1. ボウフラとは?対策は必要?

ボウフラが成長すると蚊になる。ボウフラのうちに対策を講じ駆除しておくことが重要だ。その理由やボウフラの生態を見ていこう。
ボウフラ対策の重要性
ボウフラ対策は、蚊による感染症のリスクを減らすことにつながる。刺されてかゆくなるだけなら耐えられるかもしれない。だが蚊は、日本でも話題になったデング熱をはじめ日本脳炎やマラリア、黄熱、ジカ熱といった感染症を媒介するやっかいな害虫である。ペットがいるご家庭ならフィラリアにも注意しなければならない。完全に駆除することは不可能に近いが、できる範囲でボウフラ対策を講じよう。そうすることで蚊の発生や感染症のリスクを少しでも抑制することができるだろう。
ボウフラの生態
ボウフラ対策は生態を知ることから始まる。ボウフラは体長6mmほどと非常に小さい。たとえばアカイエカと呼ばれる蚊は、1回の産卵で100〜200の卵を産むとされる。気温が25〜30℃だった場合、卵からボウフラになるまで1.5日程度、そこから1週間ないし10日ほどでオニボウフラ(さなぎ)に成長する。オニボウフラから蚊(成虫)になるまで早ければ2〜3日ほどだ。つまり、産卵から10日と少しあれば蚊になってしまう。気温が高くなるこれからの時期、しっかりと対策を講じておかなければあっという間に大量発生してもおかしくはないだろう。
2. ボウフラ対策は「水」がキーワード

ボウフラ対策の重要性はわかったが、具体的にどこにどのような対策を講じておけばよいのだろうか?対策方法については後述するとして、まずはポイントとなる場所を見ていこう。キーワードは「水」だ。
ボウフラ対策を講じるべき場所
- 水溜まり
- 庭の池や水槽
- 浄化槽や下水溝
- 鉢植えの受け皿
- 空き缶や空き瓶
- ベランダの排水口やジョウロ、バケツ
- 屋外で保管しているタイヤ など
蚊は水中に産卵する。したがってボウフラ対策を講じるのは上記のような「水があるところ」となる。ヒトスジシマカなどは、空き缶にほんのわずかに溜まっている水でさえ産卵場所となる。ボウフラ対策とは、徹底して水場対策を施すことだ。ベランダや庭などに水が溜まりそうな場所がないか確認しておこう。
3. すぐにできるボウフラの対策まとめ

今日からすぐにできるボウフラ対策をまとめたので、できるところから着手していこう。
水場は撤去する
ボウフラ対策の第一歩として、まずはジョウロやバケツ、古いタイヤや空き缶、空き瓶など撤去できるものであればできる限り撤去しておこう。「くぼみ」などに溜まった雨水にも産卵するため、そうした場所があれば埋めておくことをおすすめする。ただし、中には撤去できないものもある。そうした場所へは次のようなボウフラ対策を講じよう。
銅板や10円玉を入れておく
睡蓮鉢など撤去が難しい場所へは、銅板や10円玉を入れておく方法がおすすめだ。水中に溶け出す銅イオンが、ボウフラの成長を抑制するとされている。ただし10円玉を使う場合は、錆が発生したり1Lにつき20枚程度必要になったりするため、それらを理解したうえでご判断いただきたい。それよりは、ネット通販やホームセンターなどで手軽に手に入る銅板がよいだろう。
殺虫剤を溶かしておく
ボウフラ対策用の殺虫剤があるのをご存知だろうか?顆粒や錠剤、粉末、あるいは水で薄めて使う液体などさまざまな殺虫剤が販売されている。魚や植物を育てている場所に使えるかどうか、さらには効果が持続する期間、適用範囲・場所などは商品によって異なる可能性があるため、購入前にパッケージを確認しておこう。
メダカや金魚を飼育する
水槽や池などに限られてしまうが、金魚あるいはメダカといった魚はボウフラにとって天敵といわれている。水槽や池でこれらを飼育しておけばボウフラ対策になるだろう。ただし、ボウフラが大量にいる場合やメダカあるいは金魚が小さすぎる場合、食べきれずに生き延びてしまうことも考えられる。そのほかの対策もあわせて行うとよいだろう。
結論
ボウフラ対策を講じておくことは、感染症の媒介者である蚊の発生を抑制することにもつながる。ベランダや庭などに水場がある場合、可能な範囲で撤去しておこう。撤去できない水場は、銅板や殺虫剤などで対策しよう。