1. コンセントとプラグの違いとは?
コンセントもプラグも馴染みのある言葉だが、正しく使い分けられているだろうか。どの部分がコンセントでプラグなのか、意外に曖昧なことも多い。まずはその違いを解説していく。
コンセントは差し込む穴、プラグは突起
コンセントは、壁などに埋め込まれた差し込み口のこと。したがって「コンセントを挿して」は通じたとしても厳密には誤った表現である。一方プラグは、電源コードの先端の突起部分を指す。つまり「プラグを挿して」が正解ということだ。「凹がコンセント」「凸がプラグ」と覚えておこう。
2. コンセントやプラグの差し込み口の種類
一部異なるものもあるが、コンセントといえば縦型の穴が左右に一つずつあいているものを思い浮かべる方は多いだろう。プラグもそれに合わせてほとんどが2本の突起になっている。これはA型と呼ばれるタイプで、日本人にとっては普通でも海外では一般的ではない種類だ。
コンセントやプラグの差し込み口の種類は大きく8つ
■B型・C型・SE型...丸い差し込み口が左右に一つずつある
■B3型...丸い差し込み口が左右に一つずつ、その上に太めの丸い差し込み口が一つある
■BF型...B3型と同じ配置だが、丸ではなく四角い差し込み口がある
■O型...ハの字に四角い差し込み口があり、その下に縦に四角い差し込み口が一つある
■O2型...O型を上下逆にしたもの
「A型」は述べた通りだが、ほかにも「B型・C型・SE型」「B3型」「BF型」「O型」「O2型」などの種類がある。このように、コンセントやプラグは差し込み口の形や大きさが微妙に異なる。国によって違うこともあれば、同じ国でも地域によって変わることもある。あるいは、複数の型を併用している地域もあるなどさまざまだ。
ちなみに日本の近隣諸国だけを見ても、採用しているコンセントやプラグの規格は以下のように異なる。
■B3型...丸い差し込み口が左右に一つずつ、その上に太めの丸い差し込み口が一つある
■BF型...B3型と同じ配置だが、丸ではなく四角い差し込み口がある
■O型...ハの字に四角い差し込み口があり、その下に縦に四角い差し込み口が一つある
■O2型...O型を上下逆にしたもの
「A型」は述べた通りだが、ほかにも「B型・C型・SE型」「B3型」「BF型」「O型」「O2型」などの種類がある。このように、コンセントやプラグは差し込み口の形や大きさが微妙に異なる。国によって違うこともあれば、同じ国でも地域によって変わることもある。あるいは、複数の型を併用している地域もあるなどさまざまだ。
ちなみに日本の近隣諸国だけを見ても、採用しているコンセントやプラグの規格は以下のように異なる。
日本の近隣諸国ではどんな差し込み口を採用している?
・日本...A型
・韓国...C型・SE型
・台湾...A型・O型
・中国...A型・B型・B3型・BF型・C型・O型・SE型
・韓国...C型・SE型
・台湾...A型・O型
・中国...A型・B型・B3型・BF型・C型・O型・SE型
電圧の違いについても知っておこう
コンセントやプラグの種類が違うだけでなく、国や地域によって電圧も異なる。日本では100Vが一般的だが、海外に行くと110〜240Vなど高い電圧を使っていることがほとんどだ。日本国内専用の電化製品をこうしたコンセントにつないでしまうと、故障などを招くため注意したい。
ただし、電化製品に「100〜240V」などと書かれていれば、その電圧に対応しているということになる。コンセントとプラグの形状さえ合えば海外でも使用できるだろう。
ただし、電化製品に「100〜240V」などと書かれていれば、その電圧に対応しているということになる。コンセントとプラグの形状さえ合えば海外でも使用できるだろう。
対応していない地域に行くときは「変圧器」を
現地の電圧に対応していない電化製品を海外に持参するときは、変圧器があると便利だ。変圧器にも種類があり、対応できる電圧も変わるのでコンセントやプラグとあわせてチェックしておこう。
ただし、変圧器も万能ではない。スマホやノートPC、デジカメなど「マイコン(マイクロコンピューター)」を内蔵している電化製品には使用できないと思っておこう。
ただし、変圧器も万能ではない。スマホやノートPC、デジカメなど「マイコン(マイクロコンピューター)」を内蔵している電化製品には使用できないと思っておこう。
3. コンセントとプラグにまつわる豆知識
意外に知らない、コンセントとプラグにまつわる豆知識を紹介しよう。
コンセントの左右の差し込み口は大きさが異なる
コンセントに向かって左の差し込み口は9mm、右は7mmとわずかに大きさが異なる。右をホット、左をコールドなどと言うが、それぞれ役割も異なっているのだ。
コンセントの「ホット」と「コールド」の役割とは?
コンセントのホットには「電流を送り込む」役割があり、コールドには「電流を帰す・逃がす」役割がある。万が一電圧がかかりすぎたときに、コールドが電流を逃がすことで火災などのトラブルを防いでくれる。
プラグの先端には小さな「穴」があいている
次にプラグを見てほしい。先端に小さな穴があいていることに気づくだろう。これは、コンセントに挿したプラグが容易に抜けないようにするための工夫である。コンセントの差し込み口の奥には小さな突起があり、プラグの穴にその突起が引っかかることで抜けにくくなるという仕組みになっている。
4. 壁のコンセントの修理や交換、増設は自分で(DIY)できる?
ここまではコンセントとプラグの違いや種類、豆知識などを解説してきた。それはさておき、コンセントの修理や交換、増設が自分でできるかどうか知りたい方も多いのではないだろうか。費用の面から、DIYを考えている方もいるかもしれない。ここでは、コンセントの修理、交換、増設について解説していこう。
軽微な工事であれば自分で交換できる場合がある
・差込み接続器やねじ込み接続器、ソケットなどを接続する工事(電圧600V以下のもの)
・インターホンや火災感知器などの、施設に使用する小型変圧器に関わる二次側の配線工事(ニ次電圧36V以下のもの)
・電気機器の端子に、電線をねじ止めする工事
このような軽微な工事であれば、自分で交換できる場合がある。詳しくは経済産業省のホームページを確認しよう。(※1)
・インターホンや火災感知器などの、施設に使用する小型変圧器に関わる二次側の配線工事(ニ次電圧36V以下のもの)
・電気機器の端子に、電線をねじ止めする工事
このような軽微な工事であれば、自分で交換できる場合がある。詳しくは経済産業省のホームページを確認しよう。(※1)
修理や交換、増設は電気工事士の資格が必要になる可能性が高い
コンセントのカバーや差し込み口、プラグの交換など「電流に直接触れる可能性がない」場合は、素人でもできることがある。一方、差し込み口のさらに奥など配線に関する工事は「電気工事士」の資格が必要になるため覚えておこう。碍子(がいし)に電線を接続する、電線相互を接続する、電線を電圧600V以上の電気機器に接続するといった工事には、資格が必要だ。
電気店など有資格者がいるお店・業者に頼むほうが安心
たとえ自分で修理・交換できそうな範囲だったとしても、電気は目に見えないため常に感電や火災などのリスクがともなう。
コンセントの差し込み口に誤って金属を挿入してしまったり、プラグやコードの交換時に適切にビス留めできていなかったりすれば、事故のもとにもなってしまう。できれば専門家に依頼したほうが安心だろう。
コンセントの差し込み口に誤って金属を挿入してしまったり、プラグやコードの交換時に適切にビス留めできていなかったりすれば、事故のもとにもなってしまう。できれば専門家に依頼したほうが安心だろう。
5. 壁のコンセントを交換・増設する際の費用の目安
コンセントの交換、増設の際に気になるのは、やはり費用についてだろう。あくまでも目安だが、おおよその費用を紹介していく。
コンセントの交換費用の目安
業者によって料金設定が異なるほか、付帯工事などの条件によっても費用は変わる。コンセントの交換は1箇所3,500円〜ほどだ。ただしコンセントの交換は数箇所まとめて行うことも多い。2箇所目以降の料金設定によっては値段に差が出ることを把握しておこう。
コンセントの増設費用の目安
コンセントを増設する場合の目安は5,000〜30,000円ほどだ。ただし先ほどと同様に業者によって料金設定が異なるうえ、出張費や部品代などで値段は変わってくる。
コンセントの交換や増設費用を少しでも抑えたいときは?
コンセントの交換や増設工事は、家の配線を確認したうえで行われる。スムーズに行うために、電気配線図を渡しておくとよいだろう。また、複数の業者から見積もりをもらい、相見積もりをするのがおすすめだ。しっかりとコンセント交換や増設のための費用を比較しておこう。
6. 壁のコンセントを交換すべき時期はどう判断する?
コンセントを交換すべきかどうか、悩んでいるという方もいるのではないだろうか。そこで、コンセントを交換すべき時期の判断ポイントを解説しておく。
破損やひび割れがある
コンセントに破損やひび割れがある場合は、早急に交換するとよい。すぐにトラブルになるわけではなくても、ホコリや水分が侵入すると、漏電する危険性がある。
熱を持つようになった
コンセントに触れて熱を持っているようなら、交換のサインだ。じんわりと温かい程度なら危険性は低いが、触れないほど異常な熱を持っていれば、いつ火災が起きてもおかしくない。
カバー部分に変色や変形が見られる
上述のような熱や、汚れなどが原因でコンセントのカバー部分に変色、変形が見られることがある。古いコンセントである証拠のため、交換するとよいだろう。
プラグをしっかり差し込めない
コンセントにプラグを差し込んでもゆるくてすぐに抜けてしまう、手ごたえがない場合は、内部の金属端子が歪んでいる可能性がある。
7. コンセントカバーであれば自分で交換できる場合もある
コンセントの交換は電気工事士の資格がなければできないが、カバーの交換のみであれば、自分でもできる場合がある。
コンセントカバーとは
コンセントカバーは、コンセントを設置した壁の穴を隠すための部品だ。コンセントの数などによって、それぞれにあった種類のものが販売されている。
コンセントカバーの交換方法
新しいコンセントカバーと、マイナスドライバーを用意しておく。
コンセントカバーの隙間にマイナスドライバーを差し込んで外す。本体のプレートにあるネジを外し、新しいプレートを設置する。最後にカバーを取り付けて完了だ。
コンセントカバーの隙間にマイナスドライバーを差し込んで外す。本体のプレートにあるネジを外し、新しいプレートを設置する。最後にカバーを取り付けて完了だ。
コンセントカバーを交換する際の注意点
安全のため、濡れた手や工具で作業はしないようにしよう。加えて、ブレーカーを落としてからコンセントカバーの交換をするとよい。交換の際は、配線には触れないように注意しよう。また、カバーを選ぶ際はコンセントの数や種類を確認しておき、それに合ったものを用意してほしい。
8. コンセントとプラグの違い、種類や交換方法、費用などまとめ
コンセントは壁に設置されている穴の方を指し、プラグは差し込む方を指している。混同して使用しがちな言葉だが実際には異なるため、ぜひこの機会に覚えておこう。また、プラグの差し込み口の形状には種類があり、日本では見慣れたコンセントも、海外では一般的ではない。電圧が異なる地域へは、変圧器を持っていくとよいだろう。
コンセントを交換する場合は、専門の業者に依頼するのが安心だ。費用が気になるときは、当記事を参考にしてほしい。電気配線図や相見積もりで、費用を抑えよう。
コンセントを交換する場合は、専門の業者に依頼するのが安心だ。費用が気になるときは、当記事を参考にしてほしい。電気配線図や相見積もりで、費用を抑えよう。
結論
コンセントとプラグの違い、交換方法やDIYについてなどを解説してきた。コンセントが熱を持っていたり、ひび割れていたりしていると、火災などのトラブルにつながる危険性がある。当記事で交換のサインをチェックし、業者への交換依頼を検討しよう。コンセントについて知りたいことや困りごとがあれば、そのときは当記事を役立ててほしい。
(参考文献)
※1出典:経済産業省_電気工事士等資格が不要な「軽微な工事」とは
https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/sangyo/electric/files/1-3keibi.pdf
※1出典:経済産業省_電気工事士等資格が不要な「軽微な工事」とは
https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/sangyo/electric/files/1-3keibi.pdf
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