1. 煮沸消毒の効果は?

グツグツと沸騰したお湯で、雑菌などを殺すのが煮沸消毒。鍋と水、それに火があればできるため手軽でコスパもいい。たとえば食材の保存容器などは、洗剤をつけてスポンジで洗うことが多いが、どうしても洗い残しが出たり見えない雑菌が残ったりすることがある。その点でいうと、煮沸消毒は洗剤不要で目に見えない雑菌もやっつけることができるなど有用だ。
煮沸消毒はどれほどの効果がある?
目に見えないため効果を体感するのは難しいが、一般的に雑菌やウイルスの多くは熱に弱いとされている(もちろん例外もある)。
たとえばO157に代表される病原性大腸菌には「80℃以上」のお湯による煮沸消毒が有効とされている。また、腸炎ビブリオであれば「60〜65℃以上」のお湯による煮沸消毒で死滅させられるといわれている。
煮沸消毒によってすべての雑菌やウイルスを死滅させられるわけではないが、こうしたことからも「少なくとも洗剤をつけてスポンジで洗うよりは高い殺菌効果が望める」と考えていいだろう。
たとえばO157に代表される病原性大腸菌には「80℃以上」のお湯による煮沸消毒が有効とされている。また、腸炎ビブリオであれば「60〜65℃以上」のお湯による煮沸消毒で死滅させられるといわれている。
煮沸消毒によってすべての雑菌やウイルスを死滅させられるわけではないが、こうしたことからも「少なくとも洗剤をつけてスポンジで洗うよりは高い殺菌効果が望める」と考えていいだろう。
2. 何分煮沸すれば消毒効果がある?

では、具体的に何分間煮沸すれば効果的に消毒できるのだろうか?正しい煮沸消毒のやり方を覚えても、時間が適切でなければ十分な効果が得られない可能性がある。
煮沸消毒の時間は菌やアイテムにより異なる
前出の病原性大腸菌であれば80℃以上で10分、腸炎ビブリオなら65℃で1分以上といったように、菌の種類や消毒したいアイテムによって適した煮沸消毒の時間が異なる。
加えて時間に関しては諸説あるため、おおよその目安として考えてほしいのだが、1分から長くて15分程度と思っておこう。沸くまでの時間が必要になり、また一度に多くのアイテムを煮沸消毒できないといった欠点はあるが、そこまで時間がかかるものではないので取り入れやすいだろう。なお、アイテム別の具体的な煮沸消毒の時間については後述する。
加えて時間に関しては諸説あるため、おおよその目安として考えてほしいのだが、1分から長くて15分程度と思っておこう。沸くまでの時間が必要になり、また一度に多くのアイテムを煮沸消毒できないといった欠点はあるが、そこまで時間がかかるものではないので取り入れやすいだろう。なお、アイテム別の具体的な煮沸消毒の時間については後述する。
3. 煮沸消毒をする際の注意点

何でもかんでも煮沸消毒できる、というわけではない。いくつか注意点があるので、煮沸消毒のやり方を解説する前にお伝えしておく。
煮沸消毒の注意点
・先に煮沸消毒するアイテムをよく洗っておく
・アイテムの素材により、常温のときから入れるか沸騰してから入れるかを分ける
・素材の耐熱温度が100℃以上であることを確認する
・煮沸消毒したあとのアイテムは自然乾燥させる
・火災や火傷には十分注意する
たとえば食材の保存容器なら、先に洗剤をつけてスポンジで洗っておこう。煮沸消毒の前にできるだけ雑菌を減らしておくほうが効率もいい。
また、プラスチックは溶けて変形したり、中には熱によって有害な環境ホルモンが発生したりするものもあるため、とくに注意が必要だ。素材が不明なプラスチックは煮沸消毒を避け、アルコール消毒などを試みよう。
ほかにも、素材の耐熱温度をチェックしておくこと、雑菌などが移ってしまわないよう布巾で拭くのではなく自然乾燥させることなども注意点として覚えておこう。
何より、熱いお湯や火を使うので、火傷には十分注意していただくとともに、その場を離れないなど火災にも気をつけながら煮沸消毒をしてほしい。
・アイテムの素材により、常温のときから入れるか沸騰してから入れるかを分ける
・素材の耐熱温度が100℃以上であることを確認する
・煮沸消毒したあとのアイテムは自然乾燥させる
・火災や火傷には十分注意する
たとえば食材の保存容器なら、先に洗剤をつけてスポンジで洗っておこう。煮沸消毒の前にできるだけ雑菌を減らしておくほうが効率もいい。
また、プラスチックは溶けて変形したり、中には熱によって有害な環境ホルモンが発生したりするものもあるため、とくに注意が必要だ。素材が不明なプラスチックは煮沸消毒を避け、アルコール消毒などを試みよう。
ほかにも、素材の耐熱温度をチェックしておくこと、雑菌などが移ってしまわないよう布巾で拭くのではなく自然乾燥させることなども注意点として覚えておこう。
何より、熱いお湯や火を使うので、火傷には十分注意していただくとともに、その場を離れないなど火災にも気をつけながら煮沸消毒をしてほしい。
4. アイテム別・煮沸消毒のやり方

最後に、アイテム別に煮沸消毒のやり方やコツをお伝えする。ただ、あくまで一般的な例になるので、素材などによって適さないこともあるかもしれない。思わぬトラブルを避けるため、判断に迷ったときは煮沸消毒を控えよう。
用意するモノ
・アイテムが完全に浸かる大きさの鍋
・トング
・布巾(清潔なものを2枚)
布巾2枚のうち1枚は、ガラス瓶などを煮沸消毒するときに、ゴロゴロ動いて割れたりしないように鍋の底に敷くためのもの。もう1枚は煮沸消毒したアイテムを乾かす際に置いておくためのものだ。
・トング
・布巾(清潔なものを2枚)
布巾2枚のうち1枚は、ガラス瓶などを煮沸消毒するときに、ゴロゴロ動いて割れたりしないように鍋の底に敷くためのもの。もう1枚は煮沸消毒したアイテムを乾かす際に置いておくためのものだ。
瓶容器の煮沸消毒
1.瓶をよく洗い、ふたを外して鍋に入れる(鍋の底に布巾を敷いておく)
2.鍋に、瓶が完全に浸るほどたっぷり水を入れる
3.強火で沸騰させ、15〜20分ほど煮沸消毒をする
4.時間がきたら火を止めてトングで取り出し、布巾の上で自然乾燥させる
2.鍋に、瓶が完全に浸るほどたっぷり水を入れる
3.強火で沸騰させ、15〜20分ほど煮沸消毒をする
4.時間がきたら火を止めてトングで取り出し、布巾の上で自然乾燥させる
プラスチック容器の煮沸消毒
1.プラスチック製容器をよく洗い、鍋底に布巾を敷いたらたっぷり水を入れる
2.強火で沸騰させたら、ふたを外して容器とふたを入れる
3.10分ほど煮沸消毒をしたら火を止め、トングで取り出して自然乾燥させる
2.強火で沸騰させたら、ふたを外して容器とふたを入れる
3.10分ほど煮沸消毒をしたら火を止め、トングで取り出して自然乾燥させる
タオル(布巾)の煮沸消毒
1.タオルをよく洗って鍋に入れ、水をたっぷり入れる
2.強火にかけて沸騰させたら10分ほど煮沸消毒をする
3.火を止めてトングで取り出し、水ですすぐ
4.洗濯をしたときと同じようにピンチハンガーなどを使って乾燥させる
2.強火にかけて沸騰させたら10分ほど煮沸消毒をする
3.火を止めてトングで取り出し、水ですすぐ
4.洗濯をしたときと同じようにピンチハンガーなどを使って乾燥させる
結論
熱に弱い雑菌やウイルスなどには煮沸消毒が効果的だ。正しいやり方や時間などを覚えたら、ぜひ実践してみよう。ただし注意点もあるので必ず守り、迷うときはムリに行わないでほしい。煮沸消毒できるかどうか素材の耐熱温度をチェックするのもお忘れなく。