1. 理想的な枕の高さ

人の背中には、「脊柱(せきちゅう)」と呼ばれる体の支柱となる骨格がある。脊柱は、横から見るとS字のカーブを描いているのが特徴だ。寝たときに体への負担を最小限にするには、この脊柱がS字を描いたままの自然な姿勢が理想とされる。
枕を使わずに横になると、首とベッドの間に隙間ができる。枕の役割はその隙間を埋め、首を支えることだ。そのため枕の理想の高さは、首の下を十分に埋めてくれる高さといえるだろう。
また、横を向いて寝る方にとっては、寝ているときに首と背筋がまっすぐになるくらいの高さが合っている。
枕を使わずに横になると、首とベッドの間に隙間ができる。枕の役割はその隙間を埋め、首を支えることだ。そのため枕の理想の高さは、首の下を十分に埋めてくれる高さといえるだろう。
また、横を向いて寝る方にとっては、寝ているときに首と背筋がまっすぐになるくらいの高さが合っている。
2. 枕の高さが合わないと生じる弊害

高すぎる枕や低すぎる枕は、体に不調をもたらす場合もある。「起きたときに肩や首が痛い」「いびきがうるさいといわれる」という経験のある方は、もしかしたら枕の高さが合っていないのかもしれない。
高さが合わない枕を使っているとどんなデメリットがあるのか、以下で見ていこう。
高さが合わない枕を使っているとどんなデメリットがあるのか、以下で見ていこう。
肩こりや首こり
枕の高さが合わないと、就寝中に肩と首の筋肉が常に緊張した状態になるため、肩こりや首こりが起こりやすい。これは枕が高すぎる場合にも低すぎる場合にも起こりうる。
頭痛
枕が高すぎたり低すぎたりして首が圧迫されると、血流が悪くなり頭痛を引き起こす場合もある。
腰痛
枕が高い場合、腰まわりに負担がかかり、腰とベッドが触れる部分に摩擦が生じる。そうすると寝返りを打ちにくくなり、腰が痛くなる場合も。
いびき
枕が高いと下を向くような姿勢になるため気道が圧迫されやすく、いびきをかく原因にもなる。
3. 理想的な枕の高さを測る方法

それでは、枕の高さはどれくらいがベストなのだろうか。理想的な枕の高さを知るためには、次のポイントを参考にするといい。
目安は「首のカーブの深さ」+2cm
体への負担が最小限になる寝方は、脊柱が自然なS字カーブを描いた姿勢だ。首の下の隙間を埋めるためにも、枕の高さは「首のカーブの深さ」+2cmを目安に考えるといい。
首のカーブの深さを測るには、壁に背中をつけて楽な姿勢で立ち、首のカーブがもっとも深い場所と壁との距離を計測しよう。平均的な数値は男性が約5~6cm、女性が約3~4cmだ。
首のカーブの深さを測るには、壁に背中をつけて楽な姿勢で立ち、首のカーブがもっとも深い場所と壁との距離を計測しよう。平均的な数値は男性が約5~6cm、女性が約3~4cmだ。
寝た状態での目線を参考にするのもOK
正しい高さの枕を使っていると、真上よりもほんの少し体側に目線がいく。寝たときに目線が真上より頭側にくる場合や、目線が極端に体のほうに向かっている場合は、枕の高さが合っていないのだといえる。
横向きで寝る場合は?
普段から横を向いて寝る方は、首と背筋がまっすぐになる高さが理想だ。自分の肩幅に合わせ、首の骨が背中に向かってまっすぐになる高さの枕を選ぼう。
4. 理想的な枕の高さの選び方

理想的な高さの枕を選ぶには、上で挙げたポイントのほかに性別や体格などの要素も加味するといい。
性別によって選ぶ
一般的に、男性は高さのある枕を好む傾向があるようだ。一方で女性は、低めの枕のほうが快適と感じやすいという。これは首のカーブに深さがある男性が多く、反対に女性ではカーブが浅い方が多いためだ。
体格によって選ぶ
日常的に運動をする方や体格がしっかりしている方には、高めの枕が合いやすい。ほっそりした体格の方や女性、子どもには低めの枕がおすすめだ。
寝るときの姿勢によって選ぶ
自分がどの姿勢で寝ているかによって、枕の選び方も変わってくる。上でも説明したように、上向きで寝る方は脊柱がS字を描いたままの姿勢、横向きで寝る方は首と背筋がまっすぐになる姿勢が理想だ。理想の姿勢を実現できる高さの枕を選ぶことが大切だ。
結論
枕には首の下の隙間を埋め、首を支える役割がある。枕は「頭をのせるもの」というよりも、首を支えるためのものだと捉えたほうがいいだろう。枕の高さが合わないと体の不調にもつながるため、自分に合った高さの枕を選んでほしい。