1. 過去に発生した火災旋風の脅威を検証!

1923年に起きた関東大震災では、火災旋風で3万8千人もの人が犠牲となった。
地震発生当時、さまざまな場所で火事が起こった。そのため、広大な空き地であった旧陸軍被服廠(きゅうりくぐんひふくしょう)跡地に、家財道具を持ったたくさんの人々が避難してきたのだ。しかし、そこに火災旋風が襲ってきたのである。
そのほか、関東大震災では合計で140以上の火災旋風が目撃された。
また、2011年に起きた東日本大震災でも、宮崎県の気仙沼市で火災旋風が目撃されている。消防活動にあたっていた職員の3名が目撃しているが、いまのところ人的被害や物的被害は見つかっていないようだ。
地震発生当時、さまざまな場所で火事が起こった。そのため、広大な空き地であった旧陸軍被服廠(きゅうりくぐんひふくしょう)跡地に、家財道具を持ったたくさんの人々が避難してきたのだ。しかし、そこに火災旋風が襲ってきたのである。
そのほか、関東大震災では合計で140以上の火災旋風が目撃された。
また、2011年に起きた東日本大震災でも、宮崎県の気仙沼市で火災旋風が目撃されている。消防活動にあたっていた職員の3名が目撃しているが、いまのところ人的被害や物的被害は見つかっていないようだ。
2. 大地震で火災旋風が発生するメカニズム

火災旋風の詳しいメカニズムについては、いまだに解明されていないのが現状だ。ただし、東京消防庁では、以下の3つが火災旋風の発生要因だと挙げている(※1)。
●火災で発生した大量の熱気が上昇し、冷気と混じり合うこと
●風の走りを助長する滑らかな面、例えば水面や広場が存在すること
●適当な風速があること(ただし、10メートル以上の強風では発生しないといわれている)
つまり、大地震による火災で大量の熱気と冷たい外気が混じり合う、かつ適当な横風があって広い場所に火災旋風が発生しやすいということだ。
また、火災旋風は炎をまとって火柱のようになるものと、炎をまとわないものの2種類がある。炎をまとわないものは上昇気流によって形成され、炎をまとうものは上昇気流に炎が巻き込まれたことで発生している可能性が高いとされる(※2)。
●火災で発生した大量の熱気が上昇し、冷気と混じり合うこと
●風の走りを助長する滑らかな面、例えば水面や広場が存在すること
●適当な風速があること(ただし、10メートル以上の強風では発生しないといわれている)
つまり、大地震による火災で大量の熱気と冷たい外気が混じり合う、かつ適当な横風があって広い場所に火災旋風が発生しやすいということだ。
また、火災旋風は炎をまとって火柱のようになるものと、炎をまとわないものの2種類がある。炎をまとわないものは上昇気流によって形成され、炎をまとうものは上昇気流に炎が巻き込まれたことで発生している可能性が高いとされる(※2)。
3. 火災旋風からどうやって身を守ればいい?

私たちが実際に火災旋風に遭遇した場合、どのように身を守ればよいのだろうか。ここでは、身を守るための方法や火災旋風の習性について紹介する。
風下側には行かない
火災は風下へ延焼しやすく、火災旋風も風下での発生が多いといわれている。そのため、逃げるときは風の向きを確認し、風下側へは行かないのが重要だ。
たとえば、東から西へ風が吹いているときは、風下である西側へ行くのではなく、風上である東側へ逃げる。風の向きを確認する際は、火災で上がった煙の流れを見ると分かりやすい。
たとえば、東から西へ風が吹いているときは、風下である西側へ行くのではなく、風上である東側へ逃げる。風の向きを確認する際は、火災で上がった煙の流れを見ると分かりやすい。
火災からなるべく距離を取る
延焼している地域には決して近付かないようにして、火災からなるべく距離を取るようにしよう。大規模な地震が起きたら、揺れがおさまったあと、早急に避難所へ向かうべきである。
木造住宅が集まっている地域だと、一軒の家に火災が起きるだけであっという間に延焼していく。風上側へ早めに逃げるのが、自分や家族の身を守るために最も大切なことだ。
また、大規模な震災では大勢の帰宅困難者が出るため、群衆雪崩が起きる可能性もある。自宅以外の場所にいる際は無理に帰ろうとせず、安全な場所で待機しておくことも覚えておこう。
木造住宅が集まっている地域だと、一軒の家に火災が起きるだけであっという間に延焼していく。風上側へ早めに逃げるのが、自分や家族の身を守るために最も大切なことだ。
また、大規模な震災では大勢の帰宅困難者が出るため、群衆雪崩が起きる可能性もある。自宅以外の場所にいる際は無理に帰ろうとせず、安全な場所で待機しておくことも覚えておこう。
4. 今から準備したい地震と火災旋風への対策

地震や火災旋風が起きた場合に備えて、心得ておきたいことが4つある。いつ起こるか分からないからこそ、事前に対策をしておくのが重要なのだ。
火災が起きたらすぐに消火する
地震などで火災が発生した場合は、火が小さいうちに消火器で消火しよう。周囲の家へ火が燃え移るのを防ぐことに繋がるので、火災旋風が起きるリスクを少しでも減らせる。
ただし、火の大きさが自身の背丈を超えると、天井まで燃え広がる可能性が高くなる。その場合は、速やかに避難するのが大切だ。
消火器はホームセンターや通販などで購入できるため、持っていない場合は1つだけでも購入しておいてほしい。
ただし、火の大きさが自身の背丈を超えると、天井まで燃え広がる可能性が高くなる。その場合は、速やかに避難するのが大切だ。
消火器はホームセンターや通販などで購入できるため、持っていない場合は1つだけでも購入しておいてほしい。
避難するときはブレーカーを落とす
地震や火災旋風から避難するときは、必ずブレーカーを落とそう。火事の原因になる可能性が高い。
大規模な地震が起きると停電することがほとんどだが、停電から復旧した際に熱を発するものから出火することがある。電気ストーブ、こたつ、電子レンジなどが主な例だ。そのほかに、配線がむき出しになっている電化製品も、停電から復旧した際に出火しやすい。
この火災は通電火災とも呼ばれるが、これを防ぐためには、あらかじめブレーカーを落とすのが重要である。揺れを感じたら自動的にブレーカーを落としてくれる商品も販売されているので、火災対策のためにチェックしておこう。ガスの元栓も締めておくと安心である。
大規模な地震が起きると停電することがほとんどだが、停電から復旧した際に熱を発するものから出火することがある。電気ストーブ、こたつ、電子レンジなどが主な例だ。そのほかに、配線がむき出しになっている電化製品も、停電から復旧した際に出火しやすい。
この火災は通電火災とも呼ばれるが、これを防ぐためには、あらかじめブレーカーを落とすのが重要である。揺れを感じたら自動的にブレーカーを落としてくれる商品も販売されているので、火災対策のためにチェックしておこう。ガスの元栓も締めておくと安心である。
家具の転倒防止器具を設置する
地震が発生して家具が転倒した際に、電化製品の配線が損傷したり切断したりする恐れがある。出火の原因になるため、あらかじめ家具の転倒防止器具を設置しておくことが望ましい。
それだけでなく、家具が転倒することで、火災が起きたときの逃げ道を防いだり、自身や家族が下敷きになってしまったりする可能性もある。タンスやクローゼットなど、大きくて重さがある家具はとくに転倒防止器具を設置しておこう。
それだけでなく、家具が転倒することで、火災が起きたときの逃げ道を防いだり、自身や家族が下敷きになってしまったりする可能性もある。タンスやクローゼットなど、大きくて重さがある家具はとくに転倒防止器具を設置しておこう。
避難場所や連絡手段を家族と確認しておく
自宅付近の避難場所、もしくは火災旋風に襲われないような避難場所を事前に家族と確認しておこう。ハザードマップを見ながらどんなルートで行くのかも確認しておくと、家族の誰かがはぐれてしまった場合に見つけやすくなる。
また、地震などの災害が起きたときは通常の電話が繋がりにくくなる。そのため、災害用伝言サービスを利用するなど、もしものときの連絡手段も決めておこう。
また、地震などの災害が起きたときは通常の電話が繋がりにくくなる。そのため、災害用伝言サービスを利用するなど、もしものときの連絡手段も決めておこう。
結論
火災旋風は、関東大震災のときに多くの焼死者を出した災害である。詳しいメカニズムはいまだに解明されていないが、適当な風がある広い場所で上昇気流が形成されると発生するといわれている。また、火災旋風から身を守るためには、風上へ逃げることと、火災地域からなるべく距離を取ることが重要だ。消火器や転倒防止器具を用意しておくなどをして、日頃から地震や火災旋風に備えておくのも忘れないでほしい。
(参考文献)
※1出典:東京消防庁「火事場の旋風」
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/libr/qa/qa_41.htm
※2出典:一般社団法人 日本流体力学会「有風下で火炎風下直後に定在する火炎旋風の発生メカニズムに関する実験研究」
https://www.nagare.or.jp/download/noauth.html?d=33-6tokushu7.pdf&dir=112
※1出典:東京消防庁「火事場の旋風」
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/libr/qa/qa_41.htm
※2出典:一般社団法人 日本流体力学会「有風下で火炎風下直後に定在する火炎旋風の発生メカニズムに関する実験研究」
https://www.nagare.or.jp/download/noauth.html?d=33-6tokushu7.pdf&dir=112