1. お彼岸の期間があるのは日本だけなの?

お彼岸は仏教に関わる行事だ。日本以外にも仏教を信仰する方の多い国がいくつもあるが、お彼岸の期間があるのは日本だけなのだろうか?
お彼岸の由来とは?
お彼岸の期間とは、春分の日と秋分の日を中日(ちゅうじつ)とし、前後3日を合わせた7日間のことをいう。お彼岸は、年に2度行われる仏教行事である。仏教では、修行をすることで、迷いの多いこの世「此岸(しがん)」から悟りの境地であるあの世「彼岸(ひがん)」に到達すると考えられている。彼岸は真西の方角にあるといわれているが、春分の日と秋分の日は真東から太陽が昇って真西に沈む。太陽が極楽浄土方向に向かう日なので、この期間にお墓参りなどを行うようになった。
お彼岸期間は日本だけにある
インドやアジアの国など、ほかの仏教国ではお彼岸の習慣がない。これは、お彼岸が仏教だけでなく日本独自の文化が融合して成立したものだからだ。
日本では仏教が伝来する前から、先祖を供養して自然に感謝する習慣があった。春は1年の豊作を祈り、秋には無事収穫できたことを太陽や先祖に感謝する。この習慣が仏教と結びついて、日本ではお彼岸期間にお墓参りを行うようになった。
日本では仏教が伝来する前から、先祖を供養して自然に感謝する習慣があった。春は1年の豊作を祈り、秋には無事収穫できたことを太陽や先祖に感謝する。この習慣が仏教と結びついて、日本ではお彼岸期間にお墓参りを行うようになった。
2. お彼岸の期間はいつからいつまで?

お彼岸の期間は、春分の日と秋分の日を中日として前後3日を合わせた7日間だ。春分の日と秋分の日は、それぞれ3月と9月にあるが毎年変動する。2020年の秋のお彼岸の期間は9月19~25日、春のお彼岸の期間は3月17~23日であった。
毎年2月頃に国立天文台が翌年の春分、秋分の日を発表する。このため、2年以上先のお彼岸の日程は正確にわからないのだ。
毎年2月頃に国立天文台が翌年の春分、秋分の日を発表する。このため、2年以上先のお彼岸の日程は正確にわからないのだ。
3. お彼岸の期間には何をするの?

お彼岸期間に行うことは次の2つだ。
お墓参りをする
お彼岸期間は、故人を偲んで仏壇やお墓をキレイにしよう。お墓参りの際は、故人が好きだった飲み物や食べ物、お花をお供えする。春のお彼岸には牡丹餅を、秋のお彼岸にはおはぎをお供えするのが一般的だ。
「六波羅蜜(ろくはらみつ)」を意識する
六波羅蜜とは、極楽浄土に到達するために行う修行のことだ。お彼岸期間は次の6つの事柄を意識して生活しよう。
1.布施(ふせ)
人に施しをすること
2.持戒(じかい)
戒律を守って省みること
3.精進(しょうじん)
努力すること
4.忍辱(にんにく)
苦しくても耐えること
5.禅定(ぜんじょう)
心を落ち着かせて、自己反省すること
6.智慧(ちえ)
正しい判断力で、物事の本質を見極めること
1.布施(ふせ)
人に施しをすること
2.持戒(じかい)
戒律を守って省みること
3.精進(しょうじん)
努力すること
4.忍辱(にんにく)
苦しくても耐えること
5.禅定(ぜんじょう)
心を落ち着かせて、自己反省すること
6.智慧(ちえ)
正しい判断力で、物事の本質を見極めること
4. お彼岸の期間中にしてはいけないことは?

ここまで、お彼岸期間にすることを説明してきたが、反対にこの期間にしないほうがよいとされていることもある。
お彼岸期間にしてはいけないといわれていること
お彼岸期間に祝い事はしてはいけないといわれている。たとえば、結婚式や引越し、車の納車をするのを控える方が多い。ほかにも、お彼岸はあの世に近づく期間なので、お見舞いや水辺での遊びを避けたほうがよいと考える方もいる。
本当にしてはいけないの?
先ほど挙げた祝い事やお見舞い、水辺のレジャーなどは、本当にお彼岸期間中にしてはいけないかといえば、そうではない。ただし、「ご先祖様をないがしろにしている」と、感じて嫌な気持ちになる方もいるのだ。お彼岸期間中でも、とくに中日である春分の日と秋分の日は控えたほうがよい。地域によっても習慣は異なるので、気になる方は詳しい方に尋ねてみよう。
結論
お彼岸の日程やその期間に行うことについて解説してきた。お彼岸は仏教の思想に日本の風習が融合した、日本独自の行事である。春と秋に1週間ずつあるお彼岸の期間は、ご先祖様に感謝しながら、落ち着いて自分を振り返ってみるのもよいだろう。