目次
1. アジアンタムの基本情報

育て方の前に、まずはアジアンタムの基本情報から見ていこう。
アジアンタムとは
アジアンタムは、ワラビ(イノモトソウ)科、ホウライシダ属のシダ植物だ。温帯から亜熱帯にかけて生息する植物であり、国内でも温暖な地域に生息している。アジアンタムの特徴は、薄くてやわらかい葉だ。観葉植物には珍しいその繊細な印象も、アジアンタムが人気の理由の1つだろう。
2. アジアンタムの育て方がひと目で分かる年間カレンダー

続いて、アジアンタムの植え付けや株分け、肥料を与える時期などを見ていこう。
アジアンタムの年間育て方カレンダー
- 植え付け:5〜9月
- 植え替え:5〜9月
- 株分け:5〜9月
- 肥料:4〜11月
アジアンタムは株分けで増やせる。植え替えのタイミングで行うとよいだろう。肥料は冬場には不要なため、春から秋頃にかけて、アジアンタムの生育期に与えるとよい。
3. アジアンタムの育て方のポイント1|日当たり・置き場所・温度

アジアンタムの育て方のポイントを解説していく。まずは日当たり、置き場所、温度についてだ。
屋内で育てる場合の日当たり
アジアンタムは明るい場所を好むが、直射日光だけは避けよう。葉焼けを起こしてしまうおそれがあるためだ。レースカーテンなどを介して光が当たるようにするとよい。
屋外で育てる場合の日当たり
屋外なら明るい日陰で育てるか、もしくは50〜75%程度遮光するなどして直射日光を当てない工夫をしよう。
置き場所で気をつけること
エアコンの冷風や温風などが当たるのを避けるのもアジアンタムの育て方の基本だ。風がダイレクトに当たると、せっかくの葉が傷んでしまうおそれがあるため、気をつけよう。
温度管理について
アジアンタムは、耐暑性は比較的高いが耐寒性は低い。そのため、冬場は温度を5〜8℃以上に保ち、屋内で育てるほうが安心である。
4. アジアンタムの育て方のポイント2|用土・水やり・肥料(追肥)

続いて、アジアンタムの用土や水やり、肥料についてのポイントを解説していく。
用土の作り方
アジアンタムの育て方で失敗しないためには土選びも重要になる。市販の培養土でもOKだが、自分で作りたいという方は「小粒の赤玉土5」「腐葉土3」「川砂2」をブレンドしたものがおすすめだ。
夏場の水やり
アジアンタムは乾燥が苦手な植物だ。水切れして葉がチリチリに枯れるともう戻ることはない。そのため、土が乾いてしまう前に水やりをするのが適切な育て方である。とくに夏場は、少なくとも朝夕の1日2回は水やりをしてほしい。
テラコッタや素焼きの鉢にアジアンタムを植えている場合は、乾燥しやすくなる。水やりに気配りが必要だ。
テラコッタや素焼きの鉢にアジアンタムを植えている場合は、乾燥しやすくなる。水やりに気配りが必要だ。
冬場の水やり
冬場は夏場ほど多くなくてもよいが、乾燥させるのはNGである。土が乾き始めたら水やりをするようにしよう。なお、コンスタントに霧吹きで葉水を与えておくと枯れるのを防げるだろう。
1週間ほど家をあけるような場合は、室温の高いところで水やりをしてから、透明のビニール袋をそっとかぶせておくとよい。
1週間ほど家をあけるような場合は、室温の高いところで水やりをしてから、透明のビニール袋をそっとかぶせておくとよい。
肥料・追肥
アジアンタムは肥料がなくても育つとされているが、成長を促したり元気に育てたりしたいのであれば肥料を与えよう。ただし上述のとおり、冬場はとくに肥料の必要はない。春〜秋にかけて、2カ月に1回程度のペースで緩効性(ゆるやかに効いてくるタイプ)の化成肥料を与えるか、液体肥料を月2回または7〜10日に1回といったペースで与えるとよいだろう。なお、肥料を与えすぎたり、高濃度の肥料を与えたりするのはNGな育て方だ。枯れる原因にもなるので気をつけよう。
5. アジアンタムの育て方|植え付けから株分けまで

アジアンタムに適した環境や土選び、水やりなどに関する基本がわかったところで、植え付けから株分けまでの育て方をチェックしていこう。
植え付け
植木鉢に市販の培養土、または上述の用土の作り方を参考にした土を入れる。そこへアジアンタムを植え付けよう。
剪定(切り戻し)
一度水切れしてチリチリになった葉や、枯れた葉はもとには戻らないため、剪定(切り戻し)する必要がある。ハサミで株元から切り落とそう。
植え替え(鉢替え)
アジアンタムは、正しい育て方をするとスクスクと成長する。年1回、5〜9月頃を目安に植え替えをしよう。アジアンタムを鉢から取り出したら、根に付いている古い土を3分の1から4分の1ほどやさしく落とし、ひと回りからふた回りほど大きな鉢に新しい土を用意して植え替えよう。
増やし方(株分け)
正しい育て方で立派に成長したアジアンタムは、株分けをして増やせる。まずは、植え替えと同じように鉢から取り出して、根に付いている古い土を落とそう。次に、ナイフあるいはハサミなどを使って株に切り込みを入れ、手でやさしく引っ張って2分割や3分割などにする。同じサイズの鉢と新しい土を用意しておき、移し替えよう。なお、株分けしたアジアンタムは、発芽するまでは日陰で管理し、それ以降は通常通りの管理方法で育てていくとよい。日陰での管理中も土が乾燥しないように気をつけよう。
6. アジアンタムの育て方で注意すべき害虫・病気とその対策

アジアンタムの育て方で、注意したい害虫やかかりやすい病気を把握しておこう。対策についても解説するので、ぜひ取り入れてみてほしい。
ナメクジ、カイガラムシ、ハダニなどに注意
アジアンタムは意外と虫が寄り付きやすい。乾燥が苦手で潤いを好むという特性が影響しているのだろう。とくにナメクジ、カタツムリ、ハダニ、アブラムシなどには気をつけてほしい。せっかく正しい育て方をしても、害虫被害に遭ってしまっては残念だ。新芽が被害に遭うことが多いため、とにかく見つけたらすぐに割り箸などで掴んで排除しよう。誘殺剤といった市販の薬剤を使った対策もおすすめだ。
立ち枯れ病などに注意
アジアンタムは、春や秋に多湿になると立ち枯れ病になるおそれがある。葉が枯れてしまうため、注意が必要だ。風通しがよい場所に置くようにしよう。また、土の上に直に鉢を置くのは避けてほしい。
葉の裏のツブツブは「胞子」なので気をつけよう
アジアンタムの葉の裏に見られるツブツブは胞子の袋である。害虫の卵と見間違えてしまわないように気をつけてほしい。
7. アジアンタムが枯れる原因は?

アジアンタムは育て方が難しく、枯らしてしまうケースも多い。ここでは、アジアンタムが枯れる原因をチェックしておこう。
アジアンタムが枯れる原因はさまざま
アジアンタムが枯れる原因はさまざまだ。上述のとおり乾燥が苦手な植物のため、水切れすると枯れてしまう。また、肥料を与えすぎたり、高濃度の肥料を与えたりするのはNGな育て方だ。これも枯れる原因になる。害虫や病気もアジアンタムが枯れる原因のため、注意してほしい。
8. アジアンタムの花言葉と風水における意味とは?

育て方とは関係ないが、アジアンタムの花言葉や、風水における意味について解説しよう。
花は咲かないが「花言葉」がある
アジアンタムは花を咲かせることはないが、その生い茂った葉がまるで花のように見えることから、天真爛漫や繊細、無垢、上機嫌など、さまざまな花言葉を持っている。
風水ではどんな意味を持つ?
アジアンタムは、風水では「陰の気」を吸い取るともいわれており、トイレなどに飾る方も多いようだ。生い茂る葉が金運アップや商売繁盛を招くともいわれている。
9. アジアンタムを育ててみよう

風水では陰の気を吸い取るともいわれるアジアンタムは人気の観葉植物だが、乾燥や寒さに弱く、枯らしてしまうケースもある。育て方のポイントを把握したうえで、正しく育ててみよう。アジアンタムの育て方については、当記事が役に立つはずだ。
結論
アジアンタムの育て方や枯れる原因、病害虫対策、花言葉や風水における意味まで幅広く解説してきた。枯らしてしまいやすいアジアンタムの育て方をしっかり把握し、観葉植物としてご家庭で楽しんでみてはいかがだろうか。