1. 本棚の耐震対策が必要な理由
本棚はどこの家庭にも1つくらいはある家具だ。子ども部屋、リビング、寝室とさまざまな場所に置かれている。そんな身近な本棚が、地震で一瞬にして凶器になるという想像をしてみたことがあるだろうか。本棚の耐震対策が必要な理由を挙げてみた。
寝ているところに倒れてくる
寝室に耐震補強のされていない本棚がある場合、もし夜中に地震が発生すれば、そのまま寝ている場所に倒れてくる可能性が高い。その本棚に大量の本が収納されているとしたら、本棚の重みに加え本の重みで身動きが取れなくなり、避難ができなくなってしまう。
さらに、本と本棚の重みが身体を直撃すれば、大けがをする可能性も高くなる。
さらに、本と本棚の重みが身体を直撃すれば、大けがをする可能性も高くなる。
避難口を塞いでしまう
部屋の入口などに本棚を置いた場合、地震によって倒れるとドアを塞いでしまう危険性がある。子ども部屋などでは、大人が外からドアを開けて助けようとしても、倒れた本棚が邪魔になってドアが開かないというケースもある。非力な子どもには、重い本棚を動かすことはできないため、本棚の耐震性は子どもを守るためにも必要だ。
2. 本棚を耐震補強する方法
命を守るための本棚の耐震補強は、どのように行えばいいのだろう。効果的な方法をいくつか紹介しよう。
本棚の上下を固定する
本棚の上を突っ張り棒などで固定して耐震補強をしている方も多いだろう。しかし、それだけでは安心できる耐震補強とはいえない。
本棚に安全な耐震対策を施すためには、上下を固定することが大切だ。まず本棚の上を突っ張り棒などで補強し、さらに本棚と床の間をストッパーで固定しておく。ストッパーは、斜めになっており本棚全体をやや壁側に傾けることができるので、強い地震がきても、突っ張り棒との相乗効果で倒れにくくすることができる。
本棚に安全な耐震対策を施すためには、上下を固定することが大切だ。まず本棚の上を突っ張り棒などで補強し、さらに本棚と床の間をストッパーで固定しておく。ストッパーは、斜めになっており本棚全体をやや壁側に傾けることができるので、強い地震がきても、突っ張り棒との相乗効果で倒れにくくすることができる。
本が飛び出さないように本にヒモを渡しておく
本棚だけを耐震補強しても、地震が起こると本棚の中の本が飛び出してくることはよく知られている。本棚の本が飛び出さないように、本を縦に隙間なく並べておくことも大切だ。
さらに有効なのが、本棚にヒモを付けて落下を防ぐという方法だ。本の高さの中間くらいの位置を目安にヒモを渡しておけば、地震の振動で本が飛び出しそうになるのを防いでくれる。
さらに有効なのが、本棚にヒモを付けて落下を防ぐという方法だ。本の高さの中間くらいの位置を目安にヒモを渡しておけば、地震の振動で本が飛び出しそうになるのを防いでくれる。
重い本は本棚の下段へ
本棚の耐震補強も大切だが、本の並べ方にも注意しよう。大型本や辞書、画集、図鑑といった重い本は、できるだけ下の方に配置することだ。こうすることで、本棚の重心が下になり、地震で揺れても倒れにくくなる。高い位置から本が落下したときも、軽い本であればケガの危険性も少なくなる。
3. 本棚におすすめの耐震対策グッズ3選
本棚の耐震補強には、いろいろなグッズが販売されている。そのなかでもとくにおすすめの耐震対策グッズを紹介しよう。
不二ラテックス「T型固定式不動王」
粘着力のある2面を使って、本棚と壁を固定する耐震補強グッズだ。ただのL字型の補強金具と違って、バネを使って地震の衝撃や振動を緩和する「ダンパー」を使用しているところに特徴がある。
有限会社山五「つっぱり大輔」
地震によって、本棚の本が飛び出したり落下しないための耐震補強グッズだ。いわゆる突っ張り棒だが、本棚に取り付けやすいように、両側に「ダボ」と呼ばれる金具の突起が組み込まれている。地震によってズレてしまうリスクも少なく、ダボ穴のあるオープンタイプの本棚ならどれでも使うことができる。
新工精機「ふんばりくんシリーズ Zタイプ snc-fb-z」
本棚と天井の間にセットして耐震補強をするグッズである。ジャッキ型で、ハンドルを回すだけでしっかりと本棚と天井を密着することができる仕組みだ。本棚や天井への接地面はスポンジになっており、傷をつけにくくなっている。
ただし、かなりしっかりと固定できるぶん圧力に耐えられるだけの素材でなければ破損してしまう可能性もある。
ただし、かなりしっかりと固定できるぶん圧力に耐えられるだけの素材でなければ破損してしまう可能性もある。
4. 本棚の耐震対策は本当に効果があるの?
本棚の耐震補強グッズはいろいろとあるが、本当に耐震対策に効果があるのか疑問を抱く方も多いだろう。
期待する効果が得られないケースも
たとえば、本棚の耐震補強グッズに「震度7対応」とあっても、それが本当に震度7まで対応できているかどうか。東京都生活文化局が実際に商品テストをした結果、残念ながらなかにはクリアできていない商品もあった。
地震は自然災害だ。同じ震度であっても縦揺れ、横揺れ、揺れている時間の長さなど予測できないこともある。そのため表示だけに頼って「耐震補強は万全だ」と安心はできない。
地震は自然災害だ。同じ震度であっても縦揺れ、横揺れ、揺れている時間の長さなど予測できないこともある。そのため表示だけに頼って「耐震補強は万全だ」と安心はできない。
1つの耐震補強だけでなく、組み合わせることが大切
本棚の耐震補強は、1つだけでなく複数を組み合わせることでより耐震性が高まる。たとえば、突っ張り棒だけでは、天井に強度がない場合、大きな揺れに対しては効果が期待できないため、ストッパーと組み合わせる。
L字金具は壁の強度や材質によっては、ビスが抜け落ちてしまう危険性があるので、耐震マットを敷くなど複数を組み合わせることで、より本棚の耐震性を高めることができる。
L字金具は壁の強度や材質によっては、ビスが抜け落ちてしまう危険性があるので、耐震マットを敷くなど複数を組み合わせることで、より本棚の耐震性を高めることができる。
結論
本棚は、本の重みで安定しているように見える。しかし地震の揺れに見舞われると、その安定感は一瞬にして凶器に変わる。このことは、あらゆる実証実験で証明されている。自分の周りを見回してみよう。もし地震が起こったら、寝ているところに本棚が倒れてくることはないか。避難路を邪魔することはないか。そして、命を守るために耐震補強はしっかり行おう。