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消費電力とは?計算方法や電気代の求め方、節電のコツまで徹底解説!

消費電力とは?計算方法や電気代の求め方、節電のコツまで徹底解説!

投稿者:ライター 西村七海 (にしむらななみ)

鉛筆アイコン 2021年11月 5日

現代の生活では、さまざまな家電を使用する。電気代の請求が毎月来るはずだが、いつも使用している家電の消費電力について考えたことはあるだろうか。消費電力がわかれば、おおよその電気代を計算できる。今回は、消費電力や電気代の計算方法などを徹底解説するとともに、節約のコツも併せて見ていこう。

  

1. そもそも「消費電力」とはなにか

そもそも、消費電力とはいったいなにか。まずは、消費電力や定格消費電力、年間消費電力について解説する。

消費電力とは

「消費電力」とは、簡単にいうと「電流によって1秒間で消費されるエネルギー」のことだ。つまり、家電を使用するときに消費する電力のことで、単位はWで表される。私たちの日常生活では、さまざまな家庭用電化製品が使われているが、W数が大きいものほど大きな電力が必要になるのだ。

定格消費電力とは

「定格消費電力」という言葉が、家電の取扱説明書の仕様欄や製品背面などによく記載されているが、これは家電のすべての機能を最大限使用した場合の消費電力を指す。

各機能を重複して使用する場合に定格消費電力が最大になることが多い。たとえば、テレビでは「画面の明るさや音量を最大にし、録画したビデオを再生しながら裏で別の番組を録画する」などだ。だが、このような極端ともいえる使い方で消費電力を計算しても現実的な数値は出ないだろう。

エアコンの定格消費電力は、エアコンの機能を最大限に使用した場合の消費電力とされている。設定温度・風量ともに最大で、外気と室温が極端に乖離した状態などだ。やはり日常の使い方とズレがあるといえるだろう。

年間消費電力量とは

年間消費電力とは、電化製品を1年間使用した場合に消費する電力のことだ。家電の電気代の計算には「定格消費電力」ではなく、実際に使うときの状況に近い状態で消費した、1年間の電力量の数値を表す「年間消費電力」を用いて計算するのが現実的といえる。

2. 消費電力に関連する単位と意味

消費電力を求めようとすると、さまざまな単位が出てくる。単位を知らなければ混乱する可能性もあるため、知っておくとよいだろう。

V(ボルト)

電圧のことだ。電圧は国によって異なる。電圧の違う国で日本の電化製品を使用する場合は、電圧変換機が必要だ。

A(アンペア)

電流のことだ。電流とは、電気が流れる量のことだ。電力会社との契約で10・15・20・30・40・50・60Aから選ぶことができ、この数字が大きいほど多くの家電を同時に使える。

W(ワット)

先ほどお伝えしたとおりだが、消費電力のことだ。Wのほかにも、消費電力を表す単位として「kW(キロワット)」がある。1kWは1,000Wとなるが、距離や重さの単位であるkm、kgをイメージするとわかりやすいだろう。

また、消費電力を計算する際には「Wh(ワットアワー)」「kWh(キロワットアワー)」も覚えておく必要がある。これらは消費電力量を指す単位だ。家電の消費電力に、使用した時間をかけることで求められる。

3. 消費電力の計算方法

消費電力とはなにか、計算の際に知っておきたい単位がわかったところで、消費電力の計算方法を見ていこう。

A(アンペア)とV(ボルト)から消費電力を求める計算式

電圧と電流が分かっている場合、「電圧(V)×電流(A)=消費電力(W)」で消費電力が計算できる。一般的なご家庭の電圧は100Vだが、そこへ3Aを流したときの消費電力は、100V×3A=300Wとなる。

R(レジスタンス)とA(アンペア)から消費電力を求める計算方法もある

抵抗はR(レジスタンス)と表し、単位はΩ(オーム)だ。

計算式は「抵抗値(Ω)×電流(A)の2乗=消費電力(W)」となる。たとえば、抵抗値が50Ωで、電流が5Aのときの消費電力は、50×5(の2乗)=1,250(W)となる。

電圧と抵抗から消費電力を計算する計算式は「電圧(V)の2乗÷抵抗値(Ω)=消費電力(W)」である。抵抗値と電流が分かっているなら、この計算方法で消費電力を求められる。抵抗値が20Ωで、電圧が100Vのときの消費電力は、100(の2乗)÷20=500(W)だ。

4. より厳密に消費電力を求める場合は力率も関わる

より厳密に消費電力を求める場合は、力率も関わる。力率とはなにか、そして計算方法を解説しておこう。

力率とは

電化製品に電流を流しても、必ずしも100%流れるわけではない。この電流の損失を力率という。

たとえば、白熱電球は力率100%のため、ここまで解説してきた方法で計算できる。だが、蛍光灯には安定器やコンデンサがついているため、電流が100%流れないのだ。消費電力を厳密に計算するためには、この力率を考慮しなければならない。

力率も含めて消費電力を計算する方法

計算式は「消費電力(W)=電圧(V)×電流(A)×力率」なる。ただし、力率は電流計やクランプメーターといった専門的な機器がないと正確に把握するのが難しい。大きな差が出ないように80%で計算するか、力率を無視して概算を出すとよいだろう。

5. 消費電力から電気代を計算する方法

ここまでは消費電力の計算方法を解説してきたが、気になるのはそこから求められる電気代だろう。消費電力から電気代を計算する方法と、主な家電の電気代の例を解説する。

電気代の基本的な計算方法

消費電力(W)×使用時間(h)÷1,000×27円/kWh=電気代(円)
消費電力量(kWh)×27円/kWh=電気代(円)

上記2つの計算式は、異なるものに見えるかもしれないが、同じ計算をしている。1つ目の式では「消費電力(W)×使用時間(h)÷1,000」を計算することで、消費電力量(kWh)を出しているのだ。消費電力量がすでにわかっているなら、2つ目の式に当てはめれば計算できる。

なお、電力料金単価については、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会の定める「27円/kWh」を採用している。

年間消費電力が241kWhの冷蔵庫を1年間使用した場合

241kWh×27円/kWh=6,507円となる。

400Wのエアコンを24時間使用した場合

400W×24h÷1,000×27円/kWh=259.2円となる。

254Wの65V型4K液晶テレビを24時間視聴した場合

254W×24h÷1,000×27円/kWh=164.592円となる。

1070Wの電子レンジを1時間使用した場合

1070W×1h÷1,000×27円/kWh=28.89円となる。

250WのPC(モニター含む)を24時間使用した場合

250W×24h÷1,000×27円/kWh=162円となる。

6. 家電の電気代を少しでも節約するためのコツ

消費電力に関するさまざまな知識、計算方法などを解説してきた。最後に、家電の電気代を少しでも節約するコツを紹介していく。消費電力を計算できれば、おおよその電気代を把握できる。節約に役立てよう。

契約アンペアを変更する

節電を心がけているのに、電気代が高いと感じた場合は、契約内容を確認し、基本契約(契約アンペア)の見直しを考えるのもよいだろう。

東京電力では、使用状況に応じて契約アンペアを選択できる。具体的には10Aから60Aまでの選択となり、契約アンペア数によって料金が異なる仕組みになっている(2020年4月現在)。家族構成や生活スタイルに合わせてアンペア契約を変更するとよいだろう。

朝食時や夕飯時などに炊飯器と電子レンジを同時に使用する、夏や冬場に複数の部屋で冷暖房器具を使うことが多いなど、状況に応じて適切な契約アンペア数を選ぶと電気代の節約につながる。

テレビや照明はこまめにスイッチを切る

テレビや照明のスイッチはこまめに切るとよい。簡単なため、すぐに取り組めるはずだ。毎日使う家電をつけっぱなしにせず、不要なときはスイッチを切っておこう。また、待機電力にも注意したい。待機電力は、家電の電源を入れていないときに少量の電力を消費することである。コンセントからプラグを抜けば、待機電力も発生しない。

エアコンや冷蔵庫は温度設定を見直す

エアコンや冷蔵庫の温度設定を見直すことも、節約につながる。冷房の温度をいつもより上げる、冷蔵庫の設定を「強」から「中」へ変更するなど、季節や状況に応じて、消費電力を抑える努力をしてみよう。

7. 消費電力や電気代の計算方法を覚えて節約につなげよう

消費電力や計算方法を覚えれば、おおよその電気代を把握できるだろう。いつも何気なく使用している家電が、電気代の請求のどの程度を占めているのかなどもわかってくる。家電ごとに消費電力が記載されているため、確認して計算してみよう。消費電力について知り、ぜひ節約につなげてほしい。

結論

身の回りにあるさまざまな家電は、当然だが電気を使用して稼働している。その際に消費する電力が、消費電力だ。消費電力が大きいほど、稼働させるためには大きな電力が必要になる。あまり意識していないが、意外に大きな電力を使用している家電もあるかもしれない。電気代の節約も考え、消費電力や計算方法を覚えておくと役立つだろう。
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  • 公開日:

    2020年4月30日

  • 更新日:

    2021年11月 5日

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