目次
1. 加湿器は置き場所によって本当に効果が変わる?

加湿器の置き場所を意識せず使っている方は多いのではないだろうか。置き場所で効果が変わるのか、基本的な知識を解説する。
置き場所が効果に影響を与えるのは本当
適度な湿度が保たれていると、風邪やインフルエンザなどのウイルスを抑制する効果がある上に、体感温度が高くなり部屋が暖かく感じるなどメリットがあるため加湿器を導入する方が増えてきている。しかし、加湿器を導入するときに悩むのがその置き場所だ。実は加湿器は置き場所によって加湿効果が変わると言われている。では、加湿器の効率が悪くなる置き場所、良くなる置き場所について見ていこう。

加湿器の置き場所によっては、効果が得られにくい可能性がある。NGな置き場所を5つ挙げる。いつもの置き場所がそれらに該当しないか、確認してほしい。
窓際や壁の近く
窓際や壁の近くに加湿器を置いてしまうと結露の原因になる。窓や壁が結露した状態が続くとカビが繁殖する恐れがあるため注意しよう。
出入口や換気扇の近く
出入口や換気扇の近くは空気の出入りが激しい。このような場所に加湿器を置くと、せっかくの水蒸気が逃げてしまう。加湿の効率が悪くなるため、加湿器の置き場所としては適していない。
電化製品の近く
加湿器からは水蒸気が出る。そのため、水気に弱いパソコンなどの電化製品の近くに置くと故障の原因にもなる。水蒸気が当たらない置き場所を選ぶのがポイントだ。
エアコンの風が当たる場所
加湿器の中には湿度センサーが付いており、自動運転するものもある。このような機能が付いた加湿器を直接エアコンからの風が当たる場所に置くと、誤作動を起こす原因になる。
床に近すぎる場所
基本的に冷たい空気は下へ、暖かい空気は上へたまる習性がある。床付近に加湿器を置くと、水蒸気が冷たい空気で冷やされ結露となり床が濡れることがある。結露を避けて部屋全体を加湿するためには、最低でも床から30cm以上離れた場所に設置するようにしよう。
3. 加湿器の置き場所を選ぶときのポイントとは

前述したNGの場所と合わせて、置き場所を選ぶときのポイントを確認しよう。「エアコンの風を利用する」「窓辺や家電から離す」など、基本を解説する。
エアコンの風の流れをうまく利用できる場所
エアコンの風に加湿器の水蒸気が乗れば、加湿した空気が部屋全体に広がりやすい。ただし、上記でも紹介した通り風が当たると誤作動する可能性があるので、置き場所はエアコンの真下がおすすめだ。真下なら風が当たる心配が少なく、加湿した空気を上手に運べる。ちなみに、サーキュレーターや扇風機でなどで風を作って、水蒸気を広げる方法もある。
窓辺や家電などから離れた場所
冷気の影響を受けやすい窓や、水気に弱い家電から離れた置き場所を選ぼう。部屋の中央近くなら、窓やテレビなどの家電から距離をとりやすい。部屋の中央近くにテーブルやこたつがあればその上がよいだろう。
4. 加湿器を効果的に使うための置き場所を部屋別に解説

適した置き場所を部屋別に解説する。加湿器の効果を高めるための参考にしてほしい。
リビング
リビングなどの生活スペースでは、できるだけ部屋の中央に近いところを加湿器の置き場所にすると、部屋全体を効率よく加湿できる。家具の配置によって中央に置けない場合は、エアコンが空気を吸い込むための吸入口付近に加湿器を置けば、潤った空気がエアコンから出てくるためおすすめだ。
寝室
寝室に加湿器を置くと、寝ている間も肌や喉が潤った状態になる。しかし、加湿器からの水蒸気が直接肌に当たると、水蒸気の蒸発に合わせて余計に水分が取られてしまうため注意しよう。おすすめの置き場所は、水蒸気が直接肌に当たらない場所で、顔よりも高い位置だ。ただし、加湿器を付けたまま寝ると湿度が上がりすぎるので、結露やカビが発生しやすい。寝る前にタイマーをセットするといった工夫が必要になる。
赤ちゃん部屋、子ども部屋
赤ちゃんや小さなお子さんの手が届く場所は避けよう。倒してしまったり、吹出し口に触ってしまったりといったリスクがある。とくにスチーム式は吹出し口が熱くなるため危険だ。床にそのまま置くのは避けて、安定感のある台や棚の上を置き場所にする。適した置き場所がなく床に直接置かなければならないときは、赤ちゃんガードなどで囲んでおこう。
一人暮らし(ワンルーム)
一人暮らしのワンルームでも、置き場所の考え方は同じだ。窓辺や家電の近く、エアコンの風が当たる場所など、NGな場所は避ける。全体に広がるようになるべく部屋の中央に置くのがおすすめだ。
5. オフィスで卓上加湿器を置く場所としてふさわしいのは?

オフィスで活躍する卓上加湿器も、置き場所の選び方が重要だ。倒したり書類を濡らしたりといったトラブルを避けるために、あらかじめチェックしておこう。
電子機器や紙類に蒸気が当たらない場所
オフィス全体ではなく自分用の加湿器ならコンパクトな卓上タイプを選ぼう。デスクでの置き場所としては、パソコンなどの電子機器や書類などの紙類に直接水蒸気が当たらない場所、手などがぶつからない場所が最適だ。限られたスペース内でも、加湿器を効果的に使えるような置き場所を探してもらいたい。
6. そもそも加湿器の効果とは?

そもそも加湿器にはどのような効果があるのだろうか。主要な2つの効果を紹介する。
空気の乾燥を防ぐ
加湿器は空気の乾燥を防ぐ効果があるため、湿度のコントロールに役立つ。室内を快適に保つためには湿度を40~60%を保つ必要がある。湿度が下がると肌や喉、鼻が乾燥しやすい。
とくに冬は湿度が低く、エアコンの暖房などでも乾燥するので注意が必要だ。加湿器で加湿することで肌や喉などの乾燥を防げる。体感温度も高くなるのでエアコンの設定温度も下げやすく、暖房代の節約にもつながるだろう。
とくに冬は湿度が低く、エアコンの暖房などでも乾燥するので注意が必要だ。加湿器で加湿することで肌や喉などの乾燥を防げる。体感温度も高くなるのでエアコンの設定温度も下げやすく、暖房代の節約にもつながるだろう。
ウイルスの活動を抑える
湿度が低いと花粉やウィルスが飛散しやすい。湿度を上げることでウィルスの活動を抑制することが可能だ。また粘膜が乾燥することで防御機能が低下すると、風邪やインフルエンザなどにかかりやすくなる。自分や家族の健康を維持するためにも、加湿器で乾燥対策をしてほしい。
7. 加湿器の種類と特徴

加湿器の置き場所と併せて種類を確認しておこう。選ぶときはそれぞれの特徴を比較してから選んでほしい。
スチーム式の特徴
スチーム式は水を沸騰させて蒸気で加湿する。水を沸騰させるので雑菌が繁殖しにくく、部屋の温度を下げないのが特徴だ。ただし、吹出し口が熱くなるといったデメリットもあるため置き場所には注意しよう。また、消費電力が大きいので電気代が高い傾向がある。
気化式の特徴
水を含ませたフィルターに、風を当てて放出するタイプの加湿器だ。消費電力が小さく、送風口も熱くならないので使いやすい。一方でほかのタイプと比較すると加湿能力はやや劣り、フィルターの定期的な交換も必要だ。
超音波式の特徴
超音波で水を振動させてミストにする。小型でデザイン性が優れた商品が多く、オフィスなど卓上でも使いやすい。消費電力が小さいのもメリットだ。しかし、手入れがしにくく、雑菌が繁殖しやすいといったデメリットがある。小まめに手入れする、除菌機能があるモデルを選ぶなど、清潔に保つようにしよう。
ハイブリッド式の特徴
スチーム式と気化式のハイブリットである「温風気化式」は、気化式と比較して効率よく加湿できるのが特徴だ。ほかにはスチーム式と超音波式のハイブリットである「加熱超音波式」の加湿器も。水を加熱してから超音波で水蒸気に変える仕組みになっており、超音波式と違って雑菌が繁殖しにくい。
8. 部屋の広さに適した能力の加湿器を選ぶことも大切

加湿器を選ぶなら、まず部屋の広さに合った商品かを確認する。加湿能力は放出できる水分量で決まるので、基本的な知識をチェックしておこう。
加湿量とは1時間あたりの水分放出量
- 和室木造5畳 プレハブ洋室8畳:1時間あたり300ml
- 和室木造8.5畳 プレハブ洋室14畳:1時間あたり500ml
- 和室木造12畳 プレハブ洋室19畳:1時間あたり700ml
- 和室木造17畳 プレハブ洋室28畳:1時間あたり1000ml
- 和室木造25畳 プレハブ洋室42畳:1時間あたり1500ml
加湿能力は、室温20度で湿度が30%のとき放出できる1時間あたりの水分量で表される。上記のように、建物の構造や内装などの条件によっても必要な水分放出量は違うので注意しよう。なお商品の説明にある適応畳数は、一般的に一戸建てが想定されている。
リビングや寝室などに適した加湿量は?
リビングや寝室の広さはご家庭によって異なるので、適応畳数や水分放出量を参考にしてほしい。たとえば、リビングはほかの部屋より広い傾向があるので、1時間あたり700~900mlくらいを目安にする。
ワイドリビングや吹き抜けがあるリビングなら、1時間あたり1000ml以上あるパワフルな加湿器を選びたい。寝室などあまり広くない個室であれば、1時間あたり300~500mlほどの加湿器でも十分だ。
ワイドリビングや吹き抜けがあるリビングなら、1時間あたり1000ml以上あるパワフルな加湿器を選びたい。寝室などあまり広くない個室であれば、1時間あたり300~500mlほどの加湿器でも十分だ。
9. 加湿器を快適に使うならカビ対策やお手入れも重要

水を使用する加湿器は雑菌やカビが発生しやすい。清潔に使うためには、カビ対策や日頃のお手入れが重要になる。
木製家具やカーテンなどに蒸気が当たらないようにする
木製家具やカーテンに加湿器の水蒸気が当たると、カビが生える可能性がある。傷んだり変色したりする可能性もあるので、置き場所には注意しよう。同様にソファやファブリックなど、湿気ると困るものの近くは避けたほうがよい。
加湿のしすぎにも注意が必要
部屋を加湿しすぎると、壁やカーテン、家具に湿気がついてしまう。結露も発生しやすくなるため、カーテンやサッシの下にカビが生える原因になる。快適な湿度は40~60%なので、これを超えるようなら加湿器の電源は切っておこう。
水は毎日入れ替えて定期的にお手入れをする
加湿器の水に雑菌が繁殖すると、水蒸気とともに雑菌を部屋中に撒き散らすことになる。ミネラルウォーターなどの使用は避けて、殺菌作用のある塩素が含まれた水道水を使う。水を継ぎ足して使うのはNGだ。毎日新しい水に交換して、フィルターやタンクなども小まめに掃除しよう。シーズンが終わったあとは、キレイに洗って乾燥させてから保管してほしい。
10. 加湿器の置き場所や効果的な使い方を覚えておこう

加湿器を効果的に使うなら置き場所が重要だ。窓際や壁、出入り口の近くなど、NGな置き場所をチェックしておきたい。また、電化製品や木製家具、カーテンなど、水気に弱いものや濡れると困るものから遠ざけるのもポイントだ。
エアコンの風を利用したり、部屋の中央に置いたりすれば効率よく部屋が加湿できる。加湿器には乾燥を防ぎウイルスの活動を抑える効果があるので、正しい使い方や置き場所を確認してから上手に活用してほしい。
エアコンの風を利用したり、部屋の中央に置いたりすれば効率よく部屋が加湿できる。加湿器には乾燥を防ぎウイルスの活動を抑える効果があるので、正しい使い方や置き場所を確認してから上手に活用してほしい。
結論
適した置き場所を知っておけば加湿器を効率よく使用できる。結露やカビなどよくあるトラブルを避けるためにも、基本的な知識を確認しておこう。また、加湿器には種類があるので、選ぶ前にそれぞれの特徴を比較しておきたい。部屋の広さに対応した加湿量をチェックしておくことが重要だ。お手入れやカビ対策についても紹介したので、加湿器を使用するときに役立ててほしい。