目次
1. 使い方の前にまずはミシンの基本を学んでおこう

使い方を確認する前にミシンの基本をチェックしておこう。種類やパーツの名称など、知っておきたい知識をまとめた。
ミシンの種類
家庭用ミシン(実用縫いミシン)、職業用ミシン、刺繍ミシン、ロックミシンといった種類があるが、ご家庭で趣味程度に使用するのであればどのミシンを選んでも機能は十分だ。なお、家庭用ミシンにはさらに電動ミシン、電子ミシン、コンピューターミシンといった種類がある。
初心者は電子ミシンやコンピューターミシンがおすすめ
電動ミシンは昔からあるシンプルなミシンだが、糸調子を手で行う必要があるなど、初心者の方には使い方が難しいかもしれない。糸調子や縫い目の調節などをボタンひとつで簡単にできて価格もリーズナブルな電子ミシンがよいだろう。
あるいは、各調節をコンピューター制御してくれるうえ、複雑な縫い方もボタンひとつでできるコンピューターミシンなら、初心者から上級者まで幅広い使い方ができる。ただし電動ミシンや電子ミシンよりも価格は高いのでコストをかけたくない方には不向きかもしれない。
あるいは、各調節をコンピューター制御してくれるうえ、複雑な縫い方もボタンひとつでできるコンピューターミシンなら、初心者から上級者まで幅広い使い方ができる。ただし電動ミシンや電子ミシンよりも価格は高いのでコストをかけたくない方には不向きかもしれない。
各パーツの名称と役割も覚えておこう
・糸調子ダイヤル:引き合う上糸と下糸の力(糸調子)を調整する
・糸たて棒:上糸用の糸こまをセットする
・はずみ車(プーリー):針を上げたり下げたりする
・天びん:上糸を引き上げる
・押さえ:布を押さえて安定させる役割があり、押さえレバーで上げ下げできる
・針板:真っ直ぐに縫うための目盛りがついている
・針板ふた:ここを開けて下糸のボビンをセットする
・糸切り:糸を引っ掛けてカットする
・糸案内カバー/糸案内板:上糸をセットするときにかける
・針棒糸かけ:針の近くにあり上糸をかける
・糸たて棒:上糸用の糸こまをセットする
・はずみ車(プーリー):針を上げたり下げたりする
・天びん:上糸を引き上げる
・押さえ:布を押さえて安定させる役割があり、押さえレバーで上げ下げできる
・針板:真っ直ぐに縫うための目盛りがついている
・針板ふた:ここを開けて下糸のボビンをセットする
・糸切り:糸を引っ掛けてカットする
・糸案内カバー/糸案内板:上糸をセットするときにかける
・針棒糸かけ:針の近くにあり上糸をかける
2. ミシンを使うのに必要なもの

ミシンを使う前にまず必要な道具を揃える必要がある。糸や針の種類や選び方と併せてまとめた。
用意するもの
基本的にはミシン本体のほか、ミシン糸、ボビン、ミシン針がそろっていれば縫い始められる。ボビンと針がセットになっているミシンなら、糸を用意するだけでOKだ。いろいろなサイズがセットになったミシン針を用意すれば、布地に合わせて使い分けられる。
糸と針の種類や選び方について
生地の厚みなどによって適した針や糸の太さが変わってくるので覚えておこう。針のサイズは番号が大きくなると太くなり、逆にミシン糸は番号が大きくなるほど細くなる。合わない針や糸を無理に使ってしまうと、故障などのトラブルを招きかねないため気をつけよう。
一般的な生地の場合は針が11~14番、生地は50~60番くらいを参考にしてほしい。薄い生地なら、糸はポリエステル90番で針は9〜11番、デニム生地なら糸は綿糸40〜50番で針は14〜16番といった具合だ。生地の色が濃いなら少し濃い色、生地の色が薄いなら少し薄い色というように、糸の色にも注目してほしい。
一般的な生地の場合は針が11~14番、生地は50~60番くらいを参考にしてほしい。薄い生地なら、糸はポリエステル90番で針は9〜11番、デニム生地なら糸は綿糸40〜50番で針は14〜16番といった具合だ。生地の色が濃いなら少し濃い色、生地の色が薄いなら少し薄い色というように、糸の色にも注目してほしい。
3. ミシンを使うための準備

ミシンを使う前に準備を整えておこう。この工程をしっかり終わらせておけば、あとの使い方は簡単だ。
下準備の流れ
1.電源コードがコンセントから抜けていることを確認する
2.生地の厚みに合った針をセットする
3.上糸をかける
4.下糸をセットし15cmほど出しておく
5.糸調子を整える
6.端切れなどで試しに縫って確認する
上糸と下糸をセットする手順はやや複雑になる。下記で基本的なセット方法を紹介しよう。
2.生地の厚みに合った針をセットする
3.上糸をかける
4.下糸をセットし15cmほど出しておく
5.糸調子を整える
6.端切れなどで試しに縫って確認する
上糸と下糸をセットする手順はやや複雑になる。下記で基本的なセット方法を紹介しよう。
下糸をセットする方法
1.針板ふたを外す
2.糸が左巻き(反時計回り)になるようにボビンをセットする
3.ボビンの糸を爪に引っ掛けたらミゾにそって軽く引っ張る
4.ボビンを押さえながらミゾにそって糸を通して手前に引く
5.糸を引き出したあと針板ふたを閉める
ボビンの向きを間違えないように注意しよう。正しくセットできていれば、引っ張ったときに糸が重く感じる。
2.糸が左巻き(反時計回り)になるようにボビンをセットする
3.ボビンの糸を爪に引っ掛けたらミゾにそって軽く引っ張る
4.ボビンを押さえながらミゾにそって糸を通して手前に引く
5.糸を引き出したあと針板ふたを閉める
ボビンの向きを間違えないように注意しよう。正しくセットできていれば、引っ張ったときに糸が重く感じる。
上糸をセットする方法
1.押さえレバーで押さえをあげる
2.電源を入れたらはずみ車で針をあげる
3.糸たて棒を起こして糸こま押えを抜く
4.上糸用の糸こまを糸たて棒に差し込む
5.糸こま押えを差し込んだら元の状態に戻す
6.糸こまから糸を引き出して上糸案内のツメにかける
7.奥から手前に向かって糸案内カバーにかける
8.ミゾや天びんにそって糸をかける
9.針棒糸かけに糸を通したあと針穴に糸を通す
針穴に糸を通すときは、糸ガイドのミゾに糸をかけて手前から糸案内皿の隙間に通す。下から上に回すよう糸切りに引っ掛けて切り、押さえレバーを下げてゆっくり戻せば針が通る。糸の端を押えの間に通して、後ろ側に引き出せば糸通しは完了だ。
2.電源を入れたらはずみ車で針をあげる
3.糸たて棒を起こして糸こま押えを抜く
4.上糸用の糸こまを糸たて棒に差し込む
5.糸こま押えを差し込んだら元の状態に戻す
6.糸こまから糸を引き出して上糸案内のツメにかける
7.奥から手前に向かって糸案内カバーにかける
8.ミゾや天びんにそって糸をかける
9.針棒糸かけに糸を通したあと針穴に糸を通す
針穴に糸を通すときは、糸ガイドのミゾに糸をかけて手前から糸案内皿の隙間に通す。下から上に回すよう糸切りに引っ掛けて切り、押さえレバーを下げてゆっくり戻せば針が通る。糸の端を押えの間に通して、後ろ側に引き出せば糸通しは完了だ。
取扱説明書を見ながらひとつずつやればできる
上糸や下糸の取り付け方はメーカーや機種で異なるため、取扱説明書を見ながら行おう。最初は複雑そうに思えるかもしれないが、番号通りに上糸をかけていけば簡単にできるものもある。
下糸は、ボビンケースではなく水平釜を使用する機種も増えている。糸調子とは上糸と下糸が引っ張り合う力のことだが、自動で調節してくれるものならとくに操作は不要だ。試し縫いをして問題なければいざ実践へと移ろう。
下糸は、ボビンケースではなく水平釜を使用する機種も増えている。糸調子とは上糸と下糸が引っ張り合う力のことだが、自動で調節してくれるものならとくに操作は不要だ。試し縫いをして問題なければいざ実践へと移ろう。
4. 初心者にも分かるミシンの使い方と上手に縫うポイント

それではミシンの使い方を解説しよう。上手に縫うポイントと併せて紹介するので、ぜひ試してみてほしい。
直線縫い・直角縫いのやり方
1.生地を「押さえ」の下に入れ「はずみ車」を手前に回す
2.縫いはじめの位置から1cmほど手前に針を刺し、押さえをおろす
3.縫いはじめの位置まで「返し縫い」で戻る
4.自分から見て手前と奥の布端をそれぞれ片手で持ち、たるまないようにする
5.一定の速度でゆっくり縫っていく
6.角にきたら針を刺したままの状態で押さえを上げる
7.同じく針を刺したまま、生地の向きを縫い進む方向へ変える
8.押さえを下ろして縫い始める
9.縫い終わりまで行ったら1cmほど返し縫いをする
縫い方は豊富にあるが、ここではひとまず直線と直角に縫うときの使い方を説明した。「6」から「8」は直角縫いの手順だ。それ以外の使い方については取扱説明書などをチェックしてほしい。慣れるまではとにかく一定の速度でゆっくり、焦らず縫っていこう。最初は、縫う箇所にまち針を打っておくと分かりやすいだろう。
2.縫いはじめの位置から1cmほど手前に針を刺し、押さえをおろす
3.縫いはじめの位置まで「返し縫い」で戻る
4.自分から見て手前と奥の布端をそれぞれ片手で持ち、たるまないようにする
5.一定の速度でゆっくり縫っていく
6.角にきたら針を刺したままの状態で押さえを上げる
7.同じく針を刺したまま、生地の向きを縫い進む方向へ変える
8.押さえを下ろして縫い始める
9.縫い終わりまで行ったら1cmほど返し縫いをする
縫い方は豊富にあるが、ここではひとまず直線と直角に縫うときの使い方を説明した。「6」から「8」は直角縫いの手順だ。それ以外の使い方については取扱説明書などをチェックしてほしい。慣れるまではとにかく一定の速度でゆっくり、焦らず縫っていこう。最初は、縫う箇所にまち針を打っておくと分かりやすいだろう。
直線を上手に縫うコツ
キレイな直線にするためには「ミシンに正対して座る」「布端(きれはし)の位置に気をつける」ことがポイントだ。ミシンに対して斜めに座っていると縫い目がずれやすいので気をつけよう。また、針にばかり意識が行ってしまうのもずれや歪みを招きやすい。布端の位置がずれないかどうかを強く意識するとキレイな直線になるだろう。
生地の厚みで縫い分けるのもポイント
薄い生地を縫うときは縫い目を荒く、厚い生地を縫うときは細かくするのも上手に縫うためのコツになる。逆になってしまうと生地が縮んだり伸びたりするおそれがあるので気をつけよう。念のため、ミシンを購入する際に縫い目の長さを調節できるかどうか確認しておくと安心だ。
ジグザグ縫いやボタンホールもワンタッチで簡単にできる
機種によるが、「ジグザク縫い」や「ボタンホール」をワンタッチでできるミシンは多い。ジグザグ縫いは裁断した布がほつれにくい縫い方で、本縫いの前に布端を処理するときに適している。ボタンホールはボタンを通す穴を縫う機能だ。ボタンホール用のアダプターを使えば、簡単にボタンホール用のステッチが縫える。
自動糸切り機能があれば面倒な糸切りも苦にならない
縫い終わりに上糸と下糸をカットする糸切りは、意外と面倒な作業だ。ハサミを用意する必要があり、キレイにカットできないこともある。自動糸切り機能があるミシンならワンタッチで糸切りでき、生地をサッと取り出せるのでおすすめだ。
返し縫いはやっぱり必要?
返し縫いとは、縫い始めや縫い終わりに引き返し重ねて縫うことだ。端の縫い目に返し縫いをすることで、ほつれを防止できる。縫い始めと縫い終わりが表面に出るなら返し縫いは必要だ。端から1~2回ほど往復して重ねて縫っておこう。ワンタッチの返し縫い機能があるミシンもあるので、ぜひ活用してほしい。
刺繍(模様)を入れたいときは?
初心者が手縫いで刺繍をするのは難しいだろう。しかし、刺繍や文字縫いが手軽にできるミシンなら、簡単に模様や文字が入れられる。刺繍データを取り込める機種を選べば、より幅広いデザインが楽しめるだろう。
5. ミシンの使い方に困ったときの対処方法

初心者だとミシンの使い方に迷うことも多い。対処方法を知っておけば、わからないことがあってもすぐに解決できるだろう。
メーカーのFAQが便利
ブラザーやシンガー、ジャノメなど各ミシンブランドのホームページに掲載されているFAQをチェックしてみよう。使い方はもちろん、ミシンの基礎知識やセッティング、縫い方やトラブルシューティングなど、ユーザーが困りそうな質問と答えが並んでいる。使い方に困ったときだけでなく、ふとした疑問が湧いたときも役に立ちそうだ。
教則本や動画サイトを活用するのもおすすめ
使い方を丁寧に解説している教則本があるほか、YouTubeといった動画サイトに使い方や縫い方などの動画もアップされている。とくに動画なら実際に映像を見ながら進めていけるので、分かりやすいのではないだろうか。
6. 初心者がミシンを選ぶときに見ておきたいポイント

初心者の方がミシンを選ぶにあたって、チェックしておきたいポイントをまとめた。選び方に迷ったときは参考にしてほしい。
自動糸通し機能
上記で紹介した通り、下糸と上糸をセットにはいろいろな手順が必要になる。初心者には少し難しく、時間がかかるケースが多い。自動糸通し機能があれば、面倒な糸通しが簡単な操作で完了するのでおすすめだ。
自動糸調子機能
上糸と下糸の引っ張り合う強さ(糸調子)の調整は、初心者の方には少し難しい。縫い目をキレイに仕上げたいなら、自動糸調子機能があると便利だ。生地の種類に自動で合わせるので、厚かったり薄かったりしてもキレイに縫うことができる。
自動針停止位置機能
ミシンを停止したときに針が停止する位置を設定する機能だ。布をターンさせるなら下で停止させて、取り出すなら上で停止、といった使い方ができる。手動で針の位置を調整する必要がないため、スムーズに作業できるだろう。
縫い目調整や刺繍、ステッチ調整などの機能もチェック
縫い目の長さが調整できれば、さまざまなタイプの生地に対応できる。刺繍機能を使いたいなら、デザインが豊富な機種がおすすめだ。ジグザクやボタンホール、まつり縫いなど、選べるステッチの数と種類も合わせて確認しておきたい。
ミシン本体のサイズも確認しておこう
ミシンのサイズは「フル」「レギュラー」「コンパクト」の3種類だ。フルサイズは45cm前後、レギュラーサイズは40cm前後で、大きなものを縫うのに適している。ただし収納や作業スペースの確保が必要だ。
一方のコンパクトサイズは38cm以下の小さなミシンで、収納スペースや使用場所に困らない。小物作りがメインの方におすすめだ。サイズを比較して、使用する場所や用途に適したミシンを選んでほしい。
一方のコンパクトサイズは38cm以下の小さなミシンで、収納スペースや使用場所に困らない。小物作りがメインの方におすすめだ。サイズを比較して、使用する場所や用途に適したミシンを選んでほしい。
7. 使い方も簡単!初心者におすすめのミシン3選

初心者なら電子ミシンやコンピューターミシンが使いやすい。おすすめを3つ厳選したので、特徴をチェックしておこう。
シンガー「電子ミシン モニカピクシーDX5760R」
自動糸調子や自動針穴通しなど、初心者にうれしい基本的な機能が揃っている。15種類のステッチでさまざまな縫い方ができ、操作もシンプルでわかりやすい。
ジャノメ「コンピューターミシン パルシェル NP3000」
ボタン一つでさまざまなステッチを縫えるので、作業効率アップにおすすめだ。準備が簡単になる下糸クイックやネームが入れられる文字縫いなど、充実した機能が特徴。さらに押さえ圧を6段階に調節でき、生地の厚さに合わせられる。
ブラザー「コンピューターミシン PS203」
軽量タイプのミシンなので持ち運びがしやすい。液晶ディスプレイを搭載しており、基本的な操作がとても簡単だ。3ステップ糸通しや針停止位置切替、ゆっくりスタートなど、初心者にうれしい機能が搭載されている。
8. ミシンの使い方は意外と簡単!初心者はとにかく「慣れ」が重要

ミシンの使い方は慣れてしまえば意外と簡単だ。初心者だと準備や操作に手間取ることもあるが、覚えてしまえばすぐ使いこなせるようになる。まずは基本な使い方をマスターするところから始めよう。
ミシンの使い方で面倒なのは糸のセットや糸通しなどの準備だ。手間を省きたいのであれば、準備を楽にする機能が備わった電子ミシンやコンピューターミシンを選ぼう。機能はミシンによって違うので十分に比較してほしい。
ミシンの使い方で面倒なのは糸のセットや糸通しなどの準備だ。手間を省きたいのであれば、準備を楽にする機能が備わった電子ミシンやコンピューターミシンを選ぼう。機能はミシンによって違うので十分に比較してほしい。
結論
ミシンの使い方をマスターすれば、初心者でも簡単な裁縫ができるようになる。基本の使い方を覚えて、わからないポイントはメーカーのFAQや動画サイトで確認してほしい。また、効率よく作業したいなら、ミシンの選び方にも注目しよう。自分に必要な機能を決めておくことが重要だ。おすすめのミシンも紹介したので、選ぶときの参考にしてほしい。