1. オリーブを栽培する前に知っておきたいこと

オリーブは品種によって栽培に適した環境や果実の付き方が異なる。まずは代表的なオリーブの品種とその特徴について解説していこう。
マンザニロ
現地の言葉で「小さなりんご」を意味するスペイン原産のマンザニロは、果実が丸くて大きいのが特徴だ。収穫した果実はオリーブオイルよりもピクルス作りに適している。栽培方法も比較的簡単なので、初心者でも育てやすいオリーブといえるだろう。
ルッカ
イタリア原産のルッカは、病気に強く成長が早いオリーブとして有名だ。基本的には室内よりも屋外で育てる方が適しているが、剪定をすれば室内でも栽培することが可能だ。果実は小ぶりで、どちらかといえばピクルスよりもオリーブオイル作りに適している。
ミッション
ミッションはアメリカ原産で、木がまっすぐ伸びるオリーブだ。果実はピクルスやオリーブオイルなど使い道が広く、日本国内でも人気が高い。葉をつけて成長する姿も他のオリーブより見ごたえがあるので、観葉植物として育てていくのもアリだろう。
2. 室内でのオリーブ栽培方法やお手入れのコツ

オリーブはちょっとしたお手入れのコツを押さえておくだけで、室内でも元気に育てることができる。まずは絶対に外せない、用土選び・置き場・水やりのコツを紹介しよう。
用土選び
室内でオリーブを栽培する場合は鉢植えがおすすめだ。オリーブの生育に適している弱アルカリ性の用土を使ってオリーブを植え付けよう。用土選びに困ったら、あらかじめオリーブの生育に合わせて調合された土を使ってみるのもいいだろう。
置き場
オリーブは日光を好むため、室内で育てる場合は1年中日当たりのいい場所に置くことが絶対条件だ。日当たりの悪い場所に置いておくと枝が弱くなってしまい、お手入れをしてもインテリアとしての見栄えが悪くなるので注意しよう。
水やり
水やりは土の状態を見て行うことがコツだ。水分不足はオリーブが枯れてしまう原因となるが、水の与えすぎも根腐れを起こす要因となるため注意してほしい。お手入れのコツとしては、土の表面が乾いてきたらたっぷりと水を与え、受け皿の水はこまめに捨てることだ。
3. 室内でもオリーブは剪定が必要

成長の早いオリーブを室内で栽培し続ける場合は、定期的に剪定を行う必要がある。オリーブの剪定時期は以下を参考にしてほしい。
1月~3月
1月~3月の休眠期は、オリーブの形を整えたり、大きな枝を切ったりする時期に相応しい。剪定用のはさみやのこぎりを使って、全体に日光が当たるように整えよう。
3月~4月
1月~3月にかけて剪定を行わなかった場合は、この時期に剪定をするのがおすすめだ。主枝の途中から伸びている枝や弱々しい小枝を剪定して、養分がしっかり全体に行き届くように心がけてお手入れしよう。
5月~12月
オリーブの成育時期である5月~12月は枝が伸びやすい。放っておくと樹形の見栄えが悪くなるので、枝を整えるように剪定するといいだろう。ただし枝が伸びるたびに剪定を繰り返していると、果実が収穫しづらくなってしまうため注意が必要だ。
4. 室内でのオリーブ栽培で果実を収穫する方法

寒さにあまり強くないオリーブだが、果実をつけるならあえて寒さに当てるということも必要である。なぜなら、オリーブは気温が10℃以下の環境を経験しなければ花をつけないからである。ただし、急に冷え込んだ場所に置くと葉が枯れてしまう可能性が高い。気温の低い1月は、天気のいい日に様子を見ながら外に出すことがポイントだ。
また、オリーブの木に果実をつけるためには受粉が欠かせない。受粉しにくい室内栽培の場合は、筆などを使って人工授粉させるのがおすすめだ。人工授粉をする際は、開花時期の近い2種類以上のオリーブを用意しておき、1つの品種から摂れた花粉をもう1つの品種の花に付けるといいだろう。
また、オリーブの木に果実をつけるためには受粉が欠かせない。受粉しにくい室内栽培の場合は、筆などを使って人工授粉させるのがおすすめだ。人工授粉をする際は、開花時期の近い2種類以上のオリーブを用意しておき、1つの品種から摂れた花粉をもう1つの品種の花に付けるといいだろう。
結論
オリーブは成長と収穫を楽しめる一石二鳥の植物である。品種によって樹形や果実の大きさも異なるので、複数のオリーブを同時に育ててみるとより楽しめることだろう。めんどうに思える剪定だが自分好みに整枝することができるので、インテリアの一環として是非楽しみながら行ってほしい。