1. そもそもつる性植物とは?

つる植物は、フェンスや壁などに絡まったり張り付いたりしながら成長する植物である。一般的な植物に比べ、成長が早く強健な点が特徴だ。つる植物には大きく分けて4つの種類がある。それぞれの種類によって、育て方や向いている環境などが異なるため、種類を知っておこう。
巻きつきタイプ
巻きつきタイプは茎部分が支柱のまわりに、らせん状に巻きつく特徴を持つ。つるの巻きつき方によって右巻き、左巻きと分類できる。
絡みつきタイプ
絡みつきタイプは巻きつきタイプと違い、葉や茎の先端のくるくるとした「巻きひげ」がほかの植物や建物などに絡みついて伸びる特徴がある。
寄りかかりタイプ
寄りかかりタイプの植物は、茎や枝からトゲが出ており、トゲをほかの植物や建物にひっかけながら伸びていく。
張り付きタイプ
茎や枝の各部分に小さな根(気根)が生えていて、それらが吸盤のように壁に張り付いて成長する。
2. つる植物の種類や名前

つる植物は育成の場所や目的によって、適したタイプを選ぶ必要がある。次は、目的別に適したつる植物の種類やおすすめ品種の名前を見てみよう。
グリーンカーテンを作る
グリーンカーテンは紐やネットを設置し、そこにつる植物を生息させて作る自然のカーテンである。夏はしっかりとつるを茂らせることで窓辺の日差しを防ぎ、冬場は落葉させて日差しを取り入れることもできる。グリーンカーテンを作りたい場合は巻きつきタイプまたは絡みつきタイプのつる植物がおすすめだ。好みに合わせて常緑型と落葉型を選ぼう。
・おすすめの植物
トケイソウ、テイカカズラ、アサガオ、クレマチス、ヘチマ、カラスウリなど
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フェンスやアーチに立体的に絡ませる
フェンスやアーチにつる植物を絡ませたいときは、巻きつくタイプの植物がおすすめだ。このタイプはほかの種類と比べて巻きなおしが可能で、理想の形に近付けやすい。もしも希望と別の方向に育ってしまった場合は、やわらかい紐などで誘引して軌道修正を行おう。
・おすすめの植物
ツルバラ、スイカズラ、ニュードーン、ハゴロモジャスミン、トケイソウなど
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外壁や外構に這わせる
外壁や外構につるを這わせたい場合は張り付きタイプの植物を選ぼう。張り付きタイプは気根を伸ばし自力で壁を這いあがることができる。しかし、一度付着してしまうと外壁や外構を痛めたり、根の跡が残ってしまう場合があるため注意しよう。
・おすすめの植物
アイビー、ゴールドチャイルド、ノウゼンカズラ、テイカカズラ、ナツヅタなど
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3. つる植物の上手な選び方

つる植物を育ててみたいが、どの品種を育てればいいのかわからない方もいるだろう。つる植物は用途とデザインで選ぶ方法がある。
用途で選ぶ
先ほども紹介したように、つる植物は用途に適した種類を選ぶ必要がある。張り付きタイプを壁面に這わせずアーチに使用すれば、上手く成長できず植物自体の美しさが活かされない。また、室内で育てたい場合は葉の成長サイズが小さいものや壁に付かないものなど生活に影響がでないものを選ぶ必要がある。つる植物を購入する前に、どこにどのように使いたいかをはっきりさせておくことが上手な選び方のポイントだ。
デザインで選ぶ
つる植物には常緑型や落葉型、花が多く咲くものや少ないものなどさまざまな種類がある。そのため、花の色やサイズ、量、好みの葉の形などで選ぶことも重要だ。理想のお庭にするためにも、見ていて楽しい気持ちになるデザインの植物を選ぼう。
4. つる植物の正しい育て方

最後はつる植物を育てるためのポイントを紹介する。重要なのは植え方と肥料の2点だ。
植え方のポイント
張り付きタイプの植物の場合、枝が伸びてからでは壁などに吸着しない品種もある。壁に這わせたい場合は、苗の時から壁面近くに植えるようにしよう。巻きつきタイプの場合は植える前に、最初から人による誘引が必要なものかどうかを調べておく必要がある。
肥料のポイント
つる植物の成長に適したタイミングで肥料をあげることが重要だ。花色が落ちた、花数が減った、葉に元気がないなど、植物の元気がなくなってきたサインを見逃さないようにしよう。即効性のある液体の肥料(液肥)はストレートタイプと薄めて使うタイプがあるので購入時に確認が必要だ。
結論
今回はお庭や壁面を美しく彩るつる植物について紹介した。つる植物には適した用途や育成方法がある。気に入った植物を上手に育てるためにも、今回紹介した植物の選び方や育て方を参考にし、つる植物のガーデニングに挑戦してもらいたい。