- 1. 停電していてもトイレは使える?
- 2. 停電時にトイレの水を流す方法
- 3. 停電時にトイレの水を流す際の注意点
- 4. 蓄電池や太陽光発電なら停電時でもトイレが使える
- 5. 停電や断水になっても使える「簡易トイレ」を備えておこう
- 6. 停電中でもトイレは使える!慌てないことが肝心
- トイレの周りにビニールシートや新聞紙などを敷く
- バケツ1杯分の水(5〜8L程度)を用意し、一気に流し込む
- バケツ半分ほどの水(3〜4L程度)を、今度はゆっくり注ぎ入れる
- 2〜3回使用するごとに、多めの水(10〜12L程度)を流して汚物の停滞を防ぐ
- 便器に取り付けるタイプ
- 組み立てるタイプ
1. 停電していてもトイレは使える?
停電していてもトイレが使えるのかどうかは、タイプによって変わる。一般的なタンク式トイレと、タンクレストイレおよびパネル式トイレに分けて解説していこう。
一般的な「タンク式トイレ(水洗トイレ)」は断水していなければ使える
ごく一般的な、便器のうしろに貯水タンクがあるタイプのトイレは、断水さえしていなければ停電中でも使える。タンクの水をレバーを回して流すことから、電源が不要だからだ。
「タンクレストイレ」や「パネル式トイレ」は作動しなくなる
自動洗浄できるタンクレストイレや、パネルのボタンで洗浄するトイレは、電気の力で洗浄しているため停電時は作動しなくなる。
【ただし緊急時の洗浄方法は用意されている】
もちろん、メーカーごとに停電時の洗浄方法が用意されている。詳しい例は後述するが、取扱説明書などを確認し落ち着いて対処すれば問題ないはずだ。
いずれのタイプのトイレでも「温水洗浄便座機能」は使えなくなる
温水洗浄便座も電気で便座を温めたり洗浄したりする。そのため停電時には使用できなくなると覚えておこう。
2. 停電時にトイレの水を流す方法
続いては、具体的な停電時のトイレの使い方を紹介する。ただし、ここで紹介する方法が全てのトイレに当てはまるとは限らないため、トイレの取扱説明書も必ず確認するようにしてほしい。
一般的なタンク式トイレ(水洗トイレ)はそのまま流してOK
ごく一般的なタンク式トイレは、そのままレバーを回して水を流せばよい。
タンクレストイレやパネル式トイレは「手動レバー」を使う
タンクレストイレやパネル式トイレは、停電などの非常時に備えて手動レバーがついている機種が多い。便器の側面などに取り外せるパネルやボックスがあり、そこに非常用手動レバーが隠されていることもある。平時から取扱説明書を確認しておくとよいだろう。
【TOTOやパナソニックなどメーカーのHPをチェックしておこう】
タンクレストイレやレバーが付いていないトイレなどをお使いのご家庭は、この機に一度取扱説明書やメーカーのホームページを確認しておこう。停電中の使い方について必ず記載があるはずだ。トイレに取扱説明書を保管しておいたり、家族間で共有したりしておくことも忘れないようにしよう。
バケツの水を便器に注ぐ方法もある
手動レバーで水を流す以外に、バケツの水を便器に直接注いで洗浄する方法もある。停電時に手動洗浄機能がうまく作動しないこともあるため、こちらも知っておこう。
【バケツの水でトイレを洗浄する方法】
一気に流し込むのは、水の勢いで排泄物を押し流すためだ。水跳ねにだけはくれぐれも注意しよう。
3. 停電時にトイレの水を流す際の注意点
停電時、トイレに水を流す際の注意点についても把握しておくことが大切だ。
電気部品にかかるおそれがあるためタンクには水を入れない
トイレによっては、タンク周辺に電気部品がある場合も多い。停電時、普段開けることのないタンクを開けて水を入れようとすると、電気部品に水がかかるおそれがある。故障の原因にもなりかねないため、タンクに水を入れるのは控えたほうがよいだろう。
ただし停電中でも断水さえしていなければ問題なく使用できる、一般的なタンク式トイレはこの限りではない。
排水管が破損している場合などはトイレに水を流さない
地震などによる停電で、かつ排水管が破損していることが想定される場合は、トイレに水を流さないようにしよう。汚水が逆流してきたり、下階に漏れたりするおそれがあるためだ。
断水している場合は復旧後のエアーハンマーに気をつける
断水をともなう停電だった場合も注意が必要である。断水中、空っぽになった給水管の中に空気が溜まる。復旧後、一気に水圧がかかることで空気が圧縮され、各器具へ供給される際に衝撃が生じることがある。いわゆるエアーハンマーと呼ばれる現象だ。これにより器具が破損するおそれがあるため、必ず取扱説明書をチェックして「エアー抜き」をおこなおう。
タンクに水を溜める際は風呂の残り湯を使わない
断水をともなう停電で、かつ一般的なタンク式トイレの場合、タンクに水を溜めればレバーを回すだけで流れてくれる。そのためタンクに貯水することもあるだろう。それ自体は問題ないが、風呂の残り湯には髪の毛といったごみが混じっていることがある。詰まりの原因になりかねないため、できれば使わないほうがよい。
4. 蓄電池や太陽光発電なら停電時でもトイレが使える
災害時やアウトドアなどにあると便利なのが蓄電池だ。ポータブルタイプも多く発売されているため、すでにお持ちの方も多いだろう。容量にもよるが、日頃から蓄電しておけば停電時にトイレを使うときに役立つだろう。同じように太陽光発電システムを設置しているご家庭も、電気を自給自足できるため停電時でも使える。停電の長期化など最悪のケースを想定し、できる対策を講じておくことが大切だ。
5. 停電や断水になっても使える「簡易トイレ」を備えておこう
工事など原因がはっきりしており、かつ一時的な停電や断水であればよい。だが自然災害などによって長期間そうした状況が続く場合を想定しておくことも大切だ。
災害時にも役立つ簡易トイレを用意しておこう
簡易トイレとは、災害時に避難所などで使用する、あるいはアウトドアなどで使用することを目的としたトイレのことである。いつ何が起こるか分からない時代だからこそ、備えておいて損はない。
【停電や断水になっても使える簡易トイレの種類】
大きくこの2種類がある。便器の枠に取り付けられるタイプは、用を足したあとに凝固剤などを入れて固める。そのままごみとして処分できるといったものだ。組み立てるタイプは、ボックス型に枠を組み立て、中に袋を設置して用を足す。やはり汚物は凝固剤で固めて処分するのが一般的だ。
6. 停電中でもトイレは使える!慌てないことが肝心
お伝えしてきたように、一般的なタンク式トイレはもちろん、タンクレストイレやパネル式トイレであっても、何らかの方法で停電時も洗浄できるようになっている。慌てずに落ち着いて対処することが大切だ。
ただし排水管の破損や断水といった状態もともなう場合は、いくつか注意点もある。本稿を参考にしていただくと同時に、メーカーのホームページ、お使いのトイレの取扱説明書なども確認しておいてほしい。
結論
停電中、タンクレストイレやパネル式トイレに手動で水を流す場合、レバーの位置などはメーカーや機種で異なるため事前に取扱説明書で確認しておこう。長期化する停電や断水も乗り越えられるよう、蓄電池や簡易トイレを用意しておくのもおすすめだ。