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湯桶読みとは?重箱読みとの違いや例、見分け方のコツまで徹底解説!

湯桶読みとは?重箱読みとの違いや例、見分け方のコツまで徹底解説!

投稿者:ライター 吉田梨紗 (よしだりさ)

鉛筆アイコン 2021年8月 6日

湯桶読み(ゆとうよみ)とは二字熟語の読み方の一つだ。耳にする機会が少ない言葉だが、日本語の基礎知識として覚えておきたい。この記事では、湯桶読みの意味や具体的な例を紹介する。関係が深い重箱読みの基礎知識や、湯桶読みとの見分け方も解説するので、ぜひ参考にしてほしい。

  

1. 「湯桶」はなんて読む?ゆおけ?ゆとう?

湯桶読みという言葉を確認したとき、まず気になるのが「湯桶」の読み方だ。湯桶読みについて知る前に、2つの読み方について解説しよう。

湯桶(ゆおけ)とは

湯桶(ゆおけ)とは、いわゆる風呂桶をイメージしてほしい。一般的に風呂桶といえばプラスチック製が主流だが、湯桶という字面には木製が合っているだろう。旅館や温泉などでよく見かける丸い木製の桶のことだ。湯桶をゆおけ、と読むときは風呂桶なので覚えておこう。なお、明確に区別するため「湯おけ」と書くケースも意外と多い。

湯桶(ゆとう)とは

一方、湯桶(ゆとう)とは、蕎麦屋には欠かせない蕎麦湯を入れるあの道具を指す。塗り物や陶器などがあり、どちらも湯桶だが、本来は塗り物を指していたといわれている。同じ漢字であるにもかかわらず、読み方や意味がまったく異なる。使うケースや話の前後で判別できるはずだが、念のため、間違えないように違いを覚えておこう。なお、湯桶読み(ゆとうよみ)にはこちらの読み方を使用する。

2. 「湯桶読み」とは?例を交えて解説

それでは、本題の湯桶読みについて解説しよう。例の一覧と併せてまとめた。

湯桶読みとは

湯桶読みとは、訓読みと音読みが混在する読み方だ。「湯(ゆ)」が訓読みで、「桶(トウ)」が音読みになる。転じて「訓読みと音読み」で成り立つ熟語を湯桶読みという。音読みは音読みと、訓読みは訓読みと組み合わせるのが一般的だが、湯桶読みはその例外だ。

湯桶読みの例

・相性(あいショウ)
・場所(ばショ)
・家賃(やチン)
・株券(かぶケン)
・消印(けしイン)
・夕刊(ゆうカン)
・見本(みホン)
・豚肉(ぶたニク)
・手順(てジュン)
・小判(こバン)
・雨具(あまグ)
・高台(たかダイ)
・敷金(しきキン)
・野宿(のジュク)

3. 「重箱読み」とは?湯桶読みとの違いや例を交えて解説

湯桶読みについて学んだあとは、重箱読みも併せてチェックしておきたい。重箱読みの基礎知識と例の一覧を紹介する。

重箱読みとは

重箱読み(じゅうばこよみ)とは、湯桶読みと逆に「音読みと訓読み」で成り立つ熟語を指す。「重(ジュウ)」は音読みで、「箱(ばこ)」が訓読みであることからきている。湯桶読みと間違わないように注意しよう。ちなみに重箱とは、サイズが同じ四角形の箱を積み重ねた食べ物用の容器のことだ。

重箱読みの例

・番組(バンぐみ)
・台所(ダイどころ)
・王様(オウさま)
・素直(スなお)
・職場(ショクば)
・本屋(ホンや)
・絵筆(エふで)
・額縁(ガクぶち)
・金歯(キンば)
・団子(ダンご)
・残高(ザンだが)
・縁組(エンぐみ)
・軍手(グンて)
・碁石(ゴいし)
・毎年(マイとし)

4. 湯桶読みと重箱読みの見分け方のコツとは

湯桶読みと重箱読みを見分けるためには、まず音読みと訓読みについて学ぶ必要がある。見分け方や二字熟語のパターンなど、基本的な知識をまとめた。

そもそも「音読み」「訓読み」とは?

音読みとは中国語の発音を取り入れた読み方のことを指す。漢字は中国から伝わっており、その読み方も同様だ。たとえば「山」という漢字は、中国語で「シャン」と発音する。その発音に似た「サン」という読み方が音読みになった。これが音読みの由来だ。

一方で、訓読みとは何か。日本ではもともと山を「やま」と呼んでいたため、漢字にもその読み方をあてた。1つの漢字に2つの読み方があるのはこのためだ。なお、辞書などでは中国由来の音読みはカタカナ、日本語の言葉をあてた訓読みはひらがなで区別するケースが多い。

音読みと訓読みの見分け方

紹介したとおり、湯桶読みとは「訓読みと音読み」、重箱読みとは「音読みと訓読み」で組み合わせる。音読みと訓読みの区別がつけば、湯桶読みと重箱読みが見分けられるようになるだろう。

「それだけでは意味がわかない」読み方は音読みであることが多い。ただし、「肉(ニク)」「本(ホン)」「客(キャク)」など、意味はわかるが音読みのケースもある。また、読み方が一つしかない場合は音読みなので、まずチェックしてみよう。他にも「濁点で始まる」「読み方が「ン」で終わる」「ラ行で始まる」「読み方が3文字以下」など、いずれかに当てはまれば音読みの可能性が高い。

「それだけでも意味が伝わる」のが訓読みの特徴とされる。一方で、「家(や)」「身(み)」「場(ば)」など、例外もあるので注意してほしい。また、「上(あ)がる」「生(しょう)じる」というように、「がる」「じる」といった送り仮名が必要なら訓読みだ。また、公(おおやけ)など、読み方が4文字以上のときも訓読みと考えよう。

二字熟語の読み方は4パターン

・音読みと音読み:事故(ジコ)
・訓読みと訓読み:出口(でぐち)
・訓読みと音読み(湯桶読み):身分(みブン)
・音読みと訓読み(重箱読み):献立(コンだて)

5. 湯桶読みや重箱読みは中学受験の問題などに出る?

湯桶読みや重箱読みについて、中学受験の問題で詳しく問われるケースはあまりない。しかし、万が一湯桶読みや重箱読みについて出題されたとき、読み方や意味がわからなければ困るだろう。基本的な知識を身に着けておいて損はないはずだ。日本語の基礎である音読みや訓読みへの勉強になるので、湯桶読みや重箱読みと併せてチェックしておこう。

6. 日頃使う二字熟語が湯桶読みか重箱読みか考えてみるのも一興

湯桶読みや重箱読みの熟語は多く、知らないうちに使っているケースは多い。二字熟語は4つのパターンに分かれるので、まずは2つの漢字が音読みか訓読みかを確認してみよう。湯桶読みや重箱読みかを考えることは、日本語や漢字の勉強にもつながる。

辞書などでは訓読みはひらがな、音読みはカタカナで記載されるので、自分で答え合わせをしてみるのもよいだろう。いつも使っている二字熟語から少しずつ勉強して、湯桶読みや重箱読みについての理解を深めてほしい。

結論

湯桶読みとは、訓読みと音読みで成り立つ熟語だ。重箱読みはその逆で、音読みと訓読みで成り立つ。この2つを見分けるためには、音読みと訓読みをしっかりと区別することが重要だ。湯桶読みや重箱読みのそれぞれの例を一覧で紹介したので、ぜひ参考にしてほしい。二字熟語の読み方4パターンと併せてチェックして、日本語をより深く学ぼう。
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  • 公開日:

    2020年6月22日

  • 更新日:

    2021年8月 6日

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