1. 育て方の前に!アイビーの特徴と種類を知ろう
育て方の前に、まずはアイビーに詳しくなっておこう。
アイビーとは
アイビーはウコギ科キヅタ属の植物で、学名を「ヘデラ」という。年間通して緑色を楽しむことができる常緑植物で、育て方がシンプルなうえインテリアとして飾ってもオシャレなことから人気がある。耐寒性が高く屋外で冬を越すこともできるため、花壇や通路など土が見えている部分を埋めるグランドカバー用の植物としても需要がある。さらに、アイビーは高い耐陰性も備えている。日陰や蛍光灯ほどの明かりでも成長できるなど、育て方が簡単なのも人気の理由だろう。ただし生育がとても旺盛なため、庭に植えたアイビーが家の外壁を覆ってしまうこともある。
アイビーの種類
アイビーにはいくつか種類がある。基本的な育て方は同じだが、屋内でインテリアとしてアイビーを栽培するなら「ヘデラ・ヘリックス」、グランドカバー用なら「ヘデラ・カナリエンシス」などがおすすめだ。なお、街の花屋さんなどで見かけるアイビーの多くはヘデラ・ヘリックスである。実に500種類を超える園芸品種があると言われている。
2. アイビーの育て方は大きく2パターンある
アイビーは地面に植えたり鉢を使ったりする育て方のほか、水耕栽培という育て方もできる。
水耕栽培とは
水に挿しておくだけで発根するという育て方だ。鉢などで育てたアイビーの一部をカットして小瓶などに水を入れておけば、自然に生長してくれる。あるいは、ハイドロボールと呼ばれる人工の土を使った、ハイドロカルチャーという育て方も可能だ。屋内で、ワンポイント的なインテリアとしてアイビーを栽培したいという方におすすめの育て方である。本稿では鉢を使った育て方を紹介するが、アイビーは水耕栽培が可能であるということも覚えておこう。
3. アイビーの育て方を日々のお手入れから挿し木まで解説
続いて、アイビーの育て方を栽培に適した環境や日々のお手入れ、植え替え、挿し木(増やし方)などに分けて解説する。
栽培に適した環境
アイビーは日陰でも育つとお伝えしたが、やはり元気にスクスクと育ってもらうためには日光に当てたほうがよい。ただし、直射日光がガンガンに当たる場所よりは半日陰(明るく、木漏れ日が当たる程度の場所)がおすすめだ。夏場はとくに、強い日差しに気をつけよう。いくら丈夫なアイビーとはいえ、強烈な日差しを浴び続けると葉焼けを起こしてしまうおそれがある。葉焼けは元に戻らないばかりか、悪化するとアイビー全体が枯れてしまうこともあるため注意してほしい。屋内で育てるときは、レースカーテン越しの光が当たるような環境がベストだ。また、エアコンの冷たい風や暖かい風を直接当てないように気をつけよう。風が当たり続けると枯れてしまうことがあるためだ。
日々のお手入れ
次にアイビーの日々の育て方を解説する。水やりは土の表面が乾いたタイミングで、たっぷり与えるのがポイントになる。たっぷりとは、鉢の底から水が溢れて流れ出すほどの量だ。ただし受け皿などをしている場合、溢れ出た水はそのままにせず毎回捨てておこう。冬場など気温が低くなると、アイビーは休眠期に入る。5℃くらいが目安だ。その時期の水やりは週1〜2回、もしくは土が乾ききってから2〜3日後などにしよう。
次に肥料だが、基本的にアイビーは肥料なしでも枯れにくい植物である。とはいえやはり元気に育ってもらうには、ある程度肥料を与えたほうがよいだろう。培養土を使うなら肥料なしでも育つが、生長を促したいときや元気に育てたいときは液体肥料を10日〜2週に1回、もしくは効きめが緩やかな緩効性の化成肥料を与えるとよい。なお肥料を与える時期は4〜9月頃の生育期で、高濃度の肥料や与えすぎはNGと覚えておこう。
次に肥料だが、基本的にアイビーは肥料なしでも枯れにくい植物である。とはいえやはり元気に育ってもらうには、ある程度肥料を与えたほうがよいだろう。培養土を使うなら肥料なしでも育つが、生長を促したいときや元気に育てたいときは液体肥料を10日〜2週に1回、もしくは効きめが緩やかな緩効性の化成肥料を与えるとよい。なお肥料を与える時期は4〜9月頃の生育期で、高濃度の肥料や与えすぎはNGと覚えておこう。
植え替え
鉢がいっぱいになったり、たっぷり水を与えてもなかなか溢れなくなったりしたら植え替えのタイミングだ。鉢の底を覗いたときに根が出ていた場合も、植え替えをしたほうがよい。植え替え時期が近づいたら水やりを控え、土を乾燥させておくとともに、これまでよりひと回り〜ふた回りほど大きな鉢や新しい土などを用意しておこう。なお、地面にブルーシートや新聞紙などを広げ、その上で作業すると汚れが広がるのを防げる。
手順としては、まず新しい鉢の底にある穴に鉢底ネットを敷き、鉢底石を並べたら新しい土を1/3程度の高さまで詰める。次に古い鉢からアイビーを取り出し、根に絡みついている土を手でもみ崩していく。新しい鉢に移し替えたら、鉢の上縁から4cm下あたりを目安に土を詰めていこう。根と根の隙間にもしっかり土が行き渡るように、割り箸などでつつきながら詰めるのがコツだ。最後にたっぷり水をやり、1週間ほどは日陰で管理しよう。
手順としては、まず新しい鉢の底にある穴に鉢底ネットを敷き、鉢底石を並べたら新しい土を1/3程度の高さまで詰める。次に古い鉢からアイビーを取り出し、根に絡みついている土を手でもみ崩していく。新しい鉢に移し替えたら、鉢の上縁から4cm下あたりを目安に土を詰めていこう。根と根の隙間にもしっかり土が行き渡るように、割り箸などでつつきながら詰めるのがコツだ。最後にたっぷり水をやり、1週間ほどは日陰で管理しよう。
挿し木のコツ
正しい育て方でスクスク生長したアイビーは、挿し木で増やすことができる。手順は簡単なのでぜひチャレンジしてみてほしい。まず元気な茎を2〜3節(10〜15cmほど)の長さにカットする。次に、上の方に葉が3〜4枚ほど残っている状態にして(下の方の葉は切り落とす)、土または水に挿す。あとは明るい日陰で管理すれば、10〜2週間後には発根するはずだ。なお水に挿す際は、葉が水に浸からないように気をつけよう。また土に挿したときは、土が乾いたタイミングで水やりをしよう。
4. アイビーの育て方で注意すべきポイントとは?
最後にアイビーの育て方で注意すべきポイントをお伝えする。具体的には「病気」と「害虫」だ。せっかく正しい育て方を覚えて元気なアイビーを育てても、病気や害虫被害に遭ってしまっては悲しい。育て方とあわせて、これらの対策も覚えておこう。
病気について
■炭疽病
アイビーの葉に、黒や褐色の斑点が見られたら炭疽病かもしれない。放置すると枯れてしまうため、発見し次第切り捨てよう。風通しあるいは日のあたりが悪いと発症することがある。環境を変えてあげる、絡まっている葉やツルを剪定するなどして対策しよう。
■すす病
葉や茎などが黒く汚れている場合は、すす病が考えられる。進行すると葉が落ちて株が枯れてしまうことがある。風通しが悪い、湿度が高いといった原因でアブラムシが発生し、その排泄物にカビなどが付着すると黒くなる。被害が広がる前に切り落とすとともに、後述するアブラムシ対策を講じよう。
アイビーの葉に、黒や褐色の斑点が見られたら炭疽病かもしれない。放置すると枯れてしまうため、発見し次第切り捨てよう。風通しあるいは日のあたりが悪いと発症することがある。環境を変えてあげる、絡まっている葉やツルを剪定するなどして対策しよう。
■すす病
葉や茎などが黒く汚れている場合は、すす病が考えられる。進行すると葉が落ちて株が枯れてしまうことがある。風通しが悪い、湿度が高いといった原因でアブラムシが発生し、その排泄物にカビなどが付着すると黒くなる。被害が広がる前に切り落とすとともに、後述するアブラムシ対策を講じよう。
害虫について
アイビーに寄り付く害虫としては、ハダニやアブラムシ、カイガラムシなどが挙げられる。ハダニ対策にはこまめな葉水や即効性のあるハダニ用の殺虫剤などがよいだろう。アブラムシ対策としては、春頃など暖かくなったタイミングで月1回、浸透移行性の殺虫剤を株元に置くといった方法がある。もしアブラムシを見かけたら、浸透移行性のスプレー式殺虫剤などで駆除しよう。カイガラムシが発生する主な原因は風通しの悪さだ。剪定をして風通しを確保するとともに、見かけたときはカイガラムシ専用の殺虫剤をスプレーするなどして対処しよう。
結論
アイビーは育て方が簡単なうえ生長も早く、年間通して緑を楽しむことができるためインテリアとしての人気が高い観葉植物だ。もちろん水耕栽培でもOKだが、お伝えした育て方や病気・害虫対策のコツを押さえておけば、比較的容易に栽培できるはずなのでぜひチャレンジしてみてほしい。