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白いコンパクトなガスファンヒーターの写真

ガスファンヒーターの寿命は何年?買い替えサインや処分方法も解説!

投稿者:ライター 渡辺恵司(わたなべけいじ)

鉛筆アイコン 2021年12月29日

ガスファンヒーターの寿命は何年なのか、買い替えサインなども交えながら詳しく解説していく。寿命を迎えたガスファンヒーターの正しい処分方法や、違法業者に依頼しないための注意点、無駄に寿命を縮めないようにするための使い方やお手入れのポイントなどもお伝えするので、あわせて参考にしてほしい。

  

1. ガスファンヒーターの寿命の考え方は2通りある

ガスファンヒーターの吹出し口の写真
ひとくちにガスファンヒーターの「寿命」といっても、その捉え方は2パターンある。

故障などによる「寿命」

ひとつは、故障などによって完全に動かなくなってしまった場合だ。電源が入らないなどわかりやすい症状が現れるため、修理や買い替えといった対策もはっきりしている。

安全に使用できないといったおそれが生じる「寿命」

迷うのが問題なく使えている場合だ。ガスファンヒーターは、使用できていれば買い替えを検討しないというご家庭も多いだろう。だが部品は経年劣化するため、いずれは燃焼効率が低下したり、細やかな火力調整が難しくなったりすることもある。部品の経年劣化が原因で不完全燃焼を起こせば大事故につながるおそれも出てくる。
たとえ使えていても、それが「安全」であるかどうかは素人にはわかりにくい部分でもある。故障といった明確な寿命ではなく、安全に使えるかどうかの寿命というのが、ガスファンヒーターにとってはたいへん重要だ。本稿でもこちらをメインに解説していくので、長く使っているガスファンヒーターをお持ちのご家庭にはぜひ、参考にしていただきたい。

2. ガスファンヒーターの寿命は何年?さまざまな角度から解説!

ガスファンヒーターの炎の写真
具体的に、ガスファンヒーターの寿命は何年くらいなのか見てみよう。上述のように、故障といったわかりやすい寿命ではなく、安全に使用できるかどうかという観点での寿命を解説する。

ガスファンヒーターの設計上の標準使用期間は10年

安全上、問題なく使用できる標準期間を「設計上の標準期間」という。ガスファンヒーターに限らず、さまざまな家電に設けられている。使用頻度などにもよるが、ガスファンヒーターをごく一般的な環境下で通常使用した場合「製造から10年」とされている。これを過ぎると安全に使用できなくなるおそれが生じるため、たとえ現役でも寿命(または寿命が近い)と考えよう。

【製造年月の確認方法は?】

メーカーや機種などで異なる場合もあるが、取扱説明書もしくは本体に貼られている銘板ラベルなどをチェックすれば、製造年月が書かれているはずだ。不明なときはメーカーに問い合わせて確認しておこう。

メーカーによる補修用性能部品の保有期間は6年

メーカーは、修理などのために補修用性能部品(交換部品)を一定期間保有している。ガスファンヒーターにおける保有期間は「製造打ち切りから6年間」である。これを過ぎると、たとえ軽度の故障であっても修理できず、実質的に寿命を迎えることがある。ただし部品が残っていれば、保有期間を過ぎても有償修理してもらえることも多い。

ガスファンヒーターの寿命は「6〜10年」を目安にしよう

ガスファンヒーター本体の寿命は、1日2〜3時間ほど使用した場合で「10年」といわれている。10年以上使っていると部品の劣化などで燃焼効率が低下したり、火力の微調整が難しくなったりといったことが増えてくる。また上述のように、修理するにしても必要な部品が手に入らず寿命を迎えることもある。こうしたことからも、ガスファンヒーター本体の寿命は6〜10年と考えておくとよいだろう。

ガスコードやソケットの寿命も把握しておこう

燃料(ガス)を本体に送るためのガスコードやソケットは、本体の使用頻度に関わらず7年ほどで寿命を迎えるといわれている。ガスが漏れぬよう密閉構造になっており、常に圧がかかるため劣化しやすいパーツである。ガス漏れによる事故を避けるためにも、ガスコードやソケットは定期的な点検に加えて、7年前後を目安に交換することが大切であると覚えておこう。

3. 寿命が近い証拠?ガスファンヒーターの買い替えサインとは

ガスファンヒーターの炎のイメージ写真
ガスファンヒーターが寿命を迎えた、あるいは寿命が近いというとき何かしらのサインが現れることが多い。たとえば次のような症状が現れたら寿命が近いと思っておこう。それはすなわち、買い替えサインでもある。安全のためにも、少しの異変も見逃さないようにしてほしい。

ガスの臭いがするようになった

ガスファンヒーター本体、あるいはガスコードやソケットなどが劣化により寿命を迎え、ガス漏れを起こしているおそれがある。直ちに使用を中止し、窓を大きく開けて換気するとともに、ガス栓を閉めて火の気を消そう。その後、速やかにガス会社などに点検を依頼することだ。

本体の側面が焦げている

ガスファンヒーターの部品が経年劣化で腐食してバーナーに穴が開くことがある。本体内でガス漏れが発生すると、点火の際に引火して機器側面が焦げることがある。本体の側面が不自然に焦げているという場合、こうした原因が考えられる。なんとなく使えていたとしても寿命と捉えよう。もちろん、使用は絶対に避けていただきたい。

点火時の音や運転音が大きくなった

ガスファンヒーター内のバーナーの劣化により、点火時の音や運転音が大きくなるなどの変化がみられることがある。炎が大きくなり、蓄積したホコリなどが燃えるといった事例も報告されている。ホコリのみが原因であれば拭き取ればよいが、バーナーの劣化が原因の場合は点検や修理を依頼したほうがよいだろう。

そのほかガスファンヒーターの買い替えサイン一覧

  • 頻繁にエラー表示されるようになった
  • 本体が異常に熱を持つようになった
  • フィルターランプが点灯するようになった
  • 風量が少なくなった
  • 立ち消えするようになった
  • 運転時に大きく振動するようになった
  • なかなか点火してくれなくなった
  • 吹出し口が焦げている など
直ちに寿命とは判断できないが、こうした場合は燃焼状態が悪く、パーツに劣化や腐食、そのほかの異変が生じているおそれがある。構わず使用し続けた場合一酸化炭素中毒などを招くことも想定される。一酸化炭素は無色無臭のため気づくのが遅れがちであり、そうなれば最悪の事態にもなりかねない。
少しでも異変を感じたら速やかに使用を中止し、取扱説明書を確認しよう。解決しなければメーカーのホームページをチェックする、メーカーに問い合わせる、もしくはガス会社に点検を依頼するなどしてほしい。

4. 寿命を迎えたガスファンヒーターの正しい処分方法と注意点

粗大ごみの「ごみ処理券」の写真
寿命がきたガスファンヒーターを処分する方法も知っておこう。リサイクルショップに買い取ってもらったり、フリマアプリなどで売却したりといった方法もあるが「寿命」なので、使用できない(ジャンク品)と仮定して解説する。

自治体の「粗大ごみ」に出す

もっとも確実かつ安全な処分方法は、自治体の粗大ごみに出すことだ。事前の申し込みと処理券の購入が必要となるため、処分の流れについては各自治体のホームページで確認しておこう。なお回収料金はガスファンヒーターの大きさや自治体などで異なるが、300〜700円前後が目安となる。

不用品回収業者に引き取りを依頼する

寿命を迎えたガスファンヒーターであっても、民間の不用品回収業者が引き取ってくれる場合がある。夜間や休日でもタイミングが合えばきてくれるし、何より自宅で待っていればよいので便利なサービスではある。だがこうした不用品回収業者に依頼する際は、次のポイントにくれぐれも気をつけていただきたい。

【無許可の業者、違法業者への依頼は絶対にNG!】

「不用品を無料で引き取る」などと宣伝している業者の中には、高額の運送料金や処分料金を請求されるといったトラブルが報告されている。あるいは不法投棄など不適正処理を働く業者もいる。そのため信頼できる業者に依頼することが大切だ。
ひとつの指標として「自治体の一般廃棄物処理行許可を得ている」「自治体の委託を受けている」という業者で絞り込もう。こうした業者は自治体のホームページに掲載されているか、問い合わせれば教えてもらえるはずだ。
ちなみに一般家庭から排出されるごみは「一般廃棄物」である。「産業廃棄物収集運搬業」「産業廃棄物処理業」「古物商」などでは回収できないため、そうした許可や免許しか持たない業者にはくれぐれも引き渡さないように注意してほしい。このあたりは環境省も注意喚起しているので、この機会に目を通しておくとよいだろう。(※1)

5. ガスファンヒーターの寿命を延ばすための使い方やお手入れ方法

コンパクトなガスファンヒーターの写真
ガスファンヒーターの寿命を「延ばす」ということは難しいかもしれないが「少しでも長く使う」ためにできることはある。不用意に寿命を縮めてしまわないよう、次のようなポイントに気をつけよう。

ガスファンヒーターの使い方で注意すること

  • 高温多湿の環境下に長期間置いておかない
  • 定期的に掃除をする
  • シリコンが含まれるスプレーなどを近くで使用しない
  • 吸気口やフィルターなどをふさがない
  • 使用後はクールダウンが終わるまでコンセントを抜かない など
高温多湿といった環境は、ガスファンヒーターの劣化の原因となる。長期保管する際も高温多湿になりにくい場所を選ぶか、湿気対策などを講じるなどしておこう。またスプレーに含まれるシリコンがガスファンヒーターの吸気口や吹出し口などに付着すると、機能の低下や故障を招くことがある。安全のためにも、そもそもスプレーを近くで使用しないように心がけよう。
吸気口などをふさいでしまうのも、異常燃焼を招き故障につながるおそれがあるため気をつけたいポイントだ。そのほか、クールダウンが不十分だった場合、故障につながるリスクもゼロではない。使用後はすぐにコンセントを抜かないなど、取扱説明書をチェックして正しい使い方を実践しよう。

ガスファンヒーターのお手入れ方法

  • ガス栓を確実に閉めて電源プラグを抜く
  • フィルターのホコリを掃除機で取り除く
  • 吹出し口のホコリを掃除機で取り除く
  • 水に濡らして固く絞った布などで本体を拭き掃除する
  • フィルターを洗って完全に乾かしてから戻す
こうしたところがお手入れのポイントとなるだろう。なお詳しいやり方についてはメーカーや機種ごとに異なるため、取扱説明書をご確認いただきたい。

結論

ガスファンヒーターの寿命は6〜10年だ。問題なく使えていても、6〜10年を迎えたら一度点検を依頼しよう。危険なのは、異変を感じているにも関わらず「大丈夫だろう」と使い続けることだ。一酸化炭素は無色無臭のため、気づくのが遅れるおそれがある。安全のためにも小さな異常を放置しないこと、異変を感じたら直ちに使用を中止し点検を依頼することを心がけてほしい。
(参考文献)
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  • 公開日:

    2021年1月29日

  • 更新日:

    2021年12月29日

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