このサイトは、画面を 
縦にしてご覧ください。
一般的な脚立の写真

脚立の正しい使い方|安全に使うための基礎知識をわかりやすく解説!

投稿者:ライター 渡辺恵司 (わたなべけいじ)

鉛筆アイコン 2022年9月 6日

「脚立は、なんとなく自己流の使い方をしている」という方も多いのではないだろうか?身近で便利な道具だが、毎年のように命を落とす方も出ている。なんとなく使っていた方はここで一度、脚立の正しい使い方を学んでおこう。誤った使い方や、脚立をはしごにする際の使い方なども交えてわかりやすく解説する。

  

1. 脚立の正しい使い方は?安全に使用するための基礎知識

脚立に立つ男性の足元の写真
さっそく、脚立を安全に使用するための正しい使い方を解説しよう。

脚立の正しい使い方|安全に使用するための5つのポイント

ポイント1.作業面に対して踏みざんが平行になるように設置する

「踏みざん=ふみざん」とは、足を置く部分のこと。組み立てた際に最上部にくる踏みざんは「天板」と呼ぶ。たとえば作業する壁に対し、踏みざんや天板は平行に設置するのが正しい使い方だ。

ポイント2.開き止めは「確実に」ロックする

開き止め金具は天板のすぐ下に付いている。ロックが不十分では作業中に閉じる(開く)などし、大変危険だ。たとえ低所作業だったとしても油断せず、確実にロックしてほしい。

ポイント3.天板から数えて3段目または2段目の踏みざんに立つ

脚立は、天板ではなく上から3段目の踏みざんに足を揃えて立つのが正しい使い方だ。ただし、脚立の高さが210cm以下のタイプは上から2段目の踏みざんに立つ使い方が正しい。なお高さ80cm未満のものは脚立ではなく「踏み台」なので天板にのってもよい。

ポイント4.体を安定させる

2段目または3段目の踏みざんに立ったら、体(足=すね、膝など)を天板や踏みざんなどに当て、体を安定させた状態で作業をしよう。

ポイント5.ヘルメットを着用する

万が一墜落や転落をしても、ヘルメットがあれば頭を守れる確率が高くなる。アリとナシでは大違いだ。ヘルメットも必ず忘れずに着用してほしい。

2. 脚立をはしごにするときの正しい使い方

はしご状に伸ばした脚立の写真
脚立を伸ばしてはしごにするときの正しい使い方も知っておこう。適切な角度があることを知らない方も意外と多いのではないだろうか?墜落や転落のリスクを減らすためにも、脚立をはしごにするときの使い方もしっかり覚えておこう。

脚立をはしごにするときの使い方|安全に使用するための6つのポイント

ポイント1.開き止めは「確実に」ロック

はしごとして使う際も、開き止め金具は確実にロックしておこう。

ポイント2.立てかけたときの角度を守る

脚立の支柱などにラベルが貼ってあるので確認してほしい。そこには「75度」「このラインを垂直にする」「このラインを水平にする」などと書かれているはずだ。角度が不適切だと破損などのおそれが生じるため必ず守ろう。

ポイント3.オモテ面で使用する

脚立にはウラ面とオモテ面がある。ウラ面を使ってしまうと不安定になり破損するおそれがあるので間違えないように気をつけよう。

ポイント4.必ず2人以上で作業に当たる

はしごとして使うときは、大人の補助者にはしごを支えてもらおう。補助者は、両手でしっかり脚立を支えることも忘れずに。

ポイント5.ヘルメットを着用する

はしごを使った場合、より高い場所での作業になることが多い。ヘルメットも必ず着用しよう。

ポイント6.水平な地面と踏みざんを並行にする

はしごは、水平な地面にまっすぐに立てるのが正しい使い方だ。つまり地面と踏みざんが並行になり、支柱と地面は90°になる。このほか、商品のパッケージなどに記載された使い方や注意点があれば必ず守ろう。

3. 脚立の誤った使い方

脚立が倒れて転倒した男性の足元の写真
逆に、脚立の誤った使い方、危険な使い方について知っておくことも大切だ。軽いケガなどで済めばまだよいが、骨折など重大な事故につながるおそれもあるため注意が必要だ。

脚立の誤った使い方|危険を避けるための7つのNG行為

NG行為1.天板には立たない、座らない

お伝えしたように、脚立は天板ではなく2段目または3段目の踏みざんに立つのが正しい使い方である。天板に立ったり座ったりするとバランスを崩し、転落といった事故を招きかねないため絶対にNGだ。

NG行為2.脚立の天板に跨がらない

同じく脚立の天板に跨るようにして立つのもNGである。理由は上述の通りバランスを崩しやすく、転落などのリスクがあるためだ。

NG行為3.上を向く作業はしない

数十センチの低い台の上に立っただけでも、上を向く作業のときはバランス感覚を失いやすい。それよりも高い脚立ならなおさらだ。転落によるケガなどを防ぐためにも上を向くような作業は控えよう。

NG行為4.身を乗り出すような作業はしない

「少し移動すれば正面になるところ、つい横着して身を乗り出して作業してしまうことがある」という方も多いのではないだろうか?こちらも脚立自体がバランスを崩して転倒したり、自分自身がバランスを崩して転落したりするおそれがあるためNGである。

NG行為5.耐荷重を必ず確認し、オーバーしない

脚立の耐荷重には100kgや130kgといった規格がある。オーバーすると脚立が支えきれず破損し、転落するリスクがある。耐荷重は必ず確認しオーバーしないように気をつけよう。

NG行為6.不安定な場所では使用しない

たとえば濡れているなどで滑りやすい場所、やわらかい地面、傾斜や段差がある場所などへの設置はやめておこう。脚立そのものが不安定になって転倒したり、自分自身が転落したりするリスクがある。

NG行為7.台の上などに設置しない

「あとほんの少しだけ高さが足りない」ということもあるだろう。ちょっとした作業だから、などと台の上に脚立を立てるという使い方も危険なので絶対に控えておこう。

4. 脚立の正しい使い方を知ることの重要性を再認識しよう

工事現場の脚立の写真
脚立は手軽に使える。とくに教わることをしなくても、自分で組み立てて使うことができてしまうため「転落」「墜落」といった怖さを感じにくい道具ともいえるだろう。だが脚立は、その使い方を誤ると思わぬ事故やケガのおそれがある。

脚立が関わる事故は意外に多い

厚生労働省の資料(※1)によれば、平成23〜27年に起こった墜落および転落災害の原因(5年平均)でもっとも多かったのは「はしご等(脚立、作業台など含む)」だ。4日以上休業した被災労働者数20,186人のうち、脚立を含むはしご等からの墜落・転落は4,535人(約23%)と、ほぼ1/4を占める。これはトラックや階段・桟橋などからの墜落・転落よりも多い数字だ。

毎年のように死亡者も

さらに同じ5年の間、毎年のように30人近くの方が脚立を含むはしご等からの墜落や転落により命を落としている。そのすべてが、脚立の使い方が誤っていたことが原因とは限らない。安全対策を講じていた中での不慮の事故などもあるだろう。だが使い方が誤っていれば、当然ながら墜落や転落などのリスクは高くなる。
今まで運よく無事だった方も、この先も大丈夫だという保証はない。ケガはもちろん、命を守るためにもいま一度、脚立の正しい使い方を確認しておこう。

結論

脚立は便利で手軽だが、一歩間違えば大ケガどころか命を落としてしまうおそれもある道具だということを、改めて認識しておこう。「低所作業だから」「慣れているから」といった油断は禁物だ。意識することで回避できるリスクがあるのだから、できる限り減らしていこう。
(参考文献)
インフォメーションマークアイコンオリひとを楽しむための注意事項はこちら
  • 公開日:

    2020年5月20日

  • 更新日:

    2022年9月 6日

この記事をシェアする      
  • Facebook
  • Twitter
  • Hatebu
  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

人気記事一覧

急上昇
週間

新着記事一覧新着記事一覧