1. 防犯カメラの保存期間はどれくらいが一般的?

防犯カメラで撮影した映像は、念には念を入れて一生残しておきたいと思うかもしれない。たしかに安心感はあるが、データが溜まる一方のため物理的に難しい。それに、遡って映像をチェックする労力は並大抵のものではない。では、一般的に防犯カメラの映像の保存期間はどれくらいが妥当なのだろうか?
一般家庭における保存期間は1〜2週間が目安
あくまで一般的な例だが、ご家庭の防犯カメラで撮影した映像の保存期間は1〜2週間ほどが目安になる。旅行や帰省などで長期間留守にすることもあるため、1カ月など長くなることもあるだろう。ちなみに、コンビニなどは少なくとも1週間から1カ月程度、金融機関などは最低1カ月から長くて1年程度ともいわれている。用途によって適切な保存期間が異なることに加えて、防犯カメラの性能など要素によっても保存期間が変わってくる。
2. 防犯カメラの保存期間に影響を与える要素とは

防犯カメラのどういった性能が、保存期間に影響を与える要素となるのかを見ていこう。
記録媒体の容量
ハードディスクなど記録媒体の容量は、保存期間に大きく影響する。たとえば2TBなら約1週間、8TBなら約3週間といった具合だ。容量が大きいほど保存期間は長くなると考えてよいだろう。
防犯カメラの台数
1台の記録装置に対して複数台の防犯カメラを設置している場合、当然だが記録装置の容量は分割される。その分、1台あたりの保存期間が短くなることが考えられる。上の例でいえば、8TBの容量に対し防犯カメラが1台なら約3週間だが、2台なら単純計算で約1.5週間となる。
画質
防犯カメラの画質は画素数や解像度によって変わる。より鮮明な映像を残したいときは、画素数を増やして解像度を上げればOKだ。だが、その分サイズが大きくなるため記録媒体の容量が圧迫され、保存期間が短くなる。
コマ数
コマ数とは、防犯カメラが1秒間に静止画を何コマ撮影できるかを意味するもので、フレームレート(fps)という数値で表される。フレームレートが大きいほうが滑らかな映像になるが、その分データが増えるため記録媒体の容量が圧迫され、保存期間が短くなる。ちなみに、コンビニなどでよく見かけるカクカクした映像は5fps程度だ。
防犯カメラで撮影した映像の保存期間は、こうした要素によって変わってくると覚えておこう。
防犯カメラで撮影した映像の保存期間は、こうした要素によって変わってくると覚えておこう。
3. 防犯カメラの保存期間を延ばすには

防犯カメラの映像の保存期間を延ばしたいと思ったとき、どういった方法があるのだろうか。最後にお伝えするので、保存期間の短さに困っている方はぜひ、参考にしてほしい。
記録媒体の容量を増やす
保存期間を延ばすには、ハードディスクを増設するなどして記録媒体の容量を増やす方法がある。メーカーや機種によって増設できるかどうかや上限などが変わるため、まずはお使いの防犯カメラや記録装置のメーカーに確認するとよい。増設できないときなどは、記録装置の買い替えを検討しよう。
防犯カメラの設定を見直す
画素数を減らして解像度を下げ、フレームレートを小さくすればその分容量が減るので、録画時間や保存期間を延ばせる。ただし画質が低下するという欠点もある。あまりに画質が悪ければ、防犯カメラとしての役割を十分果たせないおそれもあるので覚えておこう。
記録装置の性能をチェックする
デジタル圧縮方式の記録装置であれば、データを効率よく圧縮できる。記録媒体の容量を圧迫することに変わりはないが、そのペースが緩やかになり保存期間を延ばせる可能性がある。また、人通りが少ない場所ならモーションセンサーを活用する方法もおすすめだ。モーションセンサーとは、人物の動きなどに反応したときだけ記録を残す機能である。動きがないときの映像は記録しないという欠点もあるが、撮りっぱなしよりは容量を圧迫しないため、保存期間を延ばすことにつながるだろう。
結論
防犯カメラの保存期間が短いと感じるときは、最初に設定を見直してみよう。画素数や解像度、フレームレートを下げても保存期間が短いと感じるのであれば、記録媒体の容量を増やすか、防犯カメラまたは記録装置の買い替えなどを検討しよう。