目次
- 1. 台風がもたらす影響とは?どんな二次災害が想定される?
- 2. 台風によってもたらされた二次災害と影響の例
- 3. 台風による影響が甚大になる理由
- 4. 台風の影響を予想するには?
- 5. 台風発生時は想定外の影響が出る!早めの準備を心がけよう
- 洪水
- 高潮・高波
- 河川の氾濫
- 土砂崩れ など
- ※1:No.1お天気アプリ ウェザーニュース
https://weathernews.jp/s/topics/201608/210085/ - ※2:ハザードマップポータルサイト|国土交通省 国土地理院
https://disaportal.gsi.go.jp/
1. 台風がもたらす影響とは?どんな二次災害が想定される?

台風は各地にさまざまな被害をもたらす。大雨や強風により、どういった影響が懸念されるのかを見てみよう。
台風によって想定される二次災害の例
台風が日本列島に接近・上陸すると、それにともなう大雨や暴風によって洪水や高潮・高波などが起こることも多い。またそれらによって川の氾濫や、土砂崩れなどの災害が発生することもある。
人的被害のほかライフラインに影響が出ることも
台風がもたらす影響は大きく、飛来物や家屋の倒壊、洪水などによる死者やケガ人といった人的被害も懸念される。加えて電線の切断による停電、あるいは断水などライフラインに関わる被害につながるおそれもある。
航空機をはじめとする公共交通機関にも影響を及ぼす
さらに台風は、飛行機や新幹線などの公共交通機関にも影響を及ぼす。とくに飛行機は横風に弱い構造をしていることもあり、台風の影響を受けやすい。台風が来ると欠航・遅延になることもしばしばだ。新幹線や鉄道でも、大雨の影響で線路が陥没するリスクなども想定され、雨量や風速によっては運行が規制されることがある。
2. 台風によってもたらされた二次災害と影響の例

過去、台風によってどのような影響がもたらされたのだろうか?過去10年の台風を例に、どのような被害・影響が出たのか見ていこう。
2019年(令和元年)の台風15号による主な被害と影響
2019年に日本に上陸した台風15号は、千葉県をはじめとする関東地方に大きな被害を与えた。とくに暴風の影響が大きく、複数の地点で観測史上1位の最大風速を観測した。暴風で樹木が倒壊して最大約93万戸で停電が起こり、ピーク時に比べて99%が復旧するまでに11日以上かかった。
2018年(平成30年)の台風21号による主な被害と影響
2018年の台風21号では関西地方を中心に暴風や大雨・高潮が見られた。最大約240万戸での大規模な停電のほか、関西国際空港では滑走路への浸水など大きな影響を受けた。
2017年(平成29年)の台風3号による主な被害と影響
2017年に発生した台風3号では、九州などで記録的な大雨が発生した。それにより川の氾濫や浸水被害、土砂災害などが起こり40人近くの死者を出した。
2011年(平成23年)の台風15号による主な被害と影響
2011年の台風15号では、台風が上陸後も強い勢力を維持しながら進んだため、非常に広い範囲で大雨や暴風が見られた。とくに四国地方では、総降水量が平年9月の降水量の約2倍を記録した。
3. 台風による影響が甚大になる理由

上で紹介したように台風は甚大な被害をもたらしやすい。台風による影響がなぜ大きくなりやすいのかを考えてみよう。
短時間に降る多量の雨
台風にともなう雨は広範囲に及び、かつ数時間から数日という短い期間で多量に降る。このため排水が間に合わず、川の氾濫や堤防が決壊して洪水や浸水などの発生率が高まる。また多量の雨によって山や谷などの地盤がゆるめば土砂災害も起こる。
暴風
もうひとつは猛烈な風だ。強風の影響で電線が切断されれば停電になるし、マンションなどで停電でポンプが動かなくなれば断水が起こる。このような雨と風によってもたらされる「二次災害」の多さこそが、台風の影響が大きくなりやすい理由だ。
4. 台風の影響を予想するには?

台風が接近・上陸する際にどれくらいの影響があるか予想するには、気象庁のホームページをはじめ、インターネットやテレビ、ラジオなどの媒体から気象情報を確認するといい。発令されている特別警報や警報、注意報を知り、それに応じた警戒レベルととるべき行動についてもチェックしておきたい。
台風情報がわかるアプリは最大限活用すべし
民間の気象情報会社「ウェザーニューズ」が提供するスマートフォンアプリ(※1)では、台風にともなう大雨や暴風の影響で起こる被害のリスクを一覧で確認できたり、停電するおそれのあるエリアをマップ上で見られたり、といった機能を提供している。
テレビなどのメディア情報も重要
スマートフォンやパソコンを使って情報収集することが難しい世帯も多い。リアルタイムで情報発信してくれるテレビやラジオといったメディアも災害時には大変有用だ。停電などの影響が出てしまうと難しいが、進路予想や想定される被害などの情報は入手できる。
ハザードマップも確認しておこう
台風の影響が及びそうなエリアではハザードマップの確認も重要だ。ハザードマップには避難場所や避難経路、被災が想定される区域などの情報が載っているほか、土砂災害や水害が起きやすい場所も記されている。お住まいの地域のハザードマップを確認し、台風の影響を受けやすい危険な場所を知っておこう。なおハザードマップは自治体のホームページのほか、国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」(※2)から探すこともできる。
5. 台風発生時は想定外の影響が出る!早めの準備を心がけよう

台風がもたらす二次災害や各所への影響などについて解説してきたが、現実問題として自然が相手である以上、正確に予測することは難しい。「大丈夫だろう」「もう少し様子を見よう」「ほかの人が避難していないから」など、何かにつけて「自分(たち)は(避難しなくても)大丈夫」といえる根拠を探そうとしてしまうものだ。
だが命はひとつしかない。「想定外だった」「まさかこうなるとは思わなかった」では遅いのだ。自分や家族の笑顔、大切な人の笑顔を守るためにも、台風による影響を過小評価せず、率先してかつ前倒しで準備や必要に応じた避難の判断を下していただきたい。
結論
台風による大雨や暴風は、洪水や高潮・高波、土砂災害や停電、断水といったライフライン障害など、各地にさまざまな影響をもたらす。台風によって起こりうる二次災害を知り、正しく恐れることが大切だ。ハザードマップや防災グッズも準備して、いざというときに備えよう。
(参考文献)