目次
1. 初心者マークの意味と「貼り付け位置」が重要な理由

初心者マークは「若葉マーク」と呼ばれることもある。道路交通法では、運転免許を取得したばかりの人に対し初心者マークの掲示を義務付けている。
初心者マークの意味
初心者マークには「自分は運転の初心者である」ということをまわりに知らせて注意を促す意味がある。またほかのドライバーには、初心者マークを貼っている車に対して割り込みなどの危険な行為をしないようにとする「保護義務」がある。
貼り付け位置が重要な理由
上述のように、初心者マークには「周囲への注意喚起」と「ドライバーの身の安全を守る」という2つの意味が込められている。だがそもそも、まわりの人から見て分かりやすい位置に貼り付けていなければ意味がない。自分の身を守るためにも、正しい位置に貼り付けることが大切なのだ。
2. 初心者マークの貼り付け位置は法律で決められている

道路交通法では、運転免許を取得したばかりのドライバーに対し初心者マークの貼り付けを義務付けている。そして、その初心者マークを貼り付ける位置も同法で定められている。うっかり誤ると違反になるおそれもあるため、ここで正しい貼り付け位置について確認しておこう。
初心者マークの正しい貼り付け位置
- 車体の前後
- 地上から高さ0.4メートル以上、1.2メートル以下の見やすい位置
道路交通法では、初心者マークの正しい貼り付け位置をこのように定めている。上記2つのルールが守られており、かつほかのドライバーからも視認しやすい場所であれば、車体の左右に関係なく貼り付けることができる。
3. 初心者マークを貼り付けてはいけない位置

初心者マークの正しい貼り付け位置として「車体の前後」「地上から高さ0.4メートル以上、1.2メートル以下の見やすい位置」とお伝えした。だがたとえこの決まりに則していたとしても、貼り付けてはいけない場所がある。
フロントガラスや運転席・助手席側のサイドガラスはNG
フロントガラスや、前面(運転席・助手席側)のサイドガラスに初心者マークを貼り付けてしまうと、ドライバーの視界が妨げられるおそれがある。たとえ地上から0.4メートル以上1.2メートル以下だとしても、これらの位置に初心者マークを貼り付けるのはNGだ。
ちなみに、フロントガラスや前面のサイドガラスに貼り付けできるものは「道路運送車両法保安基準第29条第4項第6号」および「細目告示第195条第5項」の定めにより、検査標章や法定点検ステッカー、ECアンテナやドライブレコーダーといったものに限定されている。
ちなみに、フロントガラスや前面のサイドガラスに貼り付けできるものは「道路運送車両法保安基準第29条第4項第6号」および「細目告示第195条第5項」の定めにより、検査標章や法定点検ステッカー、ECアンテナやドライブレコーダーといったものに限定されている。
ヘッドライトやブレーキランプ、ウインカーなどとかぶる位置もNG
ヘッドライトやブレーキランプなどの「灯火類」に初心者マークがかぶってしまうと、後続車がブレーキランプを視認しづらくなる、対向車がウインカーを確認しにくくなるといったリスクが生じる。事故を誘発しかねないため、灯火類とかぶる位置に貼るのもNGだ。
4. 初心者マークの種類と正しい貼り方・貼る位置

初心者マークには種類がある。「吸盤タイプ」と「マグネットタイプ」、そして貼って剥がせる「リタックシールタイプ」だ。それぞれ、正しい貼り付け方について確認していこう。
吸盤タイプの初心者マークの貼り方と貼る位置
吸盤タイプの初心者マークを貼る位置は基本的に車内、それもリアガラス限定と考えておこう。車外に貼り付けた場合、走行中の風や雨で取れてしまうおそれがあることに加え、フロントガラスには初心者マークを貼り付けられないといったことがその理由だ。
マグネットタイプの初心者マークの貼り方と貼る位置
ボンネットやハッチなどに強力かつ簡単に貼り付けられるのが、マグネットタイプの初心者マークだ。吸盤タイプと比べると風雨で取れてしまうといったリスクが少ないのも特徴である。ただし定期的に位置をずらさないと、ほかの日焼けした部分との間に塗装ムラができてしまう場合がある。また車外に貼りっぱなしにしていると、盗難に遭うといったリスクも想定される。
リタックシールタイプの初心者マークの貼り方と貼る位置
ボディにアルミ素材を採用している車には、上述のマグネットタイプの初心者マークが貼り付けできないことが多い。その場合に便利なのが、貼って剥がせるリタックシールタイプの初心者マークである。貼り付け位置はマグネットタイプとほぼ同じ、かつ想定されるリスクも同じだが、アルミ素材のボディにも貼り付けられるうえ、接着力もマグネットより強力という特徴がある。
【補足】初心者マークはどこで買える?
さまざまな入手方法がある。たとえばネット通販やカー用品店、ホームセンターなどでも手に入るし、100均で買えることもある。掲示義務期間内にも関わらず、剥がれて飛んでいってしまったり、劣化して見づらくなってしまったり、貼れなくなったりすれば道路交通法違反になりかねない。万が一に備えストックを用意しておくか、すぐに買えるお店をチェックしておくなどしよう。
5. 初心者マークに関する罰則!貼り付け位置を誤るとどうなる?

初心者マークの意味や正しい位置、貼り付け方などについて分かったところで、次は初心者マークに関する罰則を確認していこう。正しい貼り付け位置ではなかった場合、どういった罰則が待っているのだろうか?
初心者マークを貼っていない場合
初心者マークの掲示義務がある者が、それを貼り付けずに運転した場合違反となり、罰金が科されるほか、違反点数が加点される。反則金4000円、違反点数1点だ。
初心者マークを誤った位置に貼った場合
同じように初心者マークも、貼り付け位置を誤ると違反となり反則金4,000円、違反点数1点が加点される。
掲示義務期間を過ぎても初心者マークを貼ったままだったときは?
掲示義務期間については後述するが、仮にその期間を過ぎているにも関わらず初心者マークを貼ったまま車を運転し続けたとしても、とくに罰則はない。ただし以下の「初心運転者等保護義務」の対象外となる。
初心者マークを貼った車の保護を怠った場合も罰則がある
初心者マークが貼ってある車に対し、幅寄せや割り込みといった危険な行為(運転)をした場合「初心運転者等保護義務違反」となる。反則金5000〜7000円(小型・中型・大型で異なる)、違反点数1点だ。
6. 初心者マークの掲示義務期間は?1年ではないケースもある?

初心者マークの掲示義務期間はなんとなく「1年」と思っている方は多いだろう。たしかに1年なのだが、落とし穴があるため正しく理解しておくことが大切だ。
初心者マークの掲示義務期間は「通算」1年
初心者マークの掲示義務期間は、免許を取得してから1年だ。ただしこの1年は免許の有効期間に限る。免許の取得から1年以内に交通事故や違反などをして免停となった場合、その期間は含まれないため、実質的に初心者マークの掲示義務期間は1年以上となる。
7. 初心者マークはほかの車やレンタカーに乗るときも必要

初心者マークは付ける位置もたしかに大切だが、それ以外にも忘れてはいけないことがある。それは「運転者」に適用される義務だということだ。自家用車はもちろん、家族や友人の車、レンタカー、会社の営業車を運転する際もその義務が生じる。旅行でレンタカーを借りる必要があるといった場合は、持参するかレンタカー会社に貸してもらえるか確認しておくと安心だ。
8. 免許を再取得した際も初心者マークが必要

どのような経緯があったにせよ、免許の取消処分を受けて再取得した際も、初めて免許を取得したときと同様に通算1年間は初心者マークの掲示義務が生じる。「初心者ではない」「貼りたくない」という気持ちも理解できるが、やはり決められたルールは遵守しなければならない。
「うっかり失効」であれば掲示義務を回避できる?
「再取得」は免許の取消処分を受けた者が再度、試験を受けるなどして免許を取得することだ。一方、免許には「失効」というものがある。失効とは、運転免許の更新手続きをおこなわず、有効期限を過ぎてしまった状態を指す。当然車を運転することはできないが、失効から「6カ月以内」に試験に合格して新しい免許証の交付を受ければ、初心者マークを貼り付けなくてもよいことになっている。取消ではなく失効であること、かつ6カ月以内であることがポイントなので覚えておこう。
結論
初心者マークを貼る位置に関しては、違反行為といった認識があまりないかもしれない。だが道路交通法で規定されているものであるため、心配な方は改めて初心者マークの位置を確認しておこう。また初心者マークは「運転者」に生じる義務である。自家用車のほかレンタカーや営業車など、用途に関係なく乗る車すべてに対して初心者マークを付けることが法律で定められている点も再認識しておこう。