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豆知識|1ダース12個なのはなぜ?13個の場合もあるってホント?

豆知識|1ダース12個なのはなぜ?13個の場合もあるってホント?

投稿者:ライター 渡辺恵司(わたなべけいじ)

鉛筆アイコン 2021年9月 4日

1ダースが12個である理由や「ダース」という単位の起源、言葉の由来などを解説するとともに、英語で表現したいときの英文例や、1ダースが13個であるケース、ダースのさらに大きな単位なども紹介する。ちょっとした話のネタに、ぜひダースについての知識を深めてみてはいかがだろうか?

  

1. ダースとは

まずはダースという単位の基本的なところからおさらいしておこう。

「12個で1組」を表す単位のひとつ

ダースとは「12個を1組」とする数量の単位だ。単純に2ダースであれば24個、3ダースであれば36個と、1ダース増えるごとに12個ずつ増える。逆に6個であれば「半ダース」となる。鉛筆や軍手、ボールやビールなどを数える単位として使われることが多い。なお漢字1字で「打」と表現することもある。

2. ダースの起源と言葉の由来

「10個1組」という10進法に慣れている我々からすると「12個1組」はやや中途半端な印象を受けるかもしれないが、なぜ12個1組でダースという単位が使われるようになったのだろうか?

ダースは12進法から生まれた単位

ダースは12進法から生まれた単位だ。月の運行によって決まる1カ月は、12倍すると太陽の運行によって決まる1年になる。このことから、古代メソポタミアで12進法が使われるようになったと考えられている。1年は12カ月、時間は12時などダースと同じ12という単位は今でも使われている。

2・3・4・6で割り切れる便利な単位でもある

日本では10でひと括りとする10進法が一般的であり、我々もとくに何も考えずに使っている。使い慣れていることからか、なぜか10個1組は「キリがよい」と勝手に感じてしまう。だが欧米では今でも12進法が用いられることが多い。たとえば長さの単位である1フィートは12cmだ。

ダースも同様に、欧米ではさまざまなものを数える単位として定着している。12は2・3・4・6で割り切れる数だ。少人数で分けるときに便利で使いやすいうえ、分数や小数といった問題が10進法などと比べて生じにくいことから「12進法は数字的に美しい」と表現されることもある。

ダースという言葉の語源は?

一般的に、ラテン語の「duodecim(ドゥオデキム)」を語源とするフランス語「douze(ドゥーズ)」からきた、英語の「dozen(ダズン)」が転訛したもの(なまったもの)とされている。

3. ダースを英語で表現したいときの英文例

ダースは欧米でよく使われる単位であるとお伝えしたが、具体的にどのように使われるのか、英語表現を紹介しよう。

ダースを「12個」という意味で使う場合の英文例

  • I bought a dozen cups and two dozen eggs.(カップ1ダースと卵2ダースを買った)
  • There are half a dozen pens.(6本のペンがある) など
dozenを「12個」の意味で使うときは、1ダースでも2ダースでも複数形にならない。また6個を表すときに「six pens」と表現することもあるが「half a dozen pens」と表現することも多い。

ダースを「たくさんの」という意味で使う場合の英文例

  • I have some dozens of oranges.(数十個のミカンを持っている)
ダースを12個で1つの単位としてではなく、数ダース=数十個といった意味で使うこともある。

4. 1ダース「13個1組」の場合もあるってホント?

さんざん「12個1組」で1ダースであるとお伝えしてきたが、実は世界には13個1組で1ダースとするケースもある。

パン屋の1ダースは「13個」

13世紀頃のイギリスで、パン屋が「重さをごまかして売っている」という噂が広まった。これを是正するため、当時の国王であるヘンリー3世によって発令されたのが「パンとビールの基準法」である。同法は、重さをごまかして販売することに対し重い罰則を規定したものであった。だがすべてのパンの重さをまったく同じにすることはできない。そこでパン屋が考えたのが「1個オマケする」という作戦だ。重さが増える分には問題にならないため、最初から13個で売ることで罰則を回避していたのである。ここから、パン屋の1ダースは13個になったといわれている。

悪魔(魔女)の1ダースは「13」

「悪魔を召喚するとき魔女が13人集まる」あるいは「サタンが13番目の天使である」といった迷信が由来となり、悪魔の1ダースまたは魔女の1ダースは「13」を表す表現となっている。

5. ダースの上の単位も存在する

ダースには、より上の単位も存在する。せっかくなので最後に触れておこう。

12ダースで「1グロス」、12グロスで「1グレートグロス」

ダースのひとつ上の単位は「グロス」だ。12ダースで1グロス、すなわち12の2乗で144個ということになる。グロスは英語で「gross」と表記し、欧米では一般的な数量の単位である。さらに12グロスになると、今度は「1グレートグロス(great gross)」となる。12の3乗で1728個だ。

結論

ダースは古代メソポタミアで使われていた「12進法」から生まれた数量の数え方・単位だ。今現在も欧米では一般的に使われている。日本でも鉛筆やビールなどいろいろなモノの数量の単位として使われているが、どこか馴染みが薄いという印象はなかっただろうか?本稿が、ダースについて関心を深めるきっかけになれば幸いだ。
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  • 公開日:

    2020年10月 2日

  • 更新日:

    2021年9月 4日

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