1. 振り込め詐欺の最新手口は巧妙

ひとくちに「振り込め詐欺」といっても、いわゆる「オレオレ詐欺」や「架空請求詐欺」などのようにさまざまな手口がある。被害に遭わないためには、世の中にどのような詐欺があるか知ることが大切だ。まずは以下で振り込め詐欺の種類を見ていこう。
オレオレ詐欺
親族を装って電話をかけ、「事件を起こしてしまったので示談金が必要だ」などと言い、金銭をだまし取る詐欺。親族だけでなく警察官や弁護士になりすまし、「あなたの息子が事故を起こした」と連絡してくる場合もある。
還付金詐欺
自治体や税務署の職員を名乗って、税金や医療費、保険料、年金などの還付金があると偽り、必要な手続きだとだまして金銭を振り込ませる詐欺。「還付金を受け取るためには手数料を払う必要がある」などと説明してくる場合もある。
架空請求詐欺
「有料サイトを閲覧した」「サイト利用の無料期間が過ぎ退会手続きがとられていない」などと架空の事実をでっちあげ、利用料金を口実に金銭を振り込ませる詐欺。「振り込まないと訴訟手続きを行う」などといった文言で支払いを要求してくる。
融資保証金詐欺
融資すると偽って連絡し、融資を申し込んだ人に対して保証金などを口実に金銭をだまし取る詐欺。「簡単審査」「誰でも受けられる」などの言葉で誘うが、実際に融資するつもりはない。震災時に「復興を支援するために低金利で融資します」などと持ちかけてくる場合もある。
こんな言葉には注意しよう
犯人がよく使うだまし文句の例を挙げる。あくまで例だが、以下のようなことを言われた場合は要注意だ。
- 会社の金が入ったカバンを紛失した(もしくは横領した)ので立て替えてほしい
- 息子さんが痴漢したため弁護費用がかかる
- 不倫相手の女性を妊娠させてしまい、示談金を払わなくてはいけない
- マイナンバーカードを作成するのに費用がかかる
- 宝くじの当選番号を教えるので情報提供料を払わないか
- オリンピックに向けて株価が上場するので株を買わないか
2. 振り込め詐欺は組織犯罪なので対策が難しい

振り込め詐欺は、単独の犯行ではなく組織ぐるみで行われているのが実情だ。組織ではターゲットに電話をする係、ターゲットから金銭を受け取る「受け子」の係、振り込まれた金銭を引き出す係などの役割分担がある。さらに電話をする係の中でも親族を装う役、警察の役、上司の役などに分かれ、細かい台本やマニュアルが決められているという。
仮に受け子を捕まえることができても、詐欺の主導者の検挙には至らない場合も多い。手口も巧妙なうえ、オリンピックなどのイベントや震災などの社会情勢に便乗した詐欺も出やすく、完全に対策するのは難しいだろう。とくに高齢者はターゲットになりやすいため注意が必要だ。
仮に受け子を捕まえることができても、詐欺の主導者の検挙には至らない場合も多い。手口も巧妙なうえ、オリンピックなどのイベントや震災などの社会情勢に便乗した詐欺も出やすく、完全に対策するのは難しいだろう。とくに高齢者はターゲットになりやすいため注意が必要だ。
3. 振り込め詐欺救済法と口座凍結とは

振り込め詐欺の被害者を救済するために、平成20年6月から「振り込め詐欺救済法」が施行されている。その内容は、金融機関が被害者の振り込んだ口座を凍結することができ、被害額やその口座の残高に応じて返金が可能になるというものだ。
戻ってくる資金は「被害回復分配金」と呼ばれ、被害に遭った方からの申請を受け付け、申請した方々の被害額ごとに分配して返金する仕組みになっている。
たとえば1人が被害に遭い、振り込んだ総額が口座に残っていれば、全額が戻ってくる。しかし、すでに犯人が口座から引き出していた場合、取り戻せる額は少なくなる。2人が200万円ずつ被害に遭い、犯人が200万円を引き出してしまった場合、戻ってくる額は100万円ずつとなるだろう。
戻ってくる資金は「被害回復分配金」と呼ばれ、被害に遭った方からの申請を受け付け、申請した方々の被害額ごとに分配して返金する仕組みになっている。
たとえば1人が被害に遭い、振り込んだ総額が口座に残っていれば、全額が戻ってくる。しかし、すでに犯人が口座から引き出していた場合、取り戻せる額は少なくなる。2人が200万円ずつ被害に遭い、犯人が200万円を引き出してしまった場合、戻ってくる額は100万円ずつとなるだろう。
もし振り込め詐欺の被害に遭ったら
振り込め詐欺の被害に遭った場合、すぐに警察と振り込み先の金融機関に連絡しよう。返金を申請するには、その後振り込み先の金融機関に所定の申請書などを送付し、手続きを行う必要がある。
4. 振り込め詐欺からお金を守る対策ベスト3

振り込め詐欺からお金を守るためには、あらかじめ対策を講じておくことが大切だ。おすすめの対策方法を3つ紹介するので、家族とも相談して実践しよう。
1.迷惑電話防止機能付きの電話機を使う
振り込め詐欺の対策として、迷惑電話防止機能付きの電話機を使う方法がある。通話を録音するというメッセージを流したり、登録していない番号からの電話を拒否したりできる。中には、女性の声を男性の声のように変えるボイスチェンジ機能がついている機種もある。
2.家族間で合言葉を決めておく
犯人が家族になりすましても見破れるよう、家族にしかわからない合言葉を決めておくのもおすすめだ。結婚記念日や誕生日、ペットの名前などを合言葉にし、怪しい電話がかかってきた場合には聞いてみるといい。
3.ATMの振り込み限度額を下げる
犯人から指定された額を振り込めなくするために、ATMの振り込み限度額を下げておくのも有効だ。1日に振り込める額を設定することで、振り込め詐欺に遭った場合の被害を最小限にできるだろう。
結論
悪質な振り込め詐欺にだまされないためには、犯人グループの手口や常套句を知り、よく注意して電話を受けるといい。親族や金融機関を名乗る者から電話が来ても、通話後に本人に電話をかけ直すなどして必ず確認することが大切だ。