1. さやいんげんの特徴

さやいんげんはマメ科インゲン属に分類される野菜で、いんげん豆をさやごと食べる。いんげん豆という名前は、1654年に隠元が日本に伝えたことに由来しているとされている。ちなみに、さやいんげんの花には「豊かさ」という花言葉がある。
■別名「三度豆」
さやいんげんは1年に3度も収穫することができる。種をまき花が咲いたころに次の種をまくことで、連続して収穫できる。関西でよく使われている三度豆という別名は、この収穫回数に由来している。豊かさという花言葉は、このさやいんげんの実りやすさをあらわしているのだ。
■栄養たっぷり
さやいんげんは、葉酸やビタミンKといった栄養素が多く含まれている。また緑黄色野菜に分類されるので、彩り野菜としても使える。
2. さやいんげんは家庭菜園向き

さやいんげんは、収穫時期が長く年間通してよく出回るため簡単に入手できる。しかしプランター栽培が可能で手入れも比較的簡単なので、自分で育てるのもおすすめだ。子どもと一緒に育ててみるのも楽しい。ちなみにさやいんげんの種は、ピンク色でゼリービーンズのような姿をしており、なんともユニークである。
■おすすめは「つるなし種」
さやいんげんには「つるあり」と「つるなし」がある。広大な敷地があるならどちらでも問題ないが、コンパクトに育てたい場合はつるなし種を選ぼう。つるありの場合は2m以上にまで成長するため、管理が大変だ。育てやすい品種は、「さつきみどり」「セリーナ」など。
■梅雨と害虫に注意
さやいんげんを育てる際に注意することは、梅雨の時期と害虫被害だ。さやいんげんの花は繊細で、雨にあたり続けると受粉しないまま落ちてしまうことも。湿気にも弱いため、とくに梅雨時はプランターを軒下に置くなどの雨対策が必要である。また、アブラムシが原因で、モザイク病・ウイルス病という病気になることも。アブラムシを見かけたらすぐに駆除しよう。
3. さやいんげんを育ててみよう

さやいんげんは、水のやり過ぎや害虫に注意が必要だが、育てるのは決して難しくはない。梅雨を乗りきればしっかりと成長し、たくさんのさやいんげんを収穫できるはずだ。
■準備するもの
さやいんげんの種、培養土、肥料、プランターや鉢、支柱
■種まきは4~5月頃
さやいんげんの種まきは暖かい地域では4月中旬から、寒冷地では5月に入ったころ行う。
プランターや鉢の上端2㎝程度まで元肥を混ぜた土を入れ、種を20㎝ほどの間隔で3粒ずつまく。
プランターや鉢の上端2㎝程度まで元肥を混ぜた土を入れ、種を20㎝ほどの間隔で3粒ずつまく。
■育て方のポイント
発芽するまでの水やりは軽めに行おう。鳥による被害が心配な場合は不織布などで覆っておくといい。発芽し、本葉が開いてきたら間引いて2本立てにする。つるなし品種でも倒れてしまうことがあるため、麻紐などで短めの支柱にやさしく茎をくくっておくといい。発芽してからはたっぷりと水やりを行うが、雨が続く場合は軒下に移動させよう。週に一度、液体肥料を混ぜた水で水やりをするとよく育つ。
■収穫のタイミング
つるなしの場合、種まきから2ヶ月弱で収穫できる。あまり育ちすぎるとさやが硬くなってしまうため、10~15㎝ほどの若いうちに収穫しよう。茎を傷つけないようハサミでヘタ部分をカットするのがポイントだ。さやいんげんはあまり日持ちしないため、収穫したら早めに調理してしまおう。
結論
さやいんげんはベランダなどでも育てることができるため、家庭菜園の初心者にもぴったりだ。自分で育てた収穫したてのさやいんげんの味は格別のはず。ぜひ花が咲いたタイミングで再度種をまき、3度の収穫を楽しみたい。