目次
- 1. 空気清浄機とアロマの併用がおすすめできない理由
- 2. 加湿空気清浄機とアロマであれば併用してもよい?
- 3. 加湿空気清浄機とアロマを併用する際の注意点
- 4. 空気清浄機とアロマを併用するには?
- 5. 空気清浄機とアロマは別々に稼働させるのがおすすめ
1. 空気清浄機とアロマの併用がおすすめできない理由

空気清浄機とアロマを併用するのは基本的におすすめできない。その理由を解説しよう。加湿機能などが搭載されていない、純粋な「空気清浄機」が前提の場合だ。
アロマが浄化されてしまう
空気清浄機はニオイ成分を感知して消臭・浄化する。料理やタバコ、ペットなどさまざまなニオイを軽減・解消するための機能だが、空気清浄機にとってはアロマの香り成分も単なる「ニオイ」と感知する。そのため、アロマで部屋をいい香りに満たしても、空気清浄機が浄化してしまう。
空気清浄機の寿命を縮めるリスクもゼロではない
空気清浄機とアロマを併用した場合、アロマが香り続ける限り空気清浄機が反応して稼働し続ける。アロマを使用しないケースと比べ、空気清浄機が過剰に稼働するということだ。結果として、空気清浄機の劣化や故障につながるリスクも否定できない。
2. 加湿空気清浄機とアロマであれば併用してもよい?

加湿機能などが搭載されていない空気清浄機の場合、上述したような理由からおすすめはできない。では「加湿空気清浄機」であればアロマを併用してもOKなのだろうか?
アロマに対応している機種とそうでない機種がある
加湿空気清浄機の中にはアロマに対応している機種もある。「アロマ空気清浄機」「アロマ加湿空気清浄機」などと呼ばれるタイプだ。だが、すべての加湿空気清浄機がアロマ対応ではないということは覚えておこう。
アロマ非対応の機種に使用した場合のリスクとは?
【カビや雑菌の繁殖を招くおそれがある】
一般的に、加湿空気清浄機は通常の水道水を使用する。塩素の殺菌効果で雑菌が繁殖しにくいというのがもっとも大きな理由だ。アロマなどを混ぜた水を使用した場合、塩素の濃度が低下した状態となるため、カビや雑菌が繁殖しやすい。このためアロマを加えた水の使用をNGとしている加湿空気清浄機メーカーは多い。
【目詰まりなどによる故障のリスクがある】
アロマを加えた水を使用した場合、目詰まりなどを起こして故障するリスクや、パナソニックが注意喚起しているように、破損によって家財道具を濡らすおそれがあるといったリスクが生じる。想定外の使用方法はメーカーの補償対象外となるおそれが高いため注意が必要だ。加湿空気清浄機にアロマを使うときは、必ずアロマ対応機種かどうかを確認しよう。
加湿器とアロマディフューザーの違いも知っておこう
少々話が逸れるが、せっかくなので加湿器とアロマディフューザーの違いにも軽く触れておく。両者は見た目や噴射されるミストが似ているため混同されがちだが、まったくの別物である。アロマディフューザーはあくまでアロマを充満させるためのもので「加湿機能付き」と表記がない限り、加湿機能はないと覚えておこう。
3. 加湿空気清浄機とアロマを併用する際の注意点

アロマ対応の加湿空気清浄機とアロマを併用する際、覚えておきたい注意点がある。
使用できるアロマオイルが制限されているケースがある
アロマ対応の加湿空気清浄機であっても、使用できるアロマオイルが限られている場合がある。アロマオイルにはさまざまな種類があるので、違いは押さえておこう。
【エッセンシャルオイル】
植物から抽出された天然香料で、加工されていない純度100%のアロマオイルだ。脂溶性のものは水に溶けないため故障の原因となりやすい。アロマ対応の加湿空気清浄機に使うときは、水溶性のものを選ぶようにしよう。
【アロマソリューション】
エッセンシャルオイルを乳化させ、水溶性にしたアロマオイルだ。アロマ対応の加湿空気洗浄機に使うことを目的として販売されていることも多い。使用する加湿空気清浄機が指定しているものを選ぶようにしよう。
4. 空気清浄機とアロマを併用するには?

冒頭で空気清浄機とアロマを併用するのはおすすめできないと述べた。だが工夫次第では併用も可能だ。
稼働させる時間を分ける
空気清浄機の過剰な稼働を防ぎつつ、アロマの香りを残すことができる方法だ。それぞれの稼働時間を分けるため厳密には「併用(同時に使用すること)」ではないが、空気清浄機である程度空気が浄化したら電源をオフにし、アロマを使用するといった具合だ。面倒でなければこうした方法がよいだろう。
アロマ対応の加湿空気清浄機を使う
パナソニックの「加湿空気清浄機 F-VKJ20/F-VKL20(ともに生産終了)」などのように、アロマと加湿空気清浄機能を同時におこなえる機種も発売されていた。ただし、アロマ対応の加湿空気清浄機はまだ少なく、見つかったとしてもアロマが使えるのは加湿モードだけで、空気清浄モードとは併用できない場合もある。
また一見、加湿空気清浄機のように見えても実は「アロマディフューザー」という商品も多いのでくれぐれも注意してほしい。
抗ウイルス作用があるアロマを使うといった裏ワザも?
ウイルス除去を目的に空気清浄機を使っている方も多いだろう。アロマオイルの中には、香りだけでなくウイルス除去に効果が期待できるとされる「抗ウイルス作用」をもつものがある。アロマと空気清浄機の併用に関する解決策とは離れてしまうアイデアだが、空気清浄機を持っていない方にもおすすめの方法だ。
抗ウイルス作用があるアロマにはティートリー、ユーカリ、グロブルス、ペパーミントといったものがある。香りはそれぞれ異なるため、専門店などでお好みのものを選ぼう。
5. 空気清浄機とアロマは別々に稼働させるのがおすすめ

お伝えしてきたように、空気清浄機とアロマを併用した場合、空気清浄機がアロマの成分を吸着・分解してしまうことが想定される。そのため同じ空間で同時に使用することは控えたほうがよいだろう。
アロマ対応の加湿空気清浄機であればOKだが、機種が少ないうえ加湿能力や空気清浄能力が低いなど、求めている機能・性能を満たしていないこともある。また「加湿器」と謳いながら実際にはアロマディフューザーということも多い。そうした商品を選ぶ際は、くれぐれも慎重に判断しよう。
結論
空気清浄機はアロマのニオイ成分を浄化してしまう可能性が高く、併用はあまりおすすめできない。加湿空気清浄機や加湿器にアロマを使用するときは、対応の可否やオイルの種類にも注意が必要だ。やはり基本的には時間を分けて使用するなど、室内の環境に合わせて工夫するのがよいだろう。