1. 包丁の研ぎ方をマスターするためのコツ
まずは、包丁の研ぎ方をマスターするにあたってコツを覚えておこう。
包丁の研ぎ方をマスターするには
残念ながら、包丁の研ぎ方をマスターするための「近道」はほぼないと思ってよいだろう。基本を身につけ、繰り返し研いで慣れていくことが何よりも重要になる。最初は苦労するかもしれないが、自分が覚えた研ぎ方で包丁をお手入れしていくうちに愛着が湧き、それまで以上に包丁を大切に扱いたくなるはずだ。もちろん、包丁の長持ちにもつながる。
包丁の上手な研ぎ方にはいくつかコツがあるが、その中でもとくに、力を込めすぎないことを心がけよう。初心者など慣れていない方はつい力が入りすぎてしまうことがあるが、包丁研ぎに力は不要なので覚えておいてほしい。
包丁の上手な研ぎ方にはいくつかコツがあるが、その中でもとくに、力を込めすぎないことを心がけよう。初心者など慣れていない方はつい力が入りすぎてしまうことがあるが、包丁研ぎに力は不要なので覚えておいてほしい。
シャープナーではなく砥石を使うことが大切
包丁を何度か通すだけで切れ味が復活する、シャープナーと呼ばれる便利なアイテムもある。砥石を使った研ぎ方よりも手軽に切れ味が戻るため、こちらを使えばよいのではと思う方もいるだろう。
だがシャープナーは、刃先を削る(荒らす)ことで一時的に切れ味をよくするためのものだ。使い続けると刃こぼれといったトラブルを招くおそれがあるため、あくまで一時的かつ簡易的なものと考えよう。包丁本来の切れ味を取り戻し長く使っていくためには、砥石を使った研ぎ方を覚えることが大切だ。
だがシャープナーは、刃先を削る(荒らす)ことで一時的に切れ味をよくするためのものだ。使い続けると刃こぼれといったトラブルを招くおそれがあるため、あくまで一時的かつ簡易的なものと考えよう。包丁本来の切れ味を取り戻し長く使っていくためには、砥石を使った研ぎ方を覚えることが大切だ。
2. 包丁の研ぎ方の前に必要な砥石の知識
包丁の研ぎ方を説明する前に、同じくらい大切な砥石に関する基礎知識を解説する。
砥石の種類
包丁の研ぎ方を学ぶにあたって砥石を選んだことがある方はご存知かもしれないが、同じように見える砥石でも種類や用途が異なる。刃が欠けているなどダメージが大きい包丁を研ぐ際に用いるのは「荒砥石」、日々のお手入れや切れ味が悪いと感じたときに用いるのが「中砥石」だ。より鋭い切れ味を求めるときは「仕上げ砥石」を使うこともある。
本稿で紹介するのは、ご家庭の一般的な包丁で切れ味が悪くなったと感じたときの研ぎ方なので、中砥石を用意しておこう。粒度は1,000程度を目安にするとよい。ただし刃こぼれなどを起こしている包丁は、中砥石では復活させられないこともある。その場合は荒砥石を使うことになるが、慣れていない方は包丁研ぎの専門家などにお願いするとよいだろう。
本稿で紹介するのは、ご家庭の一般的な包丁で切れ味が悪くなったと感じたときの研ぎ方なので、中砥石を用意しておこう。粒度は1,000程度を目安にするとよい。ただし刃こぼれなどを起こしている包丁は、中砥石では復活させられないこともある。その場合は荒砥石を使うことになるが、慣れていない方は包丁研ぎの専門家などにお願いするとよいだろう。
砥石の面直しも重要
包丁と同様に、砥石も使い続けると削れてすり減っていく。中央がくぼむなど凹凸がある砥石では包丁をうまく研ぐことができない。そのため「面直し砥石」を使って砥石の表面を平にすることも重要になる。あわせて覚えておこう。
おすすめ商品
- 商品名:貝印 調理用 中 砥石
- Amazon商品ページはこちら
3. ご家庭でできる三徳包丁の研ぎ方を紹介
いよいよ、包丁の研ぎ方を説明していく。なお包丁にもいろいろな種類があるが、本稿では一般的なご家庭で使われることの多い三徳包丁(両刃)を、中砥石を使って研ぐ方法を紹介する。
1.砥石に水を含ませる
ボウルなどに水をはり、砥石を浸けておこう。ポイントは気泡が出なくなるまで10〜20分ほど浸けておくことだ。ただし砥石の種類によって異なる場合もある。お使いの砥石の説明書を確認しながら行ってほしい。
2.砥石をセットする
平坦な場所に濡れ布巾を敷き、その上に砥石を置く。布巾は砥石が動いてしまうのを防ぐためのものだ。水をかけながら研いでいくので、手が届くところに水入りのボウルや霧吹きを置いておくとよいだろう。
3.オモテ面の研ぎ方
まずは砥石に水をかけよう。次に、刃を手前に向けた状態で、砥石に対して垂直に包丁を添える。その状態から、刃が45°開くように包丁の先を外側に向けよう。刃先を砥石に当てたら、10円玉2枚分ほど峰(包丁の背中)を持ち上げて準備は完了だ。
包丁の角度ができる限り動かないように注意しながら、前後にスライドさせて研いでいこう。その際、引くときはとくに力を抜くことを心がけよう。なお、刃を先端の「切っ先」、中央の「刃中」、柄寄りの「アゴ」の3箇所に分け、1箇所ずつ研いでいくとやりやすい。1箇所につき10〜20往復を目安にしよう。
研いでいるうちに出てくる研ぎドロ(水と砥石の粒子が混ざったもの)は、包丁を研ぐために欠かせないドロだ。洗い流さないように心がけるとともに、水気が足りないと感じたら、少量ずつ水をかけながら研いでいこう。
包丁の角度ができる限り動かないように注意しながら、前後にスライドさせて研いでいこう。その際、引くときはとくに力を抜くことを心がけよう。なお、刃を先端の「切っ先」、中央の「刃中」、柄寄りの「アゴ」の3箇所に分け、1箇所ずつ研いでいくとやりやすい。1箇所につき10〜20往復を目安にしよう。
研いでいるうちに出てくる研ぎドロ(水と砥石の粒子が混ざったもの)は、包丁を研ぐために欠かせないドロだ。洗い流さないように心がけるとともに、水気が足りないと感じたら、少量ずつ水をかけながら研いでいこう。
4.「かえり」の有無をチェック
ひと通り研ぎ終えたら、刃先にかえりが出ているかチェックだ。かえりとはいわゆるバリのことで、うまく研げていれば出てくる。刃先付近を指でなぞってみて(刃先そのものは大変危険なので絶対に触れないこと)、髪の毛1本分ほどの引っかかりがあれば、かえりが出ていると判断してよい。かえりがなければ、先ほどの研ぎ方をもう一度繰り返そう。
5.ウラ面の研ぎ方
ウラ面の研ぎ方も、基本的にはオモテ面と同じ流れだ。ただし包丁の向きが逆になるので気をつけてほしい。刃を外側に向け、砥石に対して包丁を垂直に添えたところから、柄を手前に引くことで45°の角度を作ろう。なおウラ面を研ぐときは、押すときに力を抜くことになるのであわせて覚えておこう。反対側にもかえりが出ていれば、あとは仕上げを残すのみだ。
6.仕上げ
かえりが出た側の刃先を砥石にあてて2〜3回ほど研げば、かえりが取れる。最後は中性洗剤でよく洗い、水気を拭き取って乾燥させておこう。砥石は水で洗い、風通しのよい場所で陰干しをしてから収納しよう。
4. 包丁の研ぎ方を覚えて長持ちさせよう
包丁の研ぎ方は、初めは難しいかもしれないが繰り返すうちにコツが掴めてくるはずだ。力加減や角度が分かってくれば、スムーズな研ぎ方ができるようになるだろう。せっかく研ぎ方を覚えたのであれば、日々の包丁のお手入れにも気を配り少しでも長持ちさせてほしい。
錆を防ぐコツ
包丁を洗ったあとは水分を拭き取る、よく乾かすことを心がけよう。また、包丁(とくに刃先など)に水分が残っている状態でほかの金属に触れると、もらい錆が生じることがある。濡れた刃先は拭き取るか、ほかの金属に触れないように置くなど工夫しよう。
結論
包丁の研ぎ方を身につけておけば、切れ味を取り戻せるだけでなく大切な包丁を長く使い続けることにもつながる。思い切ってチャレンジしてはいかがだろうか?なお、包丁や砥石にはいろいろな種類があり、ほかにも研ぎ方がある。詳しく知りたい方はぜひ、これを機に学んでみてほしい。