- 電波障害が発生している
- アンテナケーブルが接触不良を起こしている
- アンテナの向きがズレてしまった
- アンテナが何らかの原因で故障した など
1. テレビの「砂嵐」とは何か?
そもそもテレビの「砂嵐」とは何なのか?正式名称なども交えて解説しよう。
正式名称「スノーノイズ」と呼ばれる現象である
テレビの砂嵐とは「ザー」という騒々しい音とともにテレビ画面いっぱいに映し出される、文字通り砂嵐のような映像のことだ。テレビ番組の放送がすべて終了した、深夜の時間帯によく見られた映像として記憶している方も多いだろう。白黒入り混じった斑点状の砂嵐は、正式名称を「スノーノイズ」という。テレビがアナログ放送の電波を正常に受信できないときに生じる現象だ。
砂嵐は「ホワイトノイズ」として赤ちゃんから大人まで親しまれている
砂嵐や雨音などの雑音はヒーリング効果がある「ホワイトノイズ」と呼ばれていることはご存知の方も多いだろう。とりわけ砂嵐のザーという音は、赤ちゃんが落ち着く音とされている。泣き止んでほしいときや寝てほしいときに聞かせると実感できるだろう。胎児のときに聞いたお母さんの心音などに似ており、安心感を与えるためだと考えられている。
そのヒーリング効果は赤ちゃんだけにとどまらない。勉強や仕事に集中できる、興奮状態からすっと眠りにつけるなど大人にも効果が期待できる。テレビで砂嵐を見かけることはほとんどないが、 ホワイトノイズとしてYouTubeやアプリを介して多くの人に親しまれている。
2. テレビの砂嵐を見かけなくなった理由
現在は、テレビを視聴していても砂嵐を見かけることはほぼなくなった。その理由について解説しよう。
アナログ放送から地上デジタル放送に移行したため
2012年3月31日をもって停波したアナログ放送にかわり、地上デジタル放送(以下地デジ)に移行した。これがテレビで砂嵐を見かけなくなった理由だ。砂嵐とは0.1、0.2などで構成されるアナログ信号をテレビ放送がない時間帯に拾ってしまうことで起こる現象だ。それに対し、地デジではすべての信号が0か1で構成されるため、地デジに切り替わった現在では砂嵐を見かけることはほぼない。
砂嵐はアナログ放送特有の現象であり、電波障害などによってアナログ放送の電波を正しく受信できない場合にのみ、発生する現象というわけだ。
テレビの砂嵐を知らない世代が増えた
テレビの砂嵐そのものを知らない世代も増えた。理由はお察しの通り「アナログ放送が終了して地デジに切り替わったから」である。テレビに砂嵐が映る現象はアナログ放送特有のものであることは先述の通りだ。
地デジは2003年12月から放送開始された。したがってこの年以降に生まれた子どもたちは砂嵐を知らなくても不思議ではない。アナログ放送は2012年3月31日をもって完全終了したため、2012年以降に生まれた世代はその存在すら知らないだろう。
3. 地デジ対応テレビに砂嵐が発生する原因と対処方法
地デジ放送に移行した現代、テレビで砂嵐を見かける機会はほぼなくなった。あるとすれば演出や、ホラー映画のワンシーンなどだろう。だが未だに、突然画面が砂嵐に切り替わることがある。その理由と対処方法を解説しよう。
受信設定が「アナログ」になっていることが原因
地デジ放送に移行した現代でもテレビ画面に突然砂嵐が映る場合、故障ではなくリモコンの受信設定がアナログに切り替わっていることが原因と考えられる。地デジ放送が開始された2003年から完全移行するまでの約10年間は、どちらの電波も混在していた。その時期に発売されたテレビのリモコンには地デジとアナログのボタンがついているはずだ。何かの拍子にボタンを押してアナログ受信に切り替わった場合、現代では正常に電波を受信できないため砂嵐が出現する。
受信設定を「地デジ」に切り替えれば解消する
こうしたことから、現在地デジ対応のテレビで見られる砂嵐は「誤作動」と考えられる。慌てることなく受信設定を地デジに切り替えよう。逆をいえば「砂嵐を見たい」と思ったらアナログ放送に切り替えればよいということになる。
4. 地デジ放送では砂嵐の代わりに「ブロックノイズ」が発生する
せっかくなので地デジ放送特有のノイズについても解説しておく。すでにお伝えした通り、地デジ放送では砂嵐は出現しない(受信設定が誤っていない限り)。だがその代わりブロックノイズと呼ばれる現象が見られる場合がある。
ブロックノイズとは
いわゆる映像の乱れである。一部分がまるでブロックのように長方形に崩れてしまい、モザイクがかったような映像になってしまう現象だ。心当たりがある方も多いのではないだろうか?
ブロックノイズが発生する原因と対処方法
ブロックノイズが発生した場合、こうした原因が考えられる。電波障害であれば様子を見てみよう。ただし近くで電子機器を使用している場合、それらが電波干渉していることも考えられる。いったん使用を中止して直るかどうか見てみるのもアリだ。
それ以外であればアンテナケーブルもしくはアンテナそのものに問題があるかもしれない。ケーブルがきちんと接続されているか、経年劣化していないかを確認するとともに、強風でアンテナの向きが変わってしまっていないかなどもチェックしておきたいポイントだ。なおケーブルの点検やアンテナの向きを変えたり修理したりといったことは素人では危険なので、必ず業者に依頼するようにしてほしい。
結論
砂嵐はアナログ放送時代に見られた懐かしい現象だ。現代では見かける機会がほぼないが、突然映し出されたときは受信設定を確認してみよう。「ホワイトノイズ」として親しまれている側面もあるため、あえて砂嵐の音に耳を傾けてみるのもよいだろう。