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氾濫と決壊の違いは?災害のときに役立つ基礎知識と備えを確認

氾濫と決壊の違いは?災害のときに役立つ基礎知識と備えを確認

投稿者:ライター 吉田梨紗 (よしだりさ)

鉛筆アイコン 2021年9月 1日

大雨などの災害が発生した時、氾濫や決壊といった言葉を耳にする機会は多いだろう。イメージはあっても、2つの言葉の違いを説明するのは難しい。この記事では、氾濫と決壊の意味と違いについて詳しく解説する。発生する原因や災害への備えなど、役立つ知識と併せてまとめた。

  

1. 氾濫と決壊【氾濫とは】

氾濫と決壊の違いを紹介する前に、氾濫の意味について解説する。外水氾濫と内水氾濫の違いもチェックするので、防災知識として学んでほしい。

氾濫とは?

氾濫とは物事があふれ出ることを指す言葉だ。「情報が氾濫する」「河川が氾濫する」といった使い方が一般的で、水害が起きたときに使用することも多い。

豪雨や長雨により、川の水が防波堤を超えてあふれる現象が氾濫だ。(※1)決壊とは意味が異なるので、正確に把握しておこう。

外水氾濫と内水氾濫の違い

氾濫は内水氾濫と外水氾濫に分かれる。河川から水があふれる外水氾濫は、短時間で被害が拡大しやすいので注意しよう。急激に降った雨により、排水路や下水道の排水能力をこえ、水が道路や建物に浸水するのが内水氾濫だ。

内水氾濫と外水氾濫では氾濫が発生する場所が異なるため、災害時の行動にも違いがでる。決壊と併せて言葉の意味を知ることで、いざというとき冷静に対処できるだろう。

2. 氾濫と決壊【決壊とは】

氾濫について理解したあとは、決壊についても知っておこう。正しい意味を知っておけば、氾濫との違いもわかりやすい。

決壊とは堤防などが崩壊するといった意味がある。「ダムが決壊する」「河川の堤防が決壊した」といった使い方が一般的だろう。

堤防は土砂や海水の氾濫を防ぐために、コンクリートや土砂で建造される構築物だ。堤防が決壊すると水が氾濫するので、すぐに適切な行動に移ろう。

3. 氾濫と決壊の違い

氾濫と決壊にはどのような違いがあるのだろうか。洪水などの災害に備えて、必要な知識を身に付けておこう。

氾濫と決壊の違いは?

氾濫には「河川から水があふれる」という意味があり、一方で決壊は「堤防などが壊れる」ことを指している。決壊によって氾濫が引き起こされるケースは多い。

「堤防の決壊により河川が氾濫した」といった使い方が一般的だ。ただし、決壊が発生しなくても、水が堤防をこえて氾濫することもある。同時に発生するとは限らないので、言葉の使い分けには注意しよう。

あふれる前から決壊することも?

氾濫は河川からあふれることで発生するのが一般的だ。ただし、浸透や侵食により、水位が堤防をこえていなくても、決壊する可能性がある。

そのため、河川の水位がそこまで高くない場合も油断はできない。決壊すると一度に多くの水が急激に流れるので、とても危険だ。実際に決壊が発生するまえに早めの避難を心がけてほしい。

4. 氾濫や決壊の原因

氾濫や決壊はなぜ発生するのか解説しよう。2つの原因について紹介するので、防災に役立ててほしい。

長雨

氾濫や決壊は、長雨によって河川の水位が上がることで発生する。雨が降っていない場所でも、山岳部や上流から水が流れてくる可能性があるので注意が必要だ。

大きな川は多くの流域から水が集まり、時間をかけて水位があがる。氾濫や決壊が発生すれば浸水は広範囲に広がってしまい、水がひくまでに時間もかかるので厄介だ。

集中豪雨

集中豪雨とは、短時間で局所的に降る大量の雨を指す。1時間に50mmの雨がふると災害のリスクが高まり、都会の川なら氾濫や決壊の危険もある。

道路の冠水や建物の浸水などの内水氾濫もおこりやすく、山崩れやがけ崩れのリスクも考えられるだろう。「雷が鳴る」「真っ黒な雲が近づく」「台風の接近」など、集中豪雨につながる天候の兆候を知ることが重要だ。

5. 氾濫や決壊に備える

氾濫や決壊が発生した場合、適切な行動が命を守ることにつながる。日頃から備えておきたい3つのポイントを紹介しよう。

ハザードマップ

ハザードマップ(※2)を確認すれば、氾濫や決壊のリスクが高い場所がひと目でわかる。安全な非難ルートや避難場所といった情報を確認できるので、家族全員で共有しておこう。実際に歩いてみて、避難所やルートを下見しておくと安心だ。

警戒レベル

防災気象情報や警戒レベルについて調べておこう。(※3)レベル3では高齢者が、レベル4では全員の避難が求められる。自治体や気象庁が発表する情報を確認して、適切な行動をすることが重要だ。

非常持出袋

非常持出袋を用意しておけば、緊急時にすぐ避難できる。水や食料、衛生用品などの必要なものを、リュックにまとめておこう。レインコートや軍手、動きやすい服など、氾濫や決壊で避難する時の服装についても確認しておきたい。

結論

氾濫や決壊などの災害が発生したとき、正しい情報を把握することが重要だ。言葉の意味について学習しておけば、何が起こっているのかが理解しやすい。氾濫は河川の水があふれること、決壊は堤防が壊れることだと覚えておこう。もし氾濫や決壊が起こったときは、命を守るための適切な行動を心がけてほしい。ハザードマップを確認したり、防災袋を用意したりと、日頃から備えておけば安心だ。
(参考文献)
※1出典:東京都総務局総合防災部防災計画課「河川の氾濫とは?」
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/mytimeline/1006345/1006339/1006291.html


※2出典:国土交通省「ハザードマップポータルサイト」
https://disaportal.gsi.go.jp/


※3出典:気象庁「防災気象情報と警戒レベルとの対応について」
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/alertlevel.html#:~:text=%E2%80%BB%EF%BC%93%20%E5%A4%9C%E9%96%93%EF%BD%9E%E7%BF%8C%E6%97%A5,%E7%81%BD%E5%AE%B3%EF%BC%89%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%A6%E7%99%BA%E8%A1%A8%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
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  • 公開日:

    2020年7月19日

  • 更新日:

    2021年9月 1日

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