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電気ストーブで部屋全体を暖めるには?効率的な使い方とおすすめ3選

電気ストーブで部屋全体を暖めるには?効率的な使い方とおすすめ3選

投稿者:ライター 渡辺恵司(わたなべけいじ)

鉛筆アイコン 2021年11月11日

暖房器具の中でもリーズナブルな商品が多い電気ストーブは、部屋全体を暖めるのに向いているのだろうか?電気ストーブの特徴や種類なども交えながら解説するとともに、石油ストーブはどうなのかといった疑問や、電気ストーブの選び方とおすすめなども紹介する。

  

1. 電気ストーブとは?部屋全体を暖めることはできる?

白い小型の電気ストーブ
暖房器具の中では比較的安価で手に入りやすいのが電気ストーブだ。取り付け工事が不要で持ち運びも楽など便利な点が多いが、部屋全体を暖めることはできるのだろうか?

電気ストーブの特徴

電気によって内部のハロゲンや電熱線を暖め、赤外線を発生させるという仕組みが電気ストーブだ。とりわけ暖まるまでのスピードが速いのが特徴で、商品によってはスイッチを入れてから1〜2秒で暖かさを感じるものもある。直接的に暖めたいというときに向いているのも電気ストーブの特徴だ。コンパクトで軽量タイプが多いため、キッチンや脱衣所などへの持ち運びも楽にできる。

部屋全体を暖めるには少々厳しい

便利な電気ストーブだが、赤外線方式なので部屋全体を暖めるには少々厳しいだろう。とはいえ商品や使い方によっては不可能ではないし、狭い空間であれば全体的に暖まる可能性はある。
だがリビングなど広い部屋全体を暖めるとなると現実的ではないうえ、電力消費量が増えて電気代もかかるなど非効率的だ。ストーブ選びは、その特性や性能などを十分理解したうえで選ぶことが大切になってくるだろう。

主な電気ストーブの種類と特徴

【カーボンヒーター】

ヒーター管に炭素が使われているタイプだ。軽量で、スイッチを入れてから暖まるまでの時間が速い。リーズナブルさと即暖性(速暖性)を求める方にはこちらがおすすめだ。

【ハロゲンヒーター】

発熱体にハロゲンランプを使用している。カーボンヒーターやシーズヒーターの台頭で見かける機会は減ってきたが、こちらもスイッチを入れてから暖まるまでの時間が短く済むのが特徴だ。

【シーズヒーター】

ヒーター管には、絶縁処理したニクロム線を金属製のパイプで覆ったものが使われている。耐久性がある反面価格が高くなりがち、かつ即暖性(速暖性)という点ではほかのストーブに劣るものの、省エネ機能を備えたものなども増えてきた。

【グラファイトヒーター】

ヒーター管に黒鉛が使われている。何よりの特徴は即暖性(速暖性)で、商品によってはスイッチを入れてわずか0.2秒で暖まるものもある。

【石英管ヒーター(ニクロム線電気ストーブ)】

ヒーター管には、ニクロム線を石英管で覆ったものが使われている。いわゆる従来の電気ストーブといったところだ。とにかく安価なモデルをお探しの方や、使用頻度が低いためお金をかけたくないといった方などにはおすすめできる。

【近赤外線と遠赤外線の違いは?】

上記のうち主に「近赤外線」を放射するのは、ハロゲンヒーターやニクロム線電気ストーブだ。一方「遠赤外線」を放射するのはカーボンヒーターやシーズヒーター、グラファイトヒーターである。
近赤外線ストーブは速暖性に優れる反面、広い場所や離れた場所への暖房効果は期待できない。遠赤外線ストーブは速暖性で見ればやや劣るものの、人体への熱伝達率は高い。同じ電力であれば近赤外線ストーブよりも熱効率がよいといえるだろう。

2. 電気ストーブを使って部屋全体を暖めるには?

円筒型の電気ストーブ
上述したように、赤外線方式の電気ストーブはそれ単体で部屋全体を暖めるには不向きである。だが使い方次第では、部屋全体を暖めるために使うことも可能だ。たとえば次のような場合である。

狭い部屋を短時間だけ暖める

電気ストーブは部分的に暖めるための暖房器具である。電力消費量も高いので、狭い場所かつ短時間の使用が適している。そのためトイレや脱衣所など「狭い空間を使用している間だけ」といった使い方をすれば部屋全体を暖めることは可能だろう。

出力の高い電気ストーブを使う

寝室や書斎などの部屋全体を暖めるには、確認して部屋の広さに合う適用畳数の電気ストーブ、出力の高い電気ストーブを選ぶことが大切だ。種類としてはカーボンヒーターやシーズヒーター、グラファイトヒーターなどが候補になるだろう。
これらは遠赤外線を放射する発熱体が使われている。熱効率がよいため同じ暖かさを感じられるようになるまでの消費電力は、近赤外線よりも低く抑えられる可能性が高い。

電気ストーブとエアコンを併用する

主旨からはやや外れてしまうが、電気ストーブを使いながら、かつ電気代を抑えながら部屋全体を暖めるのであればエアコンと併用する手がある。短時間のみ電気ストーブを使い、ある程度暖まったらエアコンに切り替えるといった方法だ。

3. 部屋全体を暖めるなら石油ストーブもおすすめ

燃焼筒が真っ赤に燃えている石油ストーブ
とにかく部屋全体を暖めることを重視したいのであれば、電気ストーブではなく石油ストーブといった選択肢も出てくる。石油ストーブの特徴を簡単にまとめたので見てみよう。

石油ストーブの特徴

灯油を燃やして燃焼筒(中心にある円筒)を加熱し、それによって発生した赤外線で空間を暖めるという暖房器具だ。電気を使用しないため災害時にも使用できるなど、石油ストーブならではというメリットも多い。

じんわりと部屋全体を暖めることができる

電気ストーブよりも立ち上がりは鈍い(暖まるまでの時間が長い)ものの、じんわりと部屋全体を暖めることができる。とくにファンヒーターを搭載したモデルであれば、より素早く暖めることが可能だ。

換気や灯油の補充など手間は少々かかる

石油ストーブを使用している間は定期的な換気が求められるほか、灯油を補充したり買いに行ったりといった手間がかかる。ペットや小さな子どもが火傷をするといったリスクもあるし、近くに燃えやすいものを置かないよう注意するといったことも必要だ。

4. 電気ストーブ以外に部屋全体を暖める方法

エアコンの写真
話を電気ストーブに戻そう。もうお分かりのように、電気ストーブ単体で部屋全体を暖めようとするとなかなか難しく、そのうえ電気代もかさむ。電気代を抑えつつ部屋全体を暖めることに注力するのであれば、次のような方法が得策だろう。

エアコンとサーキュレーターを併用する

エアコンは消費電力が高そうに感じるかもしれないが、1時間6〜7円程度と電気ストーブに比べてコスパがよい(ただし商品の性能や広さ、設定温度などにもよる)。暖房効率はよいが「部屋全体を暖める」となるとそれなりに時間がかかることもあるため、サーキュレーターを併用するのがおすすめだ。
エアコンの対角線上にサーキュレーターを置き、エアコンの吹出口に向かって斜め上に風を送ってみよう。こうすることで天井に溜まりがちな暖かい空気を部屋全体に行き渡らせることができるため、部屋全体を効率よく暖められる。

ファンヒーターと電気毛布を併用する

温風を吹き出して部屋全体を暖めるのがファンヒーターだ。エアコンよりも立ち上がりが速く、部屋全体を暖めるのにも向いている。ネックは消費電力の高さだが、ここで電気毛布を使ってみよう。
ファンヒーターの温度を低めに設定し、電気毛布で足元を暖めれば体感温度が上がるうえ、ファンヒーターの電気代も抑えられる。電気毛布の消費電力はもともと低いので節約になるだろう。

加湿器で体感温度をアップする手もある

空気が乾燥する冬は体感温度も低くなる。部屋の湿度を上げると体感温度が上がるため、暖房器具の温度設定を低めにしても十分な暖かさを感じられる可能性が高くなる。節電にもつながるワザだ。加湿器がなければ濡れたタオルを室内に干すといった方法でもよい。

5. 電気ストーブの選び方

電気ストーブのスイッチを入れようとしている人
ひとくちに電気ストーブといっても実にさまざまな商品が登場している。選ぶときに着目したいポイントをまとめたので参考にしてほしい。

使用場所に合うか

使用したい場所に適しているか確認しよう。比較的狭い空間であればシーズヒーターやハロゲンヒーター、リビングなど広めの空間であればカーボンヒーターなど、その部屋に合うタイプを選ぶことが大切だ。

暖房能力は十分か

エアコンのような適用畳数が書かれていない場合、頼りになるのはワット数だ。狭いスペースであれば500W程度、広めの空間であれば1000W程度がひとつの目安となる。400〜1000Wなど調節可能なタイプなら、部屋の広さに応じて使い分けることもできる。

消費電力はどれくらいか

一般的に電気代は【消費電力(W)×使用時間(h)÷1000×電気代の単価(円/kWh)】で求められる(1000で割るのは単位をkWhに合わせるため)。契約している電力会社のプランで単価が分かるはずなので、1日どれくらい使用するかイメージしつつある程度の電気代を計算するとよいだろう。

安全性能は備わっているか

消し忘れや転倒などによる火災のリスクを防ぐ自動停止機能や、障害物を検知するセンサーなどが搭載されているタイプは、事故のリスクを減らすことにつながる。

タイマーや首振りなど付帯機能はあるか

タイマー機能、首振り機能、加湿機能付き、自動温度調整など、さまざまな付帯機能を搭載した電気ストーブも増えた。ライフスタイルや使い方などをイメージした場合、どういった機能があると便利かリストアップしておくなどしよう。

6. 電気ストーブのおすすめ3選

オイルヒーター・電気ストーブのイメージ
おすすめの電気ストーブを3つ紹介しよう。上述のように単体で部屋全体を暖めることは難しいかもしれないが、いずれも高性能なのでひとつの参考にしてみてほしい。

ダイキン「遠赤外線暖房機 セラムヒート ERFT11YS-T」

風の影響を受けない遠赤外線を放射する電気ストーブだ。熱量の90〜95%が体に吸収される。同社によれば1.8m(約1畳分)先でも熱を感じることができるという。

トヨトミ「遠赤外線電気パネルヒーター EPH-123F」

電気ストーブとは異なるが、こちらもおすすめしたい。パネルの角度を変えることで暖められる範囲が変わるパネルヒーターで、RC造なら最大約8畳が適用範囲だ。

コロナ「オイルレスヒーター ノイルヒート DHS-1521」

オイルを使わずに直接空気を温める電気ストーブ。同社によると暖房の目安は10〜13畳とのことなので、比較的広めの部屋全体を暖めるのに使えるかもしれない。

7. それぞれの暖房器具の特性を把握したうえで効果的に使おう

明るい部屋とやや大きめの電気ストーブ
お伝えしてきたように、電気ストーブのみで部屋全体を暖めるには、狭い空間で使用するといった方法に限られてしまう。ほかの暖房器具と併用するなどすれば不可能ではないかもしれないが、やはりそれぞれの暖房器具が持つ特性を理解したうえで使用するのがベストだろう。
軽く触れたが、エアコンの暖房機能とサーキュレーターを併用する方法はおすすめだ。エアコンの設定温度を少々下げても温かい空気が循環するため、電気代を抑えられる可能性が高い。加湿なども上手におこないながら、効果的に部屋全体を暖めることを考えよう。

結論

「ストーブ」で部屋全体を暖めるのであれば、電気ストーブよりも石油ストーブがよいだろう。電気ストーブは即暖性(速暖性)に優れるが、リビングなどの部屋全体を暖めるには向かない。電気代がふくらむ原因にもなってしまうため注意しよう。また同じ電気ストーブでも種類は豊富にある。目的を明確にしたうえで用途に適した機種を選ぶようにしよう。
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  • 公開日:

    2021年1月19日

  • 更新日:

    2021年11月11日

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