまったときは、姿勢を低くしてその場から離れよう。刺された場所を指でしぼって毒を出し、流水でよく流して冷やしたのち、抗ヒスタミン軟膏を塗ろう。腫れがひどい、めまいがするなどほんの少しでも異変を感じたら、おおむね30分以内に病院を受診してほしい。アレルギーを起こしショック状態になる恐れもある。
万が一刺されてしまったときは、姿勢を低くしてその場から離れよう。刺された場所を指でしぼって毒を出し、流水でよく流して冷やしたのち、抗ヒスタミン軟膏を塗ろう。腫れがひどい、めまいがするなどほんの少しでも異変を感じたら、おおむね30分以内に病院を受診してほしい。アレルギーを起こしショック状態になる恐れもある。
業者に蜂の巣駆除を依頼したときの料金相場
- アシナガバチ 5,000〜20,000円程度
- ミツバチ 20,000〜40,000円程度
- スズメバチ 20,000〜50,000円程度
業者によって、あるいは駆除する蜂の巣の大きさや個数、作業の難易度などによって料金が異なるが、おおよそこれくらいを目安にしておくといいだろう。
3. 駆除とあわせて知っておきたい蜂の巣対策

お伝えしてきたように、蜂の巣駆除は大がかりな作業になるし、業者にお願いすればそれなりの費用もかかる。なにより刺されないかという不安が大きいだろう。蜂の巣を駆除とあわせて対策も知っておこう。蜂の巣が作られるのを完全に防げるわけではないが、少しでもリスクを減らしておくことが大切だ。
蜂の巣対策
- 換気口は目の細かいネットで塞いでおく
- 庭木は剪定をして見通しをよくしておく
- 軒下、軒先には木酢液や殺虫剤を吹き付けておく
- 物置や倉庫は隙間を塞ぎ、木酢液や殺虫剤を吹き付けておく
- 雨戸があるご家庭はこまめに開閉や掃除をしておく など
蜂の巣ができるということは、少なからず「巣を作りやすい環境」があると思っていいだろう。駆除したあとはこうした対策を施して、少しでも再び巣が作られるのを防いでほしい。
結論
蜂の巣駆除は、できれば業者にお願いしてほしい。どうしても自分で駆除したいときはごく初期の段階の蜂の巣だけにし、文字通り完全防備で臨んでほしい。万が一刺されたら自己判断せず、病院を受診することをおすすめしたい。自力での蜂の巣駆除は相当慎重になるべきといえるだろう。
参考文献
※1出典:千葉県松戸市「蜂の巣駆除の対応について」