目次
- 1. 「湿気虫」とは?チャタテムシの駆除方法を解説
- 2. 湿気を好む虫はチャタテムシだけじゃない
- 3. 虫が発生する原因は湿気以外にもある
- 4. 紙魚(シミ)やシバンムシの駆除方法
- 5. 湿気を好む虫たちを寄せつけないための対策
1. 「湿気虫」とは?チャタテムシの駆除方法を解説

高温多湿でジメジメした空間、人の気配がしない薄暗い空間、ホコリや食べカスなど汚れが溜まっている空間、これらはいずれも「虫」が好む環境だ。いわゆる害虫にもいろいろな種類があるが、その中でも「湿気虫」と呼ばれるチャタテムシはご存知だろうか?
チャタテムシとは
チャタテムシとは体長1〜2mmほどの小さな虫で、日本全国に分布する。ダニなどと違って吸血せず、かつ毒性もないため放っておいても問題ない。ただし湿気虫という異名からもわかるように、多湿な環境を好む。油断していると梅雨〜夏場にかけて大量発生してしまうため不快極まりない。またチャタテムシをエサとしてダニが繁殖するといったこともあるため、毒性がないとはいえ発生を防ぎたい、かつ見かけたら駆除したい害虫だ。
チャタテムシの見た目の特徴
サイズ感は上述のように1〜2mmほどで、淡い黄色や褐色といった色をしている。非常に小さいため見ただけでダニやシラミなどと区別するのが難しいことがある。
チャタテムシが発生する原因
多湿な空間にはカビが生えやすい。チャタテムシはそのカビやヒトの皮膚片、垢やフケ、さらには紙(本)などをエサにしてしまうこともある。こうした条件が揃ってしまうと、チャタテムシの大量発生を招くおそれがある。
チャタテムシが発生しやすい場所
押入れの奥、畳の中、木製家具の中、キッチンのシンク下、本棚、放置してある段ボールの裏など、多湿になりホコリやカビなどのエサがありそうなところであれば発生する。
チャタテムシの駆除方法
大量発生することが多いため、1匹ずつ駆除していては参ってしまう。そのためバルサンや虫ころりアースといった、くん煙剤を使って駆除する方法がおすすめだ。あるいは、そこまで大量発生していないのであればスプレータイプでもよいだろう。とにかく「一掃」することが重要である。
チャタテムシの発生を防ぐ方法
湿気を溜め込まないこと、定期的に掃除をするなどしてホコリや垢、フケや髪の毛などを取り除いておくことが対策となる。乾麺などをエサとすることもあるため、食品のストック棚なども定期的に取り出して掃除しておこう。
2. 湿気を好む虫はチャタテムシだけじゃない

「湿気虫」と名がつくほど湿気を好む虫の代表として存在するのがチャタテムシだが、湿気が多い場所に発生する虫はそれだけではない。たとえば次のような虫たちも、湿気がある場所を好む。
紙魚(シミ)
8〜10mmほどの銀色の体と触手が特徴で、細長い形は魚に似ている。名前の通り古書などの紙に発生することが多いが、バスルームやトイレ、畳などさまざまな場所に発生することがある。あまり害はないが見た目が強烈に不快であるうえ、放置すれば7〜8年ほど生きるため早めに駆除したい虫だ。
シバンムシ
赤銅色で丸みのある体をしている。数mmほどの小さな虫で、穀物や粉もの、お菓子や香辛料までさまざまなものを食べる食品害虫としても知られている。放置すれば畳や書籍に穴を開けることもあるので、発見したらすぐに駆除することが大切だ。
3. 虫が発生する原因は湿気以外にもある

ここまで「湿気を好む虫」として解説を進めてきたが、チャタテムシのところでも軽く触れたように「湿気だけ」が原因というわけではない。たとえば次のようなものは、小さな虫を発生させる要因となる。
カビ
チャタテムシのようにカビをエサとする虫がいる。そもそもカビが生える場所自体、高温多湿でホコリや垢などの汚れが溜まっている場所であるため、同時に発生してもおかしくはない。
ホコリや食べカス
食べカスやホコリなどは虫のエサとなりうる。それ以外に段ボールなどをエサとする虫もいるため要注意だ。解体して積み上げたまま長いこと押入れやクローゼットの隅に放置している段ボールなどがあれば、今すぐ取り出して確認しよう。
垢や髪の毛、皮脂
ヒトの垢や髪の毛、皮脂汚れなども虫のエサとなる。フケや髪の毛などを食べて繁殖するダニやカビなどもいるため、枕や敷布団といった寝具、タンスなども気をつけたいところである。
害虫が害虫を呼ぶこともある
カビをエサとするチャタテムシ、そのチャタテムシを捕食するツメダニといったように、害虫(カビは菌だが)が害虫を呼ぶことがある。やがてゴキブリやクモといった虫まで招き入れることになってしまうおそれがあるため、害虫を発生させないことは新たな害虫を寄せつけないことにもつながる。
4. 紙魚(シミ)やシバンムシの駆除方法

先ほど触れた紙魚(シミ)やシバンムシの駆除方法についても解説しておこう。
紙魚(シミ)の駆除方法
お伝えしたように、紙魚は主に紙類に発生する虫だ。古本や段ボールなどに紙魚を発見したら、(不要なものであれば)そのまま捨ててもよいが、生きたまま廃棄するのは気が引けるという方もいるだろう。そんなときはスプレータイプの殺虫剤で一掃することをおすすめする。お風呂場などの湿気が多い水回りに発生した場合は、水をかけるだけでも駆除できる。
シバンムシの駆除方法
シバンムシに効果のある駆除剤をかけるのが基本だ。樹木にも生息するので、庭に木材がある場合は粉タイプの駆除剤を撒いて対策しよう。シバンムシに対しては、とにかくエサとなる食べ物を与えないことが重要だ。食品は冷蔵庫に入れ、粉ものやお米などは密封容器に移して収納しよう。食べ物の中に発生していた場合は、残念ながら廃棄したほうがよいだろう。
5. 湿気を好む虫たちを寄せつけないための対策

チャタテムシを始めとする、湿気がある場所を好む虫の発生を予防する方法を紹介する。チャタテムシのところで解説したものとかぶるが、おさらいの意味も込めてお伝えする。
湿気対策を講じる
押入れやクローゼット、シンク下や靴箱など空気が滞りやすい場所は湿気も溜まりやすい。定期的に扉を開けるなどして空気を入れ替えるとともに、湿気を飛ばしておこう。除湿剤を置くといった方法もおすすめだが、劇的な効果は期待できないのであくまで補助的な位置付けで使用しよう。やはり扉を開放して湿気を飛ばすのがおすすめだ。
枕や掛布団、マットレスといった寝具類も陰干しをしたり、シーツ類をこまめに洗濯したりするといったことも重要になる。そのほか、本棚も定期的に掃除をする、積み上げられた不要な段ボールや新聞、雑誌などは速やかに処分するといったことも、虫の発生を防ぐ方法のひとつである。
カビを除去する
チャタテムシなどカビを食べる虫もいるので、消毒用エタノールやカビ取り剤を使って除去しよう。黒カビは木材などに深く根を張るため根絶が難しい。範囲が広いときなどはホームクリーニングも検討したほうがよいだろう。また高温多湿の環境はカビが好む。除去とあわせて上述したような湿気対策も忘れずに講じておこう。
こまめに掃除をする
ホコリや髪の毛、垢やフケ、皮脂や糸くずなどあらゆる「ごみ」が虫たちのエサとなりうる。せめて週1回は、念入りに掃除をして清潔に保ちたいところだ。
結論
家の中に発生する小さな虫は、たとえ人体に害がなかったとしてもこの上なく不快である。放置すれば居座り繁殖するおそれもあるため、害の有無に関わらず速やかに駆除することが大切だ。同時に湿気対策やこまめな掃除など、再発生を防ぐための対策も忘れずに講じておこう。