目次
1. 扇風機の電気代はモーターの種類で変わる

扇風機の電気代は、実はモーターの種類によって変わる。扇風機には「ACモーター」「DCモーター」という2種類のモーターがあるが、それぞれの違いや特徴はご存知だろうか。
従来の主流だった「ACモーター」
従来の主流だったのが、ACモーターだ。ACモーターを搭載した扇風機は「弱・中・強」といった風量調節のものが多い。機能がシンプルで、本体価格も次で解説するDCモーターより安い傾向にある。ただし、消費電力が大きく電気代が高くなりやすい。
近年増えている「DCモーター」
近年増えてきているのが、DCモーターだ。DCモーターを搭載した扇風機は、より細かく風量調節できるものが多い。多彩な機能と省エネが期待できるが、本体価格が高い傾向にある。電気代の節約を考える場合はDCモーターがおすすめだ。
電気代を抑えるならDCモーター
上述のとおりDCモーターは、ACモーターでは難しい「微風」のような小さな風を送ることもできるため、そうしたモードで使用すれば電気代をさらに抑えられるだろう。ただし本体価格は、ACモーターが数千円だとすると、DCモーターは3万円オーバーということもある。電気代を抑えられるのはうれしいが、導入コストがかかる点は覚えておこう。
2. 扇風機の電気代の目安

やはり気になるのは、実際に扇風機を使用したときの電気代だろう。そこで扇風機の電気代の計算方法を解説する。おおよそではあるが、1時間あたり、および24時間回しっぱなしにしたときの電気代も見ていこう。
電気代の計算方法
【消費電力(W)÷ 1,000×使用時間(h)×1kWhあたりの電気代】で計算できる。1,000で割るのは「W」と「kWh」の単位を合わせるためだ。
1kWhあたりの電気代を【27円(税込み)】とし、ACモーターとDCモーター、それぞれの扇風機を1時間回した場合と24時間回しっぱなしにした場合の電気代を、わかりやすい例で比較してみよう。
1kWhあたりの電気代を【27円(税込み)】とし、ACモーターとDCモーター、それぞれの扇風機を1時間回した場合と24時間回しっぱなしにした場合の電気代を、わかりやすい例で比較してみよう。
ACモーター搭載の扇風機1時間あたりの電気代の目安
・弱:20W÷1,000×1h×27円=0.54円
・中:30W÷1,000×1h×27円=0.81円
・強:40W÷1,000×1h×27円=1.08円
なお、上記の電気代は弱20W・中30W・強40Wと仮定して計算している。
・中:30W÷1,000×1h×27円=0.81円
・強:40W÷1,000×1h×27円=1.08円
なお、上記の電気代は弱20W・中30W・強40Wと仮定して計算している。
DCモーター搭載の扇風機1時間あたりの電気代の目安
・最少時:1.5W÷1,000×1h×27円=0.0405円
・最大時:20W÷1,000×1h×27円=0.54円
なお、上記の電気代は最少時1.5W・最大時20Wと仮定して計算している。
・最大時:20W÷1,000×1h×27円=0.54円
なお、上記の電気代は最少時1.5W・最大時20Wと仮定して計算している。
24時間回しっぱなしにしたときの電気代は?
扇風機を24時間回しっぱなしにした場合は、上述の電気代に24を掛ければよい。たとえばACモーター搭載の扇風機を24時間回しっぱなしにした場合、弱で12.96円程度、中で19.44円程度、強で25.92円程度が目安だ。同様にDCモーター搭載の扇風機の場合は、最少時0.972円、最大時12.96円が目安となる。
3. 扇風機を併用するとエアコンの電気代を抑えられる?

猛暑が続く近年、扇風機だけでなくエアコンを使用することも多いだろう。そこでエアコンの電気代の目安を解説するとともに、扇風機を併用して電気代を抑えるコツを解説する。
6畳用のエアコンの電気代はいくら?
消費電力の平均値を350Wと仮定した6畳タイプのエアコンの場合、「350W÷1,000×24h×27円=226.8円」となる。
先ほど算出した扇風機の電気代の目安は、ACモーターで12.96円〜25.92円、DCモーターで0.972円〜12.96円(いずれも24時間運転の場合)だった。
もちろんメーカーや機種、使い方、部屋の広さ、エアコンなら設定温度などさまざまな条件によって変わってくるため単純比較はできないが、夏に涼を取るならDCモーターを搭載した扇風機がもっとも電気代を抑えやすいアイテムと言っていいだろう。
先ほど算出した扇風機の電気代の目安は、ACモーターで12.96円〜25.92円、DCモーターで0.972円〜12.96円(いずれも24時間運転の場合)だった。
もちろんメーカーや機種、使い方、部屋の広さ、エアコンなら設定温度などさまざまな条件によって変わってくるため単純比較はできないが、夏に涼を取るならDCモーターを搭載した扇風機がもっとも電気代を抑えやすいアイテムと言っていいだろう。
扇風機と併用してエアコンの電気代を抑えるには?
扇風機と併用すれば、エアコンの電気代を抑えられる可能性がある。エアコンは、冷房の設定温度を1度上げるだけで電気代を10%節約できるという。また、エアコンと扇風機を併用する際、設定温度を28度あたりにすると電気代の節約になるとされている。エアコンの風量を弱め、扇風機で風を回すなど工夫して涼を取るのはいかがだろうか。
ただし、近年は自宅で熱中症にかかる方が増えている。電気代ばかり考えすぎて熱中症になってしまったということにならないよう、体調を最優先に考えてほしい。
ただし、近年は自宅で熱中症にかかる方が増えている。電気代ばかり考えすぎて熱中症になってしまったということにならないよう、体調を最優先に考えてほしい。
4. 扇風機とサーキュレーターの電気代の差は?

扇風機とよく似た家電に、サーキュレーターがある。用途が異なる家電だが、実はその違いを知らない方も多いのではないだろうか。そこで、扇風機とサーキュレーターの違い、そして電気代の差を見ていこう。
扇風機とサーキュレーターの違い
扇風機は風を送り出し、涼をとることを目的とした家電だ。一方、サーキュレーターは空気の循環を目的としている。扇風機の風は近距離に、そして広い範囲に送られるが、サーキュレーターは直線的な強い風が遠くまで届く。
サーキュレーターの電気代の目安
・最少時:13W÷1,000×24h×27円=8.424円
・最大時:34W÷1,000×24h×27円=22,032円
サーキュレーターの電気代は、ACモーター搭載の扇風機より安く、DCモーター搭載の扇風機よりは高い傾向にあることがわかる。
・最大時:34W÷1,000×24h×27円=22,032円
サーキュレーターの電気代は、ACモーター搭載の扇風機より安く、DCモーター搭載の扇風機よりは高い傾向にあることがわかる。
5. 夏場に扇風機やエアコンなどの電気代を少しでも抑えるコツ

夏場に扇風機やエアコンは欠かせない。それならば、少しでも電気代を抑えるコツを知っておこう。
エアコンの設定温度や風量を見直す
上述のとおり、エアコンの冷房運転時は、設定温度を1度上げるだけで電気代を10%節約できるとされる。設定温度や風量を見直そう。
エアコンのフィルターは定期的に掃除する
エアコンのフィルターには、ホコリやゴミがたまっていく。そのまま放置していると、フィルターが詰まることで風のとおりが悪くなる。エアコンの効率が悪くなり、電気代が無駄にかかるおそれがあるため、フィルターは定期的に掃除しよう。
扇風機とエアコンをうまく使い分ける
上述のとおり、扇風機とエアコンを併用する方法もおすすめだ。エアコンの設定温度を上げたり風量を抑えたりする分、扇風機で空気を送るなど工夫して使い分けてみよう。
電力会社のプランを見直してみるのもアリ
扇風機の電気代は、日々の工夫で抑えられるかもしれないが、電力会社のプランを見直してみるのも1つの方法だ。お得なプランや電力会社に変更すれば、電気代を抑えられる可能性がある。さまざまな電力会社が独自のプランを用意しているため、しっかりと比較してみるとよいだろう。
6. 扇風機とエアコンを併用して電気代を節約しよう

扇風機は、搭載されているモーターによって電気代が異なる。従来からあるACモーターは、本体価格は安いが電気代が高くなりやすい。近年増えてきているDCモーターは風量調節などの機能が多彩で、本体価格は高いが、電気代は安い傾向にある。使用状況に合わせて選ぶとよいだろう。また、夏は扇風機だけでなくエアコンも使用することが多いはずだ。エアコンの設定温度や風量を調整し、扇風機を併用することで上手に節約をしてみよう。
結論
夏に活躍する扇風機の電気代について解説してきた。扇風機は、本体価格だけでなく、使用時にかかる電気代が安いかどうかも重要だ。もし買い替えを検討しているのであれば、電気代が安い傾向にあるDCモーターの扇風機を選んでみてはいかがだろうか。