1. お年玉の意味や由来とは?

まずはお年玉の語源と由来について解説しよう。お正月をする理由とも深く関係しているため、学ぶことで日本の風習への知識を深められる。
語源は年神魂
お正月は年神(歳神)様をお迎えする行事だ。年神様は五穀豊穣や稲の神様といわれており、家族に幸福をもたらすとされている。年神様の魂という意味がある言葉の「年神魂」が、お年玉の語源や由来になったという説が一般的だ。
また、一年の初めに賜るものであるため「年賜(としたま)」と呼ぶようになった、といった説もある。新年のお祝いとして送る贈り物全般を、「年玉(ねんぎょく)」と呼んでいた例もあるようだ。
また、一年の初めに賜るものであるため「年賜(としたま)」と呼ぶようになった、といった説もある。新年のお祝いとして送る贈り物全般を、「年玉(ねんぎょく)」と呼んでいた例もあるようだ。
元は餅だったお年玉
現在ではお金をもらうお年玉だが、もともとは餅を配るのが一般的だった。鏡餅や餅玉には年神様の魂が宿るとされている。年神様からいただいた魂(年魂)を、健康や豊作を願って分け与える風習がお年玉の発祥だ。
家長が家族や奉公人に餅玉を配り、それをお年玉と呼んだのが由来とされる。古くは1年の始まりに一斉に年をとる「数え年」だったため、餅玉(魂)をいただくことで年をとるといった考え方があった。お正月にお馴染みのお雑煮も、いただいた餅を食べるための料理なのだ。
家長が家族や奉公人に餅玉を配り、それをお年玉と呼んだのが由来とされる。古くは1年の始まりに一斉に年をとる「数え年」だったため、餅玉(魂)をいただくことで年をとるといった考え方があった。お正月にお馴染みのお雑煮も、いただいた餅を食べるための料理なのだ。
2. お年玉が餅から現金に変わった由来は?

もともとは餅を分け与える風習であったお年玉だが、現在では現金を渡すのが一般的だ。なぜ餅から現金に変わったのか、詳しい由来について紹介しよう。
現金になったのはいつ?
お年玉が現金になった由来は、江戸時代もしくは昭和30年代にあるという。江戸時代に商家が奉公人にお小遣いとしてあげていた、昭和30年代に都会でお金を配るようになったなど、さまざまな説がある。
また、現在では現金以外の物をお年玉としてあげるケースも増えている。図書カードや電子マネーなど、時代の変化によって日本の風習であるお年玉の形も多様化しているのだ。
また、現在では現金以外の物をお年玉としてあげるケースも増えている。図書カードや電子マネーなど、時代の変化によって日本の風習であるお年玉の形も多様化しているのだ。
子どもにあげるものに変化
現在はお年玉は大人が子どもにあげるのが普通だが、昔はそういった決まりはなかった。お年玉を子どもにあげるようになったのは、家長から家族へ、主人から使用人へなど目上の者から目下の者に渡していたことに由来する。
大人同士で渡すことが減っていき、大人から子どもにあげるもの、といったように変化していった。また、現在でも目上の方やそのお子さんにお年玉を贈ってはいけないというルールがある。お年玉をあげるのは失礼にあたるので、「御年始」「御年賀」として渡すか現金以外を用意するのが一般的だ。
大人同士で渡すことが減っていき、大人から子どもにあげるもの、といったように変化していった。また、現在でも目上の方やそのお子さんにお年玉を贈ってはいけないというルールがある。お年玉をあげるのは失礼にあたるので、「御年始」「御年賀」として渡すか現金以外を用意するのが一般的だ。
3. お年玉袋の由来は?

現金でお年玉を渡すときはお年玉袋に入れる。お年玉の由来と併せて知っておきたい、お年玉袋の豆知識を紹介しよう。
裸で渡すのはマナー違反
日本では売り買い以外で現金をそのまま渡すのはマナー違反とされている。お年玉も同様のことがいえるため、お年玉袋に折りたたんで入れるのが一般的だ。
裸のまま渡すのは失礼なので、お年玉袋がない場合でも紙などで包んでから渡してほしい。また、表の肖像画が見えるように入れる、逆さまにならないように入れるなど、そのほかにもさまざまなマナーがある。
裸のまま渡すのは失礼なので、お年玉袋がない場合でも紙などで包んでから渡してほしい。また、表の肖像画が見えるように入れる、逆さまにならないように入れるなど、そのほかにもさまざまなマナーがある。
もともとは懐紙だった
日本では昔から現金を渡すときに「懐紙(かいし)」と呼ばれる薄紙を使用していた。しかし、小銭を包んで入れると落ちることから半紙を糊付けするようになり、袋の形になったのが由来とされる。
気軽に使えるご祝儀袋として広まり、お年玉を入れる袋としても定着した形だ。また、お年玉袋も時代によって進化しており、デザイン性にすぐれた商品も増えている。お年玉袋選びもお年玉をあげるうえで重要なポイントといえるだろう。
気軽に使えるご祝儀袋として広まり、お年玉を入れる袋としても定着した形だ。また、お年玉袋も時代によって進化しており、デザイン性にすぐれた商品も増えている。お年玉袋選びもお年玉をあげるうえで重要なポイントといえるだろう。
ポチ袋と呼ばれる理由
お年玉袋はポチ袋とも呼ばれている。もともとは芸者や芸妓、旅館で働く方々に、お客さんが心付けを渡すときに使用されていた。関西の言葉である「ぽちっと」が由来で、「少しだけ」という意味がある。
「これっぽっち」という意味で使われ、そこから「ポチ」になったとされる。少しの小銭を渡すときの袋として「ポチ袋」と呼ばれるようになったわけだ。
「これっぽっち」という意味で使われ、そこから「ポチ」になったとされる。少しの小銭を渡すときの袋として「ポチ袋」と呼ばれるようになったわけだ。
結論
お年玉は大切にしたい日本の風習の一つだ。一般的には「年神様の魂」がお年玉の由来になったとされている。もともとは餅をいただく風習であり、一年の幸せや健康を願う意味があった。現金をもらうようになった今でも、由来を知ることでお正月について深く知るよい機会になるだろう。また、お年玉袋にも由来があるので、現金を入れるときのマナーと併せてチェックしてほしい。