1. 時計の仕組みの前に種類をおさらい

時計の仕組みを理解するには、どういった種類の時計があるのかを知っておかなければならない。仕組みの前に、まずは時計の種類と特徴を解説する。
クロックとウォッチの違い
クロックとウォッチはいずれも時計だが、その明確な違いをご存知だろうか?ごく基本的なところになってしまうが、前者は持ち運びを前提としていない時計を指すのが一般的だ。具体的には壁掛け時計、目覚まし時計、置き時計、学校や街なかの時計などがある。一方後者は、持ち運ぶことを前提とした腕時計や懐中時計などを指す。仕組みの前に、こうした違いがあることを覚えておこう。
腕時計には「機械式」「クォーツ式」「電波式」などがある
腕時計には機械式とクォーツ式、電波式などがあり仕組みやムーブメントが異なる。ムーブメントとは時計を動かす部分のことだ。なお、機械式はさらに手巻きと自動巻きに分けられる。
2. 手巻きと自動がある機械式時計の仕組みについて

機械式の腕時計について、手巻きと自動巻きの仕組みも含めて解説する。
機械式が動く仕組みは「ゼンマイ」
機械式の腕時計が動く仕組みは、ゼンマイによるものだ。一般的な機械式の腕時計は「香箱(こうばこ)」「2〜4番車」「カンギ車」「アンクル」「テンプ」「ヒゲゼンマイ」といったパーツで構成されている。このうちテンプと呼ばれるパーツが規則正しく左右に振動し、連動するほかのパーツが狂いなく動くことで正確に時間を刻めるという仕組みになっている。
腕時計の文字盤の横にあるネジのようなものを「リューズ」と呼ぶが、そのリューズが巻かれることによってゼンマイも巻かれる。機械式の腕時計は、その巻かれたゼンマイが元に戻ろうとする力が動力源となっているのだ。
腕時計の文字盤の横にあるネジのようなものを「リューズ」と呼ぶが、そのリューズが巻かれることによってゼンマイも巻かれる。機械式の腕時計は、その巻かれたゼンマイが元に戻ろうとする力が動力源となっているのだ。
手巻きと自動巻きの違い
手巻きは、リューズを自分で回転させてゼンマイを巻き上げるタイプの腕時計をいう。一方の自動巻きは、腕を動かすと自動でゼンマイが巻き上がるタイプの腕時計だが、手巻きのように自分でリューズを巻くこともできる。
3. クォーツ式時計と電波式時計の仕組みについて

続いて、クォーツ式と電波式の腕時計の仕組みを解説する。
クォーツ式の腕時計の仕組み
クォーツ式の腕時計は、電池とステップモーターと呼ばれるパーツが動力源だ。クォーツ式の腕時計の内部には「水晶振動子」と呼ばれるU字型の水晶が内蔵されている。その水晶に電気が通ると、1秒間に数万回振り子のように振動する。水晶の振動は電子回路が感知し、回数が「1秒分」に達した時点でステップモーターが秒針を1秒分進める、という仕組みだ。
なお、機械式の腕時計が1日に数秒から10秒ほどずれが生じるのに対し、クォーツ式の腕時計は1カ月平均でも20秒ほどしかずれが生じないという。仕組みの違いは精度にも大きな影響を与えていることがわかる。
なお、機械式の腕時計が1日に数秒から10秒ほどずれが生じるのに対し、クォーツ式の腕時計は1カ月平均でも20秒ほどしかずれが生じないという。仕組みの違いは精度にも大きな影響を与えていることがわかる。
電波式の腕時計の仕組み
クォーツ式の腕時計のさらに高精度なものが、電波式の腕時計だ。送信所から発信される標準電波を内蔵アンテナが受信すると、自動で時刻やカレンダーなどを修正するという仕組みになっている。サマータイムや閏秒のずれも修正できるなど、上述したどの腕時計よりも正確性という点において優れている。時刻を合わせる必要がないのはもちろん、より正確な時間を知る必要がある方にはとくに、最適な腕時計といえるだろう。
4. ソーラー式時計の仕組みも簡単に知っておこう

最後に、ソーラー式の腕時計の仕組みについても解説する。
ソーラー式の腕時計とは
光のエネルギー(太陽光や蛍光灯の光など)を電気エネルギーに変換し、それを動力源として動くのがソーラー式の腕時計だ。夜間や光のない場所でも動くよう、蓄電のための二次電池が組み込まれている。
ソーラー式時計の仕組み
ダイヤル面(文字盤)に光が当たると、その一部が太陽電池ユニットによって電気エネルギーに変わる。これを光起電力効果(ひかりきでんりょくこうか)あるいは光電効果(こうでんこうか)などという。その効果により発生した電力が時計を動かすという仕組みだ。
電池不要で環境にも優しい時計だが、暗い場所で長時間使うときなどはエネルギーが切れてしまう可能性がある。外したあとなども、太陽光が当たる場所に置いて充電するといった工夫が必要になる。
電池不要で環境にも優しい時計だが、暗い場所で長時間使うときなどはエネルギーが切れてしまう可能性がある。外したあとなども、太陽光が当たる場所に置いて充電するといった工夫が必要になる。
結論
腕時計には機械式やクォーツ式、電波式やソーラー式などの種類があり、それぞれ仕組みが異なる。お使いの腕時計はどの種類だろうか?とくに意識していなかった方は、この機会にぜひご自身の腕時計の仕組みを調べてみよう。仕組みを知っていれば、腕時計選びも楽しくなりそうだ。