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大雨警報の基準とは。正しく理解して、命を守る行動をとろう!

大雨警報の基準とは。正しく理解して、命を守る行動をとろう!

投稿者:ライター 松岡由佳里 (まつおかゆかり)

鉛筆アイコン 2021年8月17日

毎年、夏になるとゲリラ豪雨や台風が続き、大雨警報が頻繁に出されることが多い。大雨警報は自分自身、そして家族の命を守るために欠かせない情報だ。「まだ平気だろう」と安易に考えていると、いつ災害に巻き込まれるかわからない。大雨警報の基準や種類、それに合わせた適切な行動を調べてみた。ぜひ、参考にしてもらいたい。

  

1. 大雨警報基準とは

そもそも大雨警報というのは、どのようなときに、どのような基準で発令されるものなのだろうか。

大雨とは

大雨というのは、何ミリくらい降ったら大雨というのだろう。気象庁では大雨の基準値を定めていると思っている方も多いだろう。しかし実際には、何ミリ以上降れば大雨という定義はないのだ。

定義されているのは集中豪雨で、同じ場所で数時間続いて強い雨が降り、100㎜以上の大雨を指す。また局地的豪雨は、短時間に狭い範囲で数十mmの大雨が降ることとされている。

大雨警報が発令される条件は

気象庁では、雨によって洪水などの災害が起こりそうだと予想した場合に大雨警報を発令する。大雨警報の基準は地域によってずいぶん異なる。

たとえば同じ量の雨が降っても、地盤がしっかりしている地域では大雨警報は発令されない。逆に、河川の近くや過去に土砂崩れがあった場所などは大雨によって災害が起こる恐れがあるとして、すぐに発令されることが多い。

2. 大雨警報の基準

気象庁では、大雨警報を発令するために4つの基準を設けている。どのような基準で大雨警報が発令されるのか見てみよう。

雨量基準

対象とされている地域に短時間に大雨が降り、河川の増水や氾濫が発生する危険性がある場合の基準。

流域雨量指数基準

対象とされている地域の上流で大雨が降ったときの雨の量により、河川での増水や氾濫などが発生する場合の基準。この流域雨量指数基準というのは、洪水の危険性がある、あるいは洪水になると甚大な被害を及ぼす河川に対して設定されている。そのため、すべての河川に設定されているわけではない。

たとえば、河川が短い場合など雨量基準だけで洪水の危険度を監視できる場合には、設定されていない。

複合基準

対象とされている地域の上流と対象地域の両方に大雨が降った場合に適用される基準だ。雨量基準と流域雨量指数基準を組み合わせて複合基準を決めている。

土壌雨量指数

新たに大雨警報の基準に加えられたのが土壌雨量指数だ。今までは対象地域に大雨が降り、その雨量だけを基準として警報を発令していた。しかし、雨は長い時間をかけて土壌に浸み込み、川や海へと流れ出ていく。そのため、雨が止んでも土壌の水分量は急に下がることはない。

長雨が続くことで、土壌には雨を蓄えておけるだけのキャパが減っていく。そうなると、さらに大雨が降ることで一気に土砂災害、洪水災害などが起こる危険性も高まる。降った雨が土壌の中にどれだけたまっているのかを見積もって、土砂災害の危険度を示すのが土壌雨量指数だ。

3. 大雨警報基準の種類

大雨警報には大きく分けて3つの基準がある。危険度順では「注意報」「警報」「特別警報」となっている。それぞれの意味ととるべき行動を紹介しよう。

大雨注意報

大雨注意報は、災害の危険性があることを知らせる基準だ。各市町村では、避難の準備を始める。とくに河川近くや山間などで避難経路が通行規制の基準を超えてしまいそうな場合、高齢者を中心に避難を開始する。

私たちは、大雨注意報が出たら避難場所の確認や避難の準備を始め、高齢者や乳幼児のいる家庭では早めに避難することが大切だ。

大雨警報

大雨警報は、重大な災害の恐れがあることを知らせる基準だ。各市町村ではとくに危険な地域に対しては避難勧告を出す。大雨警報とともに土砂災害警戒情報が出たときには、注意が必要だ。

私たちは、住んでいるところの自治体の指示に従って、速やかに非難をすることが大切だ。

大雨特別警報

大雨特別警報は、大型の台風や集中豪雨によって、数十年に一度の大雨が予想されるときなどに発令される。この警報が発令されたときには、重大な土砂災害、浸水災害が発生する危険性が大きい状況だ。

各市町村では、避難勧告をしてもなお避難が十分でなかった住民に対して避難誘導する。

私たちは、もし避難しそびれてしまった場合には周りの状況を見て無理に避難所には行かないようにする。2階に上るなど、屋内でより安全な場所に避難することが重要だ。

4. 大雨警報は基準値を下回っても注意が必要

大雨警報が解除されていない状態で、実際に自分の住む地域には雨が降っていない場合でも「あーもう大丈夫だ」と安心するのはまだ早い。基準値が下回ってもまだまだ注意が必要だ。

地盤が緩んでいる危険性

指定の地域で雨が降っていない場合でも、大雨警報が解除されないのには意味がある。大雨警報は大雨の基準だけでなく、土砂災害の危険基準を警報する目的があるからだ。

とくに土砂災害は、大雨で地盤が緩んでしまっている場所に起こることが多い。雨が止んだからといって避難所から自宅へとすぐに戻るのは危険だ。

洪水の危険性

自分が住んでいる地域の雨がおさまったからといって、安心はできない。とくに河川の近くに住んでいる場合、上流に局地的な大雨が降ると、数時間後に河川の基準水量が一気に増えて堤防決壊などの洪水になる危険性がある。警報が解除されるまで、安易に河川に近寄らないことだ。

結論

気象庁から発令される警報は、さまざまな過去のデーターから導かれたものだ。「今までそんなことはなかった」と甘く見てはいけない。地球規模の気候が今までと違ってきているのだ。気象庁から発令される大雨警報の基準について理解を深めておこう。また住んでいる地域のハザードマップに目を通しておき、いざというときに迅速に動けるようにしておこう。
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  • 公開日:

    2020年7月 6日

  • 更新日:

    2021年8月17日

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