目次
- 1. 布団に入るとかゆい?原因はダニ以外にもある
- 2. 「布団に入るとかゆい」ときの原因を見分けるポイント
- 3. 布団に入るとかゆいというときにできる対策と予防策
- 4. 布団に入るとかゆい原因はダニ以外にもある!まずは特定することが大切
1. 布団に入るとかゆい?原因はダニ以外にもある

ゆっくり体を休めるための布団なのに「入るとかゆい...」。多大なるストレスだが、とにかく安眠するためにも原因を突き止めることが大切だ。まずは布団に入ったときにかゆいと感じるときの原因を挙げていこう。
ダニ
布団に潜むダニには主にチリダニやツメダニ、イエダニといった種類がある。ダニは種類によって刺すもの、吸血するものなど特性が異なるため、症状によって判別できる場合もある。
ノミ
犬や猫などを飼っているご家庭、あるいはペットと一緒に布団に入ることがある方などは、ペットに付いているノミが原因かもしれない。ツメダニに刺されたときと症状は似ているが、ノミは視認できるので判別しやすいだろう。
アレルギー
寝具の素材あるいは、ダニの死骸や糞などが原因でアレルギー反応を起こし、体がかゆくなることもある。ラテックスやそばがら、品質によっては羽毛などもアレルゲンとなる。ゴムアレルギーやそばアレルギーがある方はとくに注意が必要だ。
肌の乾燥
皮膚が乾燥している方は、寝具と擦れ合うなどしてかゆくなることがある。吸湿発熱性のある寝具やパジャマはとくに乾燥を招きやすいといわれている。そうした素材をお使いの方は一度見直してみるとよいだろう。
アトピー性皮膚炎
入浴後や布団に入っているときなど、体が温まっておりかつリラックスしている状態のときはとくに、かゆみを感じたりかゆみが増したように感じたりすることがある。
レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)
足がムズムズする、足を動かしたくて我慢できなくなるといった症状があれば、それはレストレスレッグス症候群かもしれない。該当する方は一度、神経内科や睡眠外来など専門の医師に相談することも検討しよう。
ストレス
かゆい原因が見当たらない場合、ストレスかもしれない。疲れが溜まっていたり、得体のしれない不安に苛まれたりしていないだろうか?生活の乱れや偏った食習慣などもストレスの要因となりうるため、そうしたことでストレスを溜め込んでいないか振り返ってみよう。
2. 「布団に入るとかゆい」ときの原因を見分けるポイント

上述のように、布団に入るとかゆくなる原因はダニ以外にいくつも考えられる。原因を特定したのち、その原因を排除することが解決策となるわけだが、とはいえ自分で原因を特定するのは難しい。ひとつの目安として、次のような基準で目星をつけて絞り込んでみてはいかがだろうか。
ダニが原因かどうかの見分け方
【ツメダニ、イエダニの場合】
かゆい原因がダニだった場合、もっとも分かりやすいのは皮膚に跡が残っているかどうかだ。赤い斑点のような虫刺され跡がポツポツできていたら、ツメダニあるいはイエダニといった原因が考えられる。
【チリダニの場合】
虫刺されのような跡は残らないものの、布団に入ったとき体を這うようなゾワゾワした感覚があればチリダニかもしれない。ダニは総じて湿度を好むので梅雨〜夏にかけて発生しやすい。
【ノミは視認できる】
ノミもダニと同じようにかゆみをもたらすが、お伝えしたようにノミは視認できる大きさの虫である。ピョンピョン跳ねるといった特徴もあるため、よく探せば見つかるはずだ。
アレルギーが原因かどうかの見分け方
蕁麻疹のように広範囲にわたって赤みが出るほか、一箇所ではなく全身に同じような湿疹ができる。鼻づまりや咳、目がかゆいなどほかの症状を併発することも多い。ダニが発生しやすい梅雨〜夏を過ぎ、布団に死骸や糞がたまる秋頃に多くみられる。
肌の乾燥が原因かどうかの見分け方
虫刺されや蕁麻疹がないのにかゆい場合、皮膚が粉を吹いていたりガサガサしたりしていないか確認しよう。こうしたかゆみは空気が乾燥し、暖房器具をつけたり発熱性素材を寝具やパジャマに取り入れたりする冬に多くなる。
上記以外の症状が原因だったときの見分け方
【アトピー性皮膚炎】
布団に入ったときに限らず症状が現れるため分かりやすいだろう。赤いブツブツができる、カサカサして皮膚がむけてかさぶたができる、強いかゆみをともなう皮疹が生じるといった場合はアトピー性皮膚炎を疑おう。
【レストレスレッグス症候群】
虫が足を這うような感覚がある、夕方〜夜にかけて症状が強く出る、無性に足を動かしたくてたまらなくなるなど、レストレスレッグス症候群の特徴的な症状は多い。専門的なことを解説している医療機関などのホームページを参照し、当てはまるかどうかチェックしてみよう。
【ストレス】
いずれも心当たりがない場合、私生活を振り返ってみよう。仕事などで強いストレスを長期間感じていないか、睡眠は十分とれているか、栄養バランスの整った食生活を送れているか、適度に運動をしているかなど、何かしら心当たりがあればそこから見つめ直してみよう。
3. 「布団に入るとかゆい」というときにできる対策と予防策

布団に入ったときにかゆと感じるときの対処方法について解説する。同時に予防する方法でもあるためぜひ覚えておこう。今日実践できるものから専用アイテムを使うものまで紹介するので、布団の環境やライフスタイルに合った方法を、できるところから実践してみよう。
寝具を掃除する
【カバー類を洗濯する】
カバーには汗や皮脂、フケなどさまざまな汚れが溜まる。週1回などこまめにカバーを洗濯してみよう。なお皮膚の乾燥が原因でかゆい方は、傷んでガサガサしたカバー生地に触れるのもよくないため、ネットに入れるとともに柔軟剤を使って洗濯するなどしよう。
【布団を天日干しする】
敷布団や掛布団は、晴れた日にベランダに出して天日干し(天日干しがNGの素材は風通しのよい場所で陰干し)をする。ダニ退治が目的なら、通常の日光だけでは死滅しないため熱を吸収しやすい「黒の布団干し袋」などを使うのがおすすめだ。
【布団乾燥機のダニ退治機能を使う】
布団乾燥機にはダニ退治といったモードが搭載されていることが多い。高温で一気に死滅させることができる機能だ。天日干しよりも効率よく退治できるため、そうした布団乾燥機をお持ちであればぜひ使おう。
【コインランドリーの乾燥機にかける】
コインランドリーの乾燥機は最高80℃以上など、かなり高温になる。ダニは50℃の熱で20〜30分、60℃であれば一瞬で死滅する。コストはかかるが、洗濯から乾燥まで一気に短時間で済ませられるうえダニも退治できるコインランドリーは定期的に利用するのがおすすめだ。
【掃除機でダニの死骸や糞、そのほかアレルゲンを取り除く】
ダニを退治したあとはもちろん、干したあとなども布団に溜まっている死骸や糞を取り除くことが大切だ。布団クリーナー(なければ普通の掃除機)などで吸引してしまおう。
換気と除湿など湿気対策を講じる
寝具類は湿気が溜まりやすい。とりわけ多湿の時期はこまめに寝室を換気したり、除湿剤あるいは除湿シートを使ったりして湿気を溜め込まないように工夫しよう。押し入れやクローゼットの換気、湿気対策なども重要だ。
ダニの駆除剤で一気に退治する
寝具を洗濯したりお手入れしたりする時間がない方、手っ取り早くダニを駆除したい方などは、市販の布団用ダニ駆除剤を使う方法がある。スプレータイプや燻煙タイプなどさまざまなので、環境や目的に合わせて選ぼう。
肌を保湿する
乾燥が原因でかゆい場合、入浴後に保湿効果のあるボディクリームやかゆみの鎮静を促すクリームを塗って保湿しよう。
アトピー性皮膚炎やレストレスレッグス症候群は医療機関へ
これらはセルフケアが難しいため、皮膚科や神経内科、睡眠外来など専門に取り扱っている医療機関を受診しよう。
ストレスは要因を突き止めて上手に解消を
ストレスの原因は人によって異なる。そのため「これ」という解決方法がないのが難しいところだ。仕事や対人関係ならストレス外来を受診する方法もあるし、生活リズムの乱れや栄養バランスの偏った食事などは少しずつでも改善できる余地はある。
運動不足なら1駅歩くといったことから始めるのもよいだろう。ストレス解消のためにストレスを溜めてしまうのは本末転倒だ。無理をせず、できるところから、少しずつ取り組んでみよう。
4. 布団に入るとかゆい原因はダニ以外にもある!まずは特定することが大切

「布団に入るとかゆい」という場合、最初に浮かぶのがダニかもしれない。洗濯や湿気対策などを講じていない寝具で寝ている方は、まずはダニを疑ってもよいだろう。
ペットが一緒ならノミ、足がムズムズするならレストレスレッグス症候群、皮膚が赤かったりブツブツができていたりするなら肌の乾燥や何らかの疾患といったように、特徴からある程度絞り込んでいくことは可能だ。
まずは原因を特定し、それに応じた対策を講じることでかゆみを解消してほしい。
結論
布団に入るとなぜかかゆくなるという夜のストレスは大変なものだ。単発で終わることもあれば、連日のようにかゆくなることもある。睡眠の質の低下は仕事やプライベートなど日常生活にも悪影響を及ぼすことがあるため、とにかく「安眠」を得られる環境や体の状態にすることが大切だ。かゆい症状にお悩みの方はぜひ本稿を参考に、一刻も早い解決につなげていただきたい。