ダンゴムシは駆除すべき？生態などの基礎知識と駆除方法、予防策も！

ダンゴムシは駆除すべきだろうか？「無毒」であり、ヒトへの直接的な「害」もない。それどころか枯れ葉や虫の死骸などを食して土に還してくれる「分解者」という重要な役割を担ってくれている。

そう考えると、ダンゴムシは駆除しなくてもよいのでは？と感じるかもしれない。たしかに、たいていの場合はダンゴムシを駆除する必要はないだろう。ただ、駆除したほうがいいケースもあるようだ。

・家の中に侵入してきて不快感を覚える
・イチゴや野菜などの作物を食害する

このようなケースにおいて、ダンゴムシは駆除対象となることがある。いくら無毒で無害とはいえ、不快感を我慢することはない。それに、作物を食害するとあれば放ってはおけないだろう。

ダンゴムシは、生物分類学上「虫」ではなく「甲殻類」に属する。体は14の体節でできており、成虫でも1cmほどと小さく、暗くて湿度が高い場所を好む習性がある。

寿命は2〜4年ほどで、冬の間は石の下などに身を隠して冬眠し、2月を過ぎたころから11月くらいまで活動する。なお成長する中で数回脱皮するのだが、殻に含まれるカルシウム量が豊富なため、自分で食することもあるという。

ダンゴムシの駆除にはさまざまな方法がある。駆除には「追い払う」「殺してしまう」というふたつの意味があるが、今回はその両方を紹介する。

・酢または木酢液を撒く
・コーヒーを撒く

忌避剤を使った駆除方法だ。水で5％程度に薄めた酢、あるいは水で200〜500倍に希釈した木酢液をスプレー容器などに入れて撒こう。もしくは、エスプレッソのような濃いコーヒーを作って撒く方法もある。いずれもダンゴムシにとっては忌避剤となる。ただし、コーヒーのガラはダンゴムシが好むので撒かないように気をつけよう。

・殺虫剤を使う

目の前にいるダンゴムシならスプレー式の殺虫剤で一撃駆除できる。家の中などに入ってくるのを防ぐなら、入り口に粉末状の殺虫剤を撒いておくといいだろう。また、誘引性のある毒餌タイプの殺虫剤を使う駆除方法もあるが、その際は子どもやペットが誤って口にしないよう、十分気をつけてほしい。

上記の駆除方法プラスαとして紹介するのは「捕獲」する方法。

空き缶の上部を缶切りなどでカットする。次に、その空き缶が完全に隠れる深さの穴を地面に掘る（土はかぶせない）。空き缶の中には野菜クズなどダンゴムシの餌になりそうなものを入れておこう。あとは餌に釣られて空き缶の中に入ってくれるのを待つだけだ。

一度入ってしまえば上がってこられないため、駆除ではなく生きたまま捕獲できる。そのまま自然に放してあげるか「分解者」として腐葉土をつくるのに役立てるなどしよう。

うまくダンゴムシを駆除できたら、次は再発生を防ぐための対策を講じておこう。たとえ駆除できても、ダンゴムシが寄り付きやすい環境ならまた発生してしまうからだ。

・湿気が溜まらないように除湿や乾燥を心がける
・庭や玄関まわり、畑や菜園などを掃除する
・土を掘り返して下の方の土を乾燥させる

ダンゴムシをうまく駆除できたら、こうした対策を講じておこう。

お伝えしたように、ダンゴムシは「湿気」「枯れ葉」などを好む。湿気が溜まりそうな場所は、意識的に風通しをよくし、室内なら換気をするなどして湿度をコントロールしよう。

また、枯れ葉なども溜めずにこまめに掃除して、ダンゴムシの餌になりそうなものを取り除いておくといい。少し手間がかかるが、土を掘り返して下の方の土を乾燥させる、といった対策も有効だ。

ダンゴムシは無毒でヒトへの直接的な害もないが、場合によっては駆除したほうがいいこともある。必要な方は、今回紹介したやり方で対策してみよう。なお、室内にダンゴムシのほかにも駆除したい害虫がいるなら、燻煙タイプの殺虫剤で一掃する方法もあるので、覚えておこう。