1. レコードをクリーニングして寿命を延ばそう

クリーニングは、レコードを愛する者にとって欠かすことのできない大切な作業だ。クリーニングが行き届いていないレコードは音質が低下するだけでなく、寿命そのものを縮めてしまうことにもなりかねない。
音質を保つにはクリーニングが必須
レコードの盤面には音溝と呼ばれる、音の情報が刻まれた溝がある。その溝を針が通るとカートリッジへ振動が伝わり、電気信号へと変換される。アンプで増幅された電気信号はスピーカーを介してリスナーの耳に届くというのが、レコードの仕組みだ。
クリーニングをせずにいると、音溝にホコリや皮脂などが溜まってしまう。針が正しく溝に刻まれた情報を拾えなくなり、音質が低下することがある。パチパチとノイズがしたり、音飛びしたりすることもある。音質を保つためにもクリーニングは必要なのだ。
クリーニングをせずにいると、音溝にホコリや皮脂などが溜まってしまう。針が正しく溝に刻まれた情報を拾えなくなり、音質が低下することがある。パチパチとノイズがしたり、音飛びしたりすることもある。音質を保つためにもクリーニングは必要なのだ。
カビを防ぐ目的もある
レコードは塩化ビニールでできている。ホコリや皮脂汚れ、そして湿気などが溜まるとカビが生えてしまう。長期保管していたレコードを久しぶりに引っ張り出したらカビが生えていた、というのはまさに汚れたまま湿度の高い場所に保管していたことが原因だ。寿命を縮めるうえ、レコードそのものの価値も下がってしまうだろう。大切なレコードこそ、クリーニングが欠かせないのである。
2. レコードのクリーニングに必要なアイテムは?

レコードのクリーニングはいろいろな方法が紹介されているが、本稿ではその中でも自宅で手軽にできる方法を紹介する。まずは用意するアイテムから見ていこう。
1.ターンテーブルのゴム
プレーヤーのターンテーブル(レコードを回転させる装置)に敷いてあるゴムだ。クリーニングの際、レコードの下に敷くため取り外しておこう。
2.マイクロファイバークロス
スポンジではなく、マイクロファイバークロスを用意しておこう。毛が細くて柔らかいもの、できるだけ長いものがよいだろう。
3.アルカリ電解水
通販やドラッグストアなどで手に入る一般的なアルカリ電解水でよい。
4.ヘアドライヤー
ご家庭にある一般的なヘアドライヤーでOK。
5.レコードクリーナーとスタイラスクリーナー
スタイラスとは「針」のことだ。いずれも必要というものではないが、クリーニングの最後に仕上げとして盤面を磨き上げる際や、針の汚れを拭き取りたいときなどにあるとよい。
6.ブロワー
同じく必要というものではないが、ホコリを吹き飛ばすときにあると便利なのがブロワーだ。カメラ用などが使いやすいだろう。
以上が、レコードをクリーニングする際に揃えておきたいアイテムだ。すべて準備する必要はないが、少なくとも1〜4は用意しておこう。
以上が、レコードをクリーニングする際に揃えておきたいアイテムだ。すべて準備する必要はないが、少なくとも1〜4は用意しておこう。
3. レコードの簡単なクリーニング方法と注意点

アイテムが揃ったら、いよいよレコードをクリーニングしていこう。簡単な方法と注意点を解説する。
レコードのクリーニングの手順
- ターンテーブルのゴムの上にレコードを置く
- アルカリ電解水を盤面に吹き付ける
- 汚れが浮くまで数分待つ
- 音溝に沿って、マイクロファイバークロスで優しく拭き取る
- B面(裏面)も同様の手順でクリーニングする
- レコードを流し台に持っていく
- シャワー状にした水道水をレコードに当てて流す
- マイクロファイバークロスで、表面の水分を軽く吸い取る
- ヘアドライヤーで冷風を当てて、水気を飛ばす
- プレーヤーでA面B面それぞれ2回ずつ再生する
- クリーナーを使って汚れを拭き取り、ブロワーでホコリを吹き飛ばして完了
以上が、自宅で簡単にできるレコードのクリーニング手順だ。アルカリ電解水を吹き付ける際は、紙のレーベル部分はできる限り避けよう。また、流し台はあらかじめキレイにしておくとスムーズだ。
「10」で再生するのは、ドライヤーで飛ばしきれなかった水気を取り除くことと、針で溝に残っている汚れをかき出す目的がある。1回再生し終えるごとに、スタイラスクリーナーで針の汚れを拭き取っておくとよいだろう。
各種クリーナーがない方は「9」で完了し、風通しのよい場所で完全に乾かしてからケースに戻そう。
「10」で再生するのは、ドライヤーで飛ばしきれなかった水気を取り除くことと、針で溝に残っている汚れをかき出す目的がある。1回再生し終えるごとに、スタイラスクリーナーで針の汚れを拭き取っておくとよいだろう。
各種クリーナーがない方は「9」で完了し、風通しのよい場所で完全に乾かしてからケースに戻そう。
クリーニングにおける注意点
レコードは熱に弱いため、ヘアドライヤーを使う際に温風を当てると変形するおそれがある。時間はかかるかもしれないが、冷風で水気を飛ばすことをおすすめする。もしくは、通気性を保ったままレコードを固定できるのであれば、扇風機などで風を当て続けるのもよい。
またクリーニングのあと水気が残ったままケースに収納しないように気をつけよう。せっかくキレイにしたのに、水気が残っているとカビが生えてしまうおそれがある。
そのほか、マイクロファイバークロスなどでレコードを磨く際にゴシゴシこすりすぎないようにするのも、クリーニングにおける注意点だ。
またクリーニングのあと水気が残ったままケースに収納しないように気をつけよう。せっかくキレイにしたのに、水気が残っているとカビが生えてしまうおそれがある。
そのほか、マイクロファイバークロスなどでレコードを磨く際にゴシゴシこすりすぎないようにするのも、クリーニングにおける注意点だ。
4. レコードのクリーニングサービスもおすすめ

ここまで、レコードを自宅でクリーニングする方法を紹介してきた。だが中には枚数が多く大変だったり、傷つけてしまわないか心配だったり、すでにカビが発生していてキレイに落とせなかったりすることもあるだろう。そんなときは、レコードのクリーニングサービスを利用するのもおすすめだ。
レコードのクリーニングサービスとは?
主にレコード店で行っているサービスで、専用のマシンを使ってクリーニングしてくれる。さすがに傷を修復することはできないが、カビや音溝の奥深くに入り込んだホコリなどはキレイに落としてくれるだろう。
費用はお店によって異なるが、1枚あたり200〜350円くらいが目安だ。「レコード」「クリーニング」と地域名などで検索すればヒットするだろう。郵送や宅配に対応しているところもあるので、近くにない方はそうしたお店を探そう。
費用はお店によって異なるが、1枚あたり200〜350円くらいが目安だ。「レコード」「クリーニング」と地域名などで検索すればヒットするだろう。郵送や宅配に対応しているところもあるので、近くにない方はそうしたお店を探そう。
結論
レコードの音質低下を防ぎ寿命を延ばすためには、クリーニングが欠かせない。自宅でも簡単にできるが、枚数が多い方などはクリーニングサービスの利用を検討しよう。自宅で洗浄する際は、熱を与えすぎないことや完全に乾かすといった注意点を守るとともに、少しでも不安なときはクリーニングを行っているお店に相談してほしい。