1. 土間リビングとは?
土間リビングとは、昔ながらの日本家屋に見られる「土間」の機能と、リビングの機能を両方備えた空間を指す。そもそも土間とは、屋根や壁が設けられた室内にありながら、土足で入れるスペースのことだ。床はコンクリートや漆喰、石、珪藻土などの素材で作られるほか、土が露出していることもある。昔は土間を炊事場や物置場として使う機会が多く、収穫した野菜を置いたり、農具や漁具を収納したりしていた。
現在では、土間は収納スペースとして使われるケースが多い。しかし土足で入れる、水や汚れに強いなどの利点を生かし、土間を家族のライフスタイルに合わせたリビングにする事例も出始めている。子どもやペットが自由に遊べる場所、テラスや庭と一体化したくつろぎスペース、趣味を行う作業場などとして使えるだろう。
現在では、土間は収納スペースとして使われるケースが多い。しかし土足で入れる、水や汚れに強いなどの利点を生かし、土間を家族のライフスタイルに合わせたリビングにする事例も出始めている。子どもやペットが自由に遊べる場所、テラスや庭と一体化したくつろぎスペース、趣味を行う作業場などとして使えるだろう。
2. 土間リビングのメリットやデメリット

土間リビングにはさまざまな魅力がある一方、作る前によく検討しておきたいデメリットもある。以下で土間リビングのメリットとデメリットを紹介するので、しっかりチェックしておこう。
メリット1.水や汚れに強く幅広い用途で使える
土間リビングの最大のメリットが、幅広い用途で使える点だ。土間は水や汚れに強いため、子どもやペットの遊び場のほか、自転車・バイクの収納場所やメンテナンス場所にもなる。家具による傷跡もつきにくく、床を水で流してモップがけすれば簡単に掃除できるのがメリットだ。
メリット2.夏場は涼しい
土間の床にはコンクリートやモルタルなどの素材が使われる。これらの素材は熱伝導率が高く、熱を逃がしやすい。そのため夏場であっても空間が涼しく、エアコンの電気代を抑えることも可能だ。
メリット3.空間が広く見える
土間の部分とリビングの部分をひとつながりにすることで、部屋を壁で仕切る必要がなくなり、空間が広く見えるだろう。また土間リビングをテラスや庭とつなげると、窓を開けることで開放感のある空間になる。
デメリット1.冬は寒くなりやすい
夏場は涼しい土間リビングだが、冬は底冷えするため寒くなる。空間を温めても熱が逃げていきやすく、外気温も伝わりやすい。寒さの厳しい地域では不向きだろう。
デメリット2.段差ができやすい
家の床は、基礎工事で設けられた土台の上に作られる。そのため土の上に作られた土間との間には、どうしても段差ができやすい。小さい子どもや足腰の弱い方には段差が負担になるうえ、転倒などのリスクもある。
3. 土間リビングのおすすめの使い方

家に土間リビングがある方は、どのようなスペースとして使っているのだろうか。ここでは土間リビングの活用事例を紹介する。
ペットが思う存分遊べるスペース
雨や雪が降ってペットの散歩に行きにくい日も、リビングが土間であれば室内で思う存分遊べる。犬や猫はフローリングの床だと滑りやすいため、土間の床は事故防止や足腰の健康維持の面でも役立つだろう。
薪ストーブを置いたくつろぎスペース
土間リビングに薪ストーブを置き、家族がくつろげるスペースを作った事例もある。玄関とつながった土間に薪ストーブを置くことで、薪を運ぶ手間が軽くなるほか、木くずや灰を掃除する手間も減る。
洗濯物を干せるスペース
土間リビングを庭とつなげると、洗濯物を広々と干せるスペースにもできる。庭から日光が入りやすい、風通しがいい、広いため寝具などの大物を干しやすい点がメリットだ。
4. 土間リビングを作るときに失敗しないコツ

土間リビングの魅力を解説してきたが、実際に土間リビングを作る際、失敗しないためにはコツを押さえておくといい。ここでは土間リビングを作るうえで後悔しないコツを紹介する。
寒さ対策をする
土間のデメリットである寒さを対策するには、二重窓や間仕切りをつける、床暖房やストーブをつけるなどの方法がある。床の下に断熱材を敷くか、断熱効果のある床材を使うのもいいだろう。
段差をつけすぎない
土間リビングとほかの部屋の間にはどうしても段差ができやすいが、その差を大きくしすぎないのがポイントだ。段差を極力低くする、スロープを設置するなどして、将来の生活に備えておきたい。
間取りを考える
土間は土足で入ってもいい場所だ。しかし、土間リビングから別の部屋に移動するときは靴を脱ぐ必要がある。生活の動線を考え、いちいち靴を脱いだり履いたりしなくてもいい間取りにしよう。
結論
夏が涼しい、水や汚れに強いなどの魅力がある土間リビングだが、底冷えする、段差ができるといったデメリットも十分確認する必要がある。土間は家族構成やライフスタイルに合わせて多目的に使えるため、さまざまな用途で役立つ空間になるだろう。