1. 畳にベッドを置いてもいいの?

ベッドにすると起きるときにラク、布団の上げ下ろしをしなくてもいいなど、いろいろなメリットがある。畳の部屋しかない場合や賃貸物件だった場合、畳にベッドを置いても大丈夫なのだろうか。
畳が凹んでしまう
脚付きのベッドの場合、ベッドの重みと人の体の重みが加わって、畳が凹んでしまい元に戻らなくなってしまう。そうなれば、部屋のレイアウトを変えたときに、畳の凹みが気になることになる。
さらに賃貸物件に住んでいる場合には、契約によっては退去時に現状回復のための費用がかかってしまうかもしれない。
さらに賃貸物件に住んでいる場合には、契約によっては退去時に現状回復のための費用がかかってしまうかもしれない。
カビやダニが発生しやすい
畳にベッドを置くため凹み対策でカーペットを敷くケースも多いだろう。畳の上にカーペットを敷くことで、湿気がこもってカビやダニの発生につながる。とくに新しい畳は湿度を吸収しやすいので注意が必要だ。
移動時に畳を傷つけてしまう
部屋の模様替えや掃除などでベッドを移動させる場合もあるだろう。ひとり作業ではベッドを引きずってしまい畳を傷つけてしまう危険性がある。凹み跡と同様に賃貸物件の場合には、退去時に費用がかかってしまう可能性がある。
2. 畳にベッドを置きたい時の対処法

畳にベッドを置くときには、フローリングに置くときと違った対処をしておきたい。ベッドを置く前に施しておくことで、トラブルを避けることができる。
除湿・防ダニシートを敷く
ベッド下はとくに湿度がこもりやすくホコリもたまりやすい場所だ。畳の上にカーペットを敷く場合には、除湿・防ダニシートを挟んで敷くようにする。
また、畳の風情を残したい場合には、ベッド下だけにコルクマットを敷くことで湿気予防、ダニ予防の効果もあり、畳の凹み防止にもなる。
また、畳の風情を残したい場合には、ベッド下だけにコルクマットを敷くことで湿気予防、ダニ予防の効果もあり、畳の凹み防止にもなる。
凹み防止に座卓敷を利用する
ベッドの脚の跡が残らないように、座卓敷を利用するといいだろう。木片やコルクを敷くという方法もあるが、イ草で作られた座卓敷なら畳の雰囲気をそのまま保てる。
ベッドの移動を考えて滑り材を
畳の部屋にベッドを置くときに、移動のことを考えて脚に滑り材を貼っておく。畳を傷めずにひとりでもベッドの移動が可能になる。100均でも購入できるので、あらかじめ対策をしておこう。
3. 畳の部屋に合うベッドの上手な選び方

最近では旅館などでベッドを導入するところも増えてきた。畳の部屋に合うベッドを選ぶポイントを紹介しよう。
背の低いベッドを選ぶ
畳にベッドを置いて違和感がないのは、高さが低めのロータイプベッドだ。それとヘッドボートはない方がいい。目線が低くなり、狭い部屋でも圧迫感がない。和室の雰囲気を最大限に生かしながらコーディネートが楽しめる。
畳の上に直接ベッドマットレスを敷くことも可能だが、通気性が問題になる。スノコを下に敷くなど空気の通り道を確保しよう。
畳の上に直接ベッドマットレスを敷くことも可能だが、通気性が問題になる。スノコを下に敷くなど空気の通り道を確保しよう。
和室に合うベッドフレーム素材を選ぶ
畳の部屋にレザーや金属系の素材を使ったベッドは似合わない。木製フレームの方が畳と調和がとれる。ベッドは大きな家具で存在感があるため、ベッドひとつで部屋の雰囲気が決まってしまう。まず畳の部屋にマッチした素材やデザインのベッドを選び、部屋のテイストが決まってから小物をそろえていくほうが失敗が少ない。
4. 畳の上にベッドを置く時のおすすめレイアウト

畳にベッドを置く場合、あえて和テイストを生かしたレイアウトにするとベッドもなじんで調和がとれた部屋作りができる。
長押(なげし)を利用したレイアウト
長押は、もともとは柱を固定する役割があったが、今では和室の壁面をぐるりと囲む装飾となっている。鴨居を利用して、和テイストのタペストリーを飾ったり、写真などを飾ることもできる。
鴨居とベッドの色合いを合わせると、畳の部屋に統一感が出てオシャレな空間を演出することができる。
鴨居とベッドの色合いを合わせると、畳の部屋に統一感が出てオシャレな空間を演出することができる。
和テイストを前面に出したレイアウト
あえてベッドを窓際、あるいは壁際に寄せて、畳部分を多く見せるレイアウト。残りのスペースに和テイストの文机や小物入れをレイアウトすることで、ベッドを含めて全体がまとまってみえる。
結論
畳の部屋にベッドを置くことは、今や珍しいことではない。ただし、もともと畳はベッドを置くのに適しているとはいえない。ベッドを置く前に対策をしておかないとカビやダニに悩まされたり、畳の凹みが残ったりする。畳に合うベッド選びも大切だ。圧迫感の少ないローベッドがおすすめだ。ベッドがあっても、ホッとできる和テイストの部屋を目指そう。