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パーカーなどのファスナーの写真

ファスナーの直し方を紹介!出先で壊れたときの応急処置や修理費用も

投稿者:ライター 渡辺恵司(わたなべけいじ)

鉛筆アイコン 2022年1月20日

壊れたファスナーの直し方を「噛んだとき」「動かないとき」「X字に開いてしまうとき」などケース別に紹介する。外出先でファスナーにトラブルが発生したときの応急処置的な直し方や、業者に修理をお願いしたときの費用の目安、ファスナーの構造や各パーツの名称・役割なども解説しているので、あわせて参考にしてほしい。

  

1. ファスナーの種類と各パーツの名称・役割

ファスナーのスライダー部分のアップ写真
壊れたファスナーの直し方の前に、まずは基礎知識としてファスナーの種類や各パーツの名称およびその役割などを簡単に解説しておこう。

ファスナーの種類は大きく3種類

ファスナーには大きく「金属ファスナー」「ビスロンファスナー」「コイルファスナー」があり、機能性はいずれもさほど変わらない。ただし原料が樹脂(プラスチック)のビスロンファスナーやコイルファスナーは、強引な直し方をすると破損などのトラブルを招くおそれがあるため注意が必要だ。

ファスナーの各パーツの名称と役割

【エレメント】

噛み合う本体部分をエレメントという。縫い付けられたテープに凹凸の突起が並んでいる。ファスナーは、このエレメントがか噛み合ったり離れたりすることで開閉するという仕組みだ。

【スライダー】

いわゆる持ち手のことで、上下に動かすことでファスナーを開閉する。「柱」「胴体」「引き手」という3つのパーツで構成されている。つまむ部分が引き手だ。

【テープ】

テープは生地とエレメントの間の部分を指す。専用の布が使われており、ポリエステルや綿など素材はさまざまだ。直し方をチェックする前に、こうした各パーツの名称程度は押さえておこう。

2. 外出先でファスナーが壊れたときの応急処置的な直し方

革製品のファスナーのイメージ写真
外出先でファスナーが壊れたとき、程度にもよるがその場で直すのは難しいこともある。直し方と併せて応急処置も覚えておきその場を乗り切ろう。

リップクリームを使ったファスナーの応急処置

ファスナーが動かなくなったときは、潤滑油となるアイテムで滑りをよくする。たとえばリップクリームやワセリンなどが使える。壊れた部分に塗布したあとゆっくり動かしてみよう。勢いよく動かしたり強引に動かしたりすると悪化するおそれがある。またテープや生地にリップクリームやワセリンが付着すると、シミになることがあるので注意してほしい。

安全ピンを使ったファスナーの応急処置

閉めても開いてしまうファスナーには安全ピンを活用する。裏側から留めるだけだが、目立ちにくくなり十分効果がある。衣類が破れたときなども使えるので、財布やバッグにひとつ入れておくと安心だ。同じく強く引っ張ると外れるおそれがあるため注意すること、またくれぐれも体に刺さったりしないように慎重に取り付けることなどを心がけてほしい。

壊れた部分をゆっくり動かすだけで戻ることもある

ファスナーの壊れた部分を上下に動かすだけで直るというケースもある。目立った破損箇所がなければ、まずはゆっくり開閉してみよう。強く動かすと悪化したりファスナーそのものが壊れたりするおそれがあるため、軽く動かして直らなければそれ以上無理にいじらないほうがよい。

3. ファスナーのスライダーが外れたときの直し方

スウェード調の生地とファスナーの写真
それでは、自分で本格的にファスナーを直す方法を紹介していこう。まずは、ファスナーのスライダーが外れてしまったケースの直し方からだ。

スライダーがエレメントから外れてしまったときの直し方

  • スライダーのすき間を広げる
  • エレメントをはめ込む
  • スライダーのすき間を戻す
スライダーのすき間にエレメントがはまらないときは、マイナスのドライバーで一時的にスライダーのすき間を広げてエレメントをはめ込もう。うまく戻せたら、ペンチなどでスライダーのすき間を元の幅まで狭めれば完了だ。

【スライダーをいったん分離させる直し方もある】

上記のほか、スライダーを一度分離させる直し方もある。すき間を広げて完全に外したあと、スライダーの向きとエレメントの位置を揃えてペンチで固定しよう。スライダーがファスナーから完全に外れてしまったときにも有効な方法だ。

4. ファスナーのスライダーが噛んだとき、動かないときの直し方

ファスナーが噛んだときなどにあると便利なワセリンのイメージ写真
続いて、ファスナーのスライダーが生地を噛んでしまったり、動かなくなったりしたときの直し方を説明する。

スライダーが生地を噛んだときの直し方

  • 生地をやさしく引っ張り出す
  • 噛んだときと逆の方向にスライダーを動かす
慌てず生地をゆっくり引っ張り出してみよう。勢いがあると生地を傷めるおそれがあるので気をつけてほしい。この直し方でも解決しないときは、スライダーを噛んだときとは逆の方向にゆっくり動かそう。

【デニムなど硬さがある生地のときは?】

デニムなどの硬さがある生地の場合、その生地とスライダーの間にマイナスのドライバーを挟むなどして、すき間を作ってあげるという直し方もある。ただし樹脂製のファスナーは変形しやすいので、力の加えすぎには注意してほしい。

スライダーが動かないときの直し方

  • 綿棒を使ってワセリン(潤滑剤)を塗布する
  • スライダーを上下させる
スムーズに動くようになるまで上記の作業を繰り返そう。ワセリンはリップクリームや固形石鹸でも代用できる。またスライダーがエレメントを噛むと動かなくなる。エレメントを軽く引っ張るなどの直し方が有効だ。ワセリンを塗った部分は、きちんと洗って落としておくことも忘れないようにしてほしい。

5. ファスナーのエレメントが閉まらないとき、ズレてしまうときの直し方

開きっぱなしのファスナーのイメージ写真
ファスナーのエレメントが閉まらないときと、ズレてしまうときの直し方も紹介しておく。

エレメントが閉まらないときの直し方

  • ペンチでスライダーを挟む
  • コの字になるように調整して緩みを解消する
スライダーに異常があるときの直し方だが、エレメントに問題があるケースもある。その場合はペンチを使ってエレメントの形を整えてほしい。

エレメントがズレてしまうときの直し方

  • エレメントが余っている側の生地を軽く引っ張る
  • エレメントを左右対称に整える
  • 余っているほうのスライダーをペンチで挟んで緩みを解消する
引っ張っても生地が動かないときはスライダーのすき間を広げよう。マイナスドライバーをすき間に挟み込んだら、テコの原理を使って広げるといった方法だ。

6. ファスナーのエレメントがX字に開いてしまうときの直し方

大きく開いてしまっているファスナーのイメージ写真
ファスナーを動かしてもエレメントが閉じてくれず、X字に開いてしまうときの直し方を説明する。スライダーやエレメントが破損していなければ、この方法で自分で直せる可能性が高い。

エレメントがX字に開いてしまうときの直し方

  • ペンチなどでスライダーの下(閉じたエレメントが出てくる部分)を挟む
  • ペンチなどでエレメントのズレなどを直す
スライダーを確認し、閉じたエレメントが出てくる部分のすき間を狭めてみよう。ペンチに力を込めすぎるとすき間がなくなり、スライダー自体が動かなくなるおそれがある。力加減は調整しながらおこなってほしい。

7. 壊れたファスナーは自分で直せないケースもある

衣類のファスナーのアップ写真
壊れたファスナーのケース別に直し方を紹介したが、場合によっては直らないこともある。たとえば次のようなケースだ。

極端な変形や大きな破損、経年劣化による故障などは直せない

ファスナーが変形していたり破損していたりすると、自分で直すのが難しい。また経年劣化の場合、一時的に戻ったとしても同じトラブルを繰り返すおそれがある。自分でファスナーごと交換してしまうという直し方もあるが、手間がかかり失敗するリスクもあるため、自信がなければ止めておいたほうが無難だろう。

自分で直せない、直すのが不安なときは修理に出す

紹介した直し方でもトラブルが解消しないとき、あるいは直し方に不安があるときは業者にお願いしよう。変形や破損があるときも同様だ。無理に直そうとすると生地を傷めるおそれがあるし、ファスナーそのものが再起不能となることもあるため、決して無理はしないことだ。

8. 壊れたファスナーを業者に修理してもらう際の費用の目安

ファスナー修理のイメージ写真
壊れたファスナーを修理するときに必要な費用の目安をまとめた。バッグなどの小物と衣類では修理費用は異なるので、それぞれ解説していこう。

バッグなど小物のファスナーの修理費用

スライダーが取れてしまったり、閉めても開いたりする程度であれば修理費用は安く済むケースが多い。バッグなどの小物なら1,000〜4,000円といったところだろう。一方、破損しているとファスナーごと交換する必要がある。こちらは3,000〜20,000円と幅が広く、かつ高い傾向にある。ファスナーの長さや縫い方、裏地の有無などで交換費用は大きく異なるため、まずは相談してみよう。

ズボンなど衣類のファスナーの修理費用

衣類のファスナーの修理費用は、バッグなどの小物と比較するとやや安めである。簡単な修理なら800〜2,000円ほどで直るだろう。ファスナーを交換する場合も、ズボンやスカートなら1,500〜3,000円ほどが目安だ。ただし革やジャンパーなど材質や種類によって高くなるケースもある。目安だが4,000〜16,000円ほどになることもあるため、やはりまずは相談してみるとよいだろう。

9. ファスナーの直し方を覚えておくときっと役に立つ

正常なファスナーのイメージ写真
ファスナーが急に壊れると慌ててしまう。だが各パーツの名称および基本的な直し方を知っておけば冷静に対処できるはずだ。壊れたファスナーを無理に動かすと悪化するおそれがあるため、無理はしないように気をつけよう。外出先であれば応急処置を施し、帰宅後などに時間をかけてじっくり直していこう。ただし変形や破損が原因の場合、自分で直すのは難しい。大切な小物や衣類のファスナーは業者に依頼して直してもらおう。

結論

ファスナーの直し方の基本として3つのパーツの役割を理解しておこう。壊れたときは、まずファスナーの状態を確認する。ファスナーが動かない、生地が噛んでいるなど、ケース別に対処方法を知っておくことが大切だ。外出先で壊れたときは、リップクリームや安全ピンで応急処置をしておこう。
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  • 公開日:

    2020年3月19日

  • 更新日:

    2022年1月20日

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