1. 氾濫に備えてチェックしておくべき「マップ」とは?

氾濫とは、そもそもどういった状態を指す言葉なのだろうか?マップとあわせて、氾濫についての基礎知識を身につけておこう。
氾濫とは
氾濫とは「水が溢れる」ことだが、正確には2パターンある。
ひとつは、河川などの水が溢れ出してしまうことを指す「外水氾濫」。もうひとつは、河川の水は溢れていなくとも、大雨などによって排水処理が追いつかず、地表に溢れてしまった状態を指す「内水氾濫」である。
似た言葉で「洪水」がある。洪水は、大雨や雪解けなどで河川の水位が著しく上昇した状態を指す。つまり、外水氾濫の前には洪水が起こっている可能性が高いと言えるだろう。
また、氾濫自体は水が溢れることなので、実際に住民が被害を受ける際にチェックしたいのは「浸水」「冠水」といったリスクだ。浸水は家屋などが水に浸かってしまう状態、冠水は道路などが水に浸かってしまう状態を指す。
【洪水】が発生し【外水氾濫】が起こることで【浸水・冠水】する
【豪雨】によって【内水氾濫】が起こることで【浸水・冠水】する
一例だが、このようにイメージすると分かりやすいだろう。
ひとつは、河川などの水が溢れ出してしまうことを指す「外水氾濫」。もうひとつは、河川の水は溢れていなくとも、大雨などによって排水処理が追いつかず、地表に溢れてしまった状態を指す「内水氾濫」である。
似た言葉で「洪水」がある。洪水は、大雨や雪解けなどで河川の水位が著しく上昇した状態を指す。つまり、外水氾濫の前には洪水が起こっている可能性が高いと言えるだろう。
また、氾濫自体は水が溢れることなので、実際に住民が被害を受ける際にチェックしたいのは「浸水」「冠水」といったリスクだ。浸水は家屋などが水に浸かってしまう状態、冠水は道路などが水に浸かってしまう状態を指す。
【洪水】が発生し【外水氾濫】が起こることで【浸水・冠水】する
【豪雨】によって【内水氾濫】が起こることで【浸水・冠水】する
一例だが、このようにイメージすると分かりやすいだろう。
氾濫のリスクは何を見れば分かる?
お住まいのエリアの氾濫リスクについて調べたいと思ったときは「ハザードマップ」が便利だ。
マップは自治体が公開しているもので、洪水や浸水、氾濫、土砂災害、地震などさまざまな自然災害に関するリスクや、想定される被害の程度が掲載されている。
住民自身にマップをチェックしてもらい、万が一の際の迅速な避難につなげたり、防災意識の向上に役立てたりしてほしい、というのが主な目的だ。
ただし海が近ければ津波、山間部なら土砂災害など、地形や周辺の環境によって想定される被害が異なる。そのため、必ずしもすべての自然災害に関するマップが準備されている、というわけではない。
マップは自治体が公開しているもので、洪水や浸水、氾濫、土砂災害、地震などさまざまな自然災害に関するリスクや、想定される被害の程度が掲載されている。
住民自身にマップをチェックしてもらい、万が一の際の迅速な避難につなげたり、防災意識の向上に役立てたりしてほしい、というのが主な目的だ。
ただし海が近ければ津波、山間部なら土砂災害など、地形や周辺の環境によって想定される被害が異なる。そのため、必ずしもすべての自然災害に関するマップが準備されている、というわけではない。
2. 氾濫が発生する前に!マップの探し方と見方について

氾濫や浸水に備え、マップの探し方や見方を覚えておこう。
マップの探し方
たとえば東京都にお住まいで、そのエリアの洪水や氾濫、浸水といったリスクを知りたいときは「洪水ハザードマップ」を見れば分かるようになっている。
見つからないときは「自治体と洪水や氾濫などのマップ名」あるいは「河川名とマップ」などで検索すればヒットするはずだ。もしくは自治体のホームページから探す方法もある。
見つからないときは「自治体と洪水や氾濫などのマップ名」あるいは「河川名とマップ」などで検索すればヒットするはずだ。もしくは自治体のホームページから探す方法もある。
マップの見方
世田谷区のマップを例に見方を説明する。
世田谷区のマップは、総雨量約590mmという記録的な大雨が降ったケースを想定して作られている。それによって多摩川が氾濫したときなどに、どのエリアがどれだけの浸水被害を受けそうかという情報が分かる。
たとえば玉川一丁目なら、場所によって水深が【0.5〜3.0m】のところもあれば【10〜20m】が想定されるところもある。3mといえば、1階の天井まで浸かってしまう高さだ。
0.5m=50cmは低そうに思えるかもしれないが、床下浸水と呼ばれる浸水深で大人の膝が浸かるほどになる。水に勢いがあれば、大人でも避難が困難になるレベルだ。決して油断はできない。
マップにはほかにも「家屋倒壊氾濫想定区域」「土砂災害のおそれがある地域」「避難所」「避難方向の目安」さらにとっさのときの「避難行動について」といった情報が細かく記されている。
世田谷区のマップは、総雨量約590mmという記録的な大雨が降ったケースを想定して作られている。それによって多摩川が氾濫したときなどに、どのエリアがどれだけの浸水被害を受けそうかという情報が分かる。
たとえば玉川一丁目なら、場所によって水深が【0.5〜3.0m】のところもあれば【10〜20m】が想定されるところもある。3mといえば、1階の天井まで浸かってしまう高さだ。
0.5m=50cmは低そうに思えるかもしれないが、床下浸水と呼ばれる浸水深で大人の膝が浸かるほどになる。水に勢いがあれば、大人でも避難が困難になるレベルだ。決して油断はできない。
マップにはほかにも「家屋倒壊氾濫想定区域」「土砂災害のおそれがある地域」「避難所」「避難方向の目安」さらにとっさのときの「避難行動について」といった情報が細かく記されている。
マップはあくまで目安
たとえマップ上で洪水や氾濫、浸水などの発生時に被害が想定されていないエリアだったとしても、決して「安全」というわけではない。想定外のことが起こるのが自然災害だからだ。
マップはあくまで目安とし、いざ災害が発生したら防災無線や最新の気象情報などをこまめにチェックすること、できる限り明るいうちに早めに避難することなどを心がけよう。
マップはあくまで目安とし、いざ災害が発生したら防災無線や最新の気象情報などをこまめにチェックすること、できる限り明るいうちに早めに避難することなどを心がけよう。
3. マップは不定期に改定される!氾濫への備えを忘れずに

マップはあくまで目安とお伝えしたが「見なくてもよい」という意味ではない。さまざまなデータを元に作られているはずなので、日頃から氾濫したときに備えてチェックしておくことが大切だ。
マップは常に最新版を
マップは、不定期に改定されている。たとえば、平成27年5月の水防法改正にともなって東京都が平成30年12月に改定した「城南地区河川流域浸水予想区域図」に合わせ、港区も浸水ハザードマップを改定している。
つまり改定によって氾濫や洪水、浸水といった各種リスクの想定範囲、程度などが変わる可能性があるということだ。マップは、常に最新版をチェックしておくことが大切になる。
つまり改定によって氾濫や洪水、浸水といった各種リスクの想定範囲、程度などが変わる可能性があるということだ。マップは、常に最新版をチェックしておくことが大切になる。
日頃からの備え
マップは、ただ眺めるだけでは意味がない。実際に氾濫したと想定して、避難経路を歩いてみたり避難所の場所を確認したりすることが重要だ。歩いてみることで、マップ上では分からない危険性などが発見できるかもしれない。
また、氾濫が起これば浸水のリスクが生じる。非常時の持ち出し物などをまとめておくことも忘れないようにしよう。
また、氾濫が起これば浸水のリスクが生じる。非常時の持ち出し物などをまとめておくことも忘れないようにしよう。
結論
氾濫とは、河川の水が溢れてしまうこと、あるいは排水処理が追いつかずに地表に水が溢れることだ。いずれも浸水被害につながる可能性があるため、大雨のときなどは洪水といったそのほかの情報とあわせて、最新情報をこまめにチェックしよう。